火災保険で窓ガラスの割れが補償されるって本当?
窓ガラスの修理に火災保険が使えるの?
窓ガラスを修理する場合、火災保険で補償されると噂を聞いたことがある人も少なくないでしょう。
火災保険では窓ガラスの交換や修理にかかる費用をカバーできますが、どんな場合でも火災保険が使えるわけではありません。
今回は、窓ガラスの修理はどんなケースの場合、火災保険が適用されるのかなどを解説します。
この記事を読んだあなたは、窓ガラスの修理・交換で火災保険がどう使えるのかを理解できるでしょう。
火災保険で窓ガラスの破損は補償できる??
窓ガラスが割れた場合の修理や交換費用は、火災保険で補償される可能性があります。
しかし、どんな場合でも火災保険が適用される訳ではありません。
どのようにして窓ガラスが割れたのか、破損の原因によって火災保険が適用されるかされないかが変わります。
最近の窓ガラスは強靭なものが多いため、割れるケースは少ないでしょう。
しかし、何らかの事故で窓ガラスが割れて修理や交換をしないといけないとなると、費用が高額になり家計の負担になるでしょう。
そんな時、火災保険が使えると助かります。
どんな場合に火災保険が適用されるのかを解説します。
火災保険の補償内容
火災保険とは、火災や自然災害などによる建物や家財の損害を補償する保険のことです。
火災保険の対象物
火災保険は、「建物」と「家財」を補償対象にしています。
建物:建物に付帯していて動かせないもの(建物本体やそれに付属する門、塀、物置、車庫など)
家財:建物の中にあり動かせるもの(家具、テレビ、冷蔵庫、洋服、カーテン、什器など)
加入する保険プランにより、建物と家財の両方を補償する場合と、どちらか一方のみを補償する場合があります。
火災保険の補償範囲
火災保険で保険金が支払われるのは、下記の場合です。
補償範囲 | 事故例 |
---|---|
火災 | 火災で住宅が燃えた場合など |
落雷 | 落雷によって家電製品がショートした場合など |
破裂・爆発 | ガス漏れによって建物が爆発した場合など |
風災・雹災・雪災 | 台風などで割れた窓ガラスの破片で家財が破損した 豪雪、雪崩などで建物が被害を受けた場合など |
水災 | 台風や豪雨などの大雨によって浸水した場合など |
建物外部からの物体の落下・飛来・衝突 | 自動車の飛び込み、野球ボールがガラスを割った場合など |
漏水などによる水濡れ | 給排水設備の事故や他人の戸室で生じた事故に伴う漏水による水ぬれで損害を被った場合など |
騒擾・集団行動等に伴う暴力行為 | 泥棒に鍵や窓を壊されて家電などを盗まれた場合など |
不測かつ突発的な事故 | 誤って自宅の壁を壊した場合などの偶然な事故による損害を被った場合など |
保険金が支払われない場合
火災保険に加入していても、保険金がもらえない場合があります。
地震・津波・噴火による損害:火災保険では対象外(地震保険が必要)
故意や重大な過失による損害:意図的に引き起こした火災や過失による損害は補償対象外
経年劣化や使用による損傷:自然な老朽化や使いすぎによる損傷、設備の不具合による被害は対象外
契約範囲外の損害など、補償範囲に含まれていない事故や災害、特約を付けていない場合も補償対象外になります。
また、被害発生後の報告が遅れたり、必要書類が揃わない場合は給付金が支払われない可能性があるため注意が必要です。
火災保険が使えるケースは?
火災保険は、火災だけでなくさまざまな原因で発生した損害を補償することがあります。
窓ガラスの割れについても、条件を満たせば火災保険の適用が可能です。
火災による損害
火事によって窓ガラスが割れた場合、火災保険の補償対象となります。
自宅の火災だけでなく、近隣の火災による熱や爆風でガラスが割れた場合も適用される可能性が高いです。
風災による損害
台風や強風で飛ばされた物が窓ガラスに当たり、割れてしまった場合、火災保険の風災補償が適用されます。
ただし、風速〇m以上などの条件が設定されていることがあるため、保険内容を確認することが重要です。
雹災による損害
雹が降り、直接窓ガラスに当たって割れた場合、雹災補償が適用されます。
雹災の補償が保険契約に含まれているか確認しましょう。
盗難による損害
泥棒や空き巣が窓ガラスを割って侵入した場合、火災保険の盗難補償が適用されます。
この場合、窓ガラスの修理費だけでなく、盗まれた物品の補償も対象となる場合もあるでしょう。
ただし、窓ガラスは建物の補償になるため、家財のみを補償対象とした保険に加入している場合は保険が下りないため注意が必要です。
不測かつ突発的な事故による損害
家具の移動中に誤って窓ガラスを割ってしまった、子どもが遊んでいて誤って割ったなど、予期しない突発的な事故による損害も補償されます。
ただし、この補償は保険料を安く抑えるために省いている場合もあるため、契約内容を確認しましょう。
物体の落下・飛来・衝突による損害
隣家の屋根瓦が飛んできて窓ガラスが割れたり、車が衝突して窓が割れたりなど、外部からの物体の衝突による損害も補償対象となることがあります。
壊した相手が分かっている場合は、相手に損害賠償請求をするでしょう。
しかし、相手が分からない場合や、鳥の衝突などで損害賠償請求ができない場合は、ご自身の加入している火災保険で補償を受けられます。
火災保険で窓ガラスの割れを直せないケース

下記のようなケースでは、保険金が支払われない場合が多いです。
・わざと壊した場合
・経年劣化によって壊れた場合
・修理費用が免責金額を下回る場合
わざと壊した場合
自分で故意に窓ガラスを割ったり、破損させたりした場合は補償対象外です。
また、家族や同居人が意図的に壊した場合も適用されません。
保険金詐欺を目的とした故意の破損は犯罪となるため注意が必要です。
経年劣化によって壊れた場合
長年の使用による傷や変色などは、保険の対象外です。
窓ガラスを拭いても細かい傷がたくさんあったり、建て付けが悪くスムーズに使えない場合は、経年劣化と判断される場合があります。
修理が必要な場合は、自己負担で修理や交換をしないといけないため、注意が必要です。
修理費用が免責金額を下回る場合
火災保険には免責金額(自己負担額)が設定されていることがあり、修理費用が免責額以下の場合は補償を受けられません。
免責金額を5万円で設定。修理費用が3万円の場合。
修理費用が免責金額を下回るため、修理費用は自己負担になり、保険金が支払われません。
修理費用が免責金額を超えるかどうか、見積もりを取って確認することが大切です。
窓ガラスの熱割れは火災保険で適用される?
窓ガラスの「熱割れ」は、日光による急激な温度変化が原因で発生する自然な現象です。
そのため、一般的な火災保険では補償対象外となることが多いです。
保険内容に「不測かつ突発的な事故補償」がある場合、熱割れも補償の対象となる可能性があります。
ただし、保険会社が経年劣化や自然なガラスの特性による割れと判断した場合は補償されません。
下記の場合は、火災保険が適用されることがあります。
・近くで火災が発生し高熱にさらされてガラスが割れた
・強い日差しの後、急激に気温が下がり割れた(突発的な環境変化)
熱割れの原因は特定するのが難しく、保険会社の判断によって異なります。
窓ガラスが熱割れした場合、自己判断せずにすぐに保険会社に相談することをおすすめします。
他人の窓ガラスを割った場合は?
誤って他人の家や施設の窓ガラスを割ってしまった場合、修理費用を負担しなければなりません。
状況によっては保険を適用できるケースもあります。
火災保険に「個人賠償責任補償」が付いている場合、保険金で修理費用が補償できます。
個人賠償責任保険とは、日常生活で他人に損害を与えた際に修理費などを補償する保険
火災保険だけではなく、自動車保険やクレジットカード付帯の保険にオプションとして付いていることが多いです。
そのため、他人の窓ガラスを割った場合は、加入している保険内容を確認しましょう。
窓ガラスが破損!火災保険の申請方法
まず、窓ガラスが壊れた原因と被害状況を明確にしましょう。
申請時に必要な証拠を集めましょう。
保険会社が確認するための重要な資料となります。
写真:破損箇所や損傷状況を撮影。被害の詳細を分かりやすく撮影する。
破損の原因が分かる資料:火災や災害が原因であれば、その状況を示す証拠(消防署の報告書や気象情報など)
火災保険の契約先である保険会社に速やかに連絡しましょう。
証券番号が分かるとスムーズに対応してもらえます。
保険会社から案内された必要書類を準備し、申請します。
・保険金請求書
・損害証明書
・見積書、修理費用の請求書
・証拠写真
保険会社の査定結果に基づき、給付金が指定の口座に振り込まれます。
まとめ
火災保険では、窓ガラスの修理・交換で火災保険が適用される場合があります。
しかし、契約内容や割れた原因によって火災保険が適用されるかが決まるため、契約時にしっかりと補償内容を確認することが大切です。
また、火災保険は保険会社によって保険料や補償内容が異なるため、複数の保険会社を比較して検討することをおすすめします。
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