【2024年版】フランス渡航の海外旅行保険の選び方を徹底解説

数あるヨーロッパ諸国の中でも、随一の観光大国であるフランス。

フランスの観光名所と言えば、エッフェル塔やルーブル美術館をイメージする方が多いのではないでしょうか。

そして、観光だけでなく、グルメもフランス旅行の魅力の1つですよね。

また、フランスは比較的穏やかな気候で過ごしやすい国に言われているので、新婚旅行や卒業旅行でも人気な国です。

今回は、そんな魅力溢れるフランスに渡航する際に必要な海外旅行保険について解説していきます。

それに加えて、フランスの治安と医療事情についても解説していきますので、フランスへの渡航を考えている方はぜひ最後までご覧ください。

・フランスの医療費は日本と同等水準ではありますが、日本では健康保険があるため医療費の3割負担ですが海外では100%負担しなければなりません。予期しない高額支払いリスクをしっかりカバーしておきましょう。
・フランスではテロが発生するなど移民と現地のフランス人との間で対立が発生しています。日本とは前提が異なる点は注意が必要です。
・海外旅行保険では、上記のような治療費、治安などの観点から海外で発生するリスクをどこまでカバーしたいかという点が選び方のポイントです。詳細は専門アドバイザーに相談して決定するようにしましょう。

フランスへ渡航する目的や期間によって選ぶべき保険は異なる

まず、フランスに渡航する際に、必要となる海外旅行保険は、渡航目的や期間によってどんな海外旅行保険を選ぶのかが異なります。

数日～2週間程度の旅行であれば、怪我をしたり、事故に遭ったりするリスクはそれほど高くありません。

しかし、留学やワーキングホリデーなど長期間滞在する場合は、滞在期間が長くなるほど、リスクも高まります。

実際、人が多い場所ではスリや置き引きなどの犯罪が起こりやすいです。

なので、短期旅行より長期滞在の方が、海外旅行保険の補償内容をより充実される必要があります。

万が一のケースを想定してできるだけ海外旅行保険でカバーできるようにしておくと良いでしょう。

以上のことから、海外旅行保険は渡航目的と期間に合ったものを選んでください。

ワーキングホリデーや留学でフランスに渡航する方は、別途解説記事がありますので、ぜひこちらをご確認していただければ幸いです。

フランスの治安

海外旅行に行く際、旅行先の国の治安が良いのか悪いのか気になりますよね。

フランスの治安については、「そこまで悪くなさそう」とイメージする方は多いと思います。

結論、フランスの治安は日本と比べると良いとは言えません。

では、フランス旅行をする際、犯罪の被害に遭わないためにはどうしたら良いのでしょうか。

ここからは、できるだけ被害を防げるように、気を付けるべきことを解説します。

スリや置き引き

まず重要なことは、スリや置き引きに合わないように手荷物から目を離さないことです。

日本では、少し目を話しても所持品が盗まれることは少ないですが、フランスでは少しでも目を離した隙に、持っていかれてしまいます。

特に、人混みでは気づかぬうちに貴重品が取られていることがあるので、目の届くところでカバンを持つようにしましょう。

ぼったくり詐欺

次に、ぼったくりや詐欺に遭う可能性を低くするためにも、必要以上のお金は持ち歩かないようにしましょう。

財布を開いた時に中身が見えると、ぼったくりや詐欺に遭う可能性が高くなります。

なので、お金はいくつかに分けて持ち歩き、手持ちの現金がいくらあるのか分からないようにしましょう。

また、財布に気を取られているうちに、携帯電話やカメラなど他の貴重品が狙われることがあるので、注意が必要です。

夜道や裏道に注意

最後に、武装した警察などと遭遇しないように夜道や裏道は歩かないようにしましょう。

2015年に起きたテロ以降、フランスは警戒態勢が続いています。

しかし、パトロールしている警察に紛れて、武装している警察がいることもあるので、注意しなければなりません。

また、昼間は治安が良い場所でも夜になると治安が悪くなる場所もあるので、迷って脇道に入り込まないように、むやみに夜出歩くことは控えてください。

フランスの医療事情

海外旅行先で、病気になったり、怪我をしたりした時に、どこの病院に行くべきか、渡航先で十分な治療を受けられるかなど心配なことがありますよね。

結論、フランスの医療機関では、日本と同等の治療を受けることができます。

また、医療技術だけでなく、衛生面も日本と変わらない環境です。

それでは、気になる医療費も見ていきたいと思います。

フランスの医療費水準

医療費は、日本とさほど変わらないでしょう。

しかし、日本では健康保険に加入していると自己負担が3割ですが、フランスでは健康保険に加入していない場合、全額負担となることに注意してください。

治療・受診内容	保険金支払額（日本円）
救急車を呼んだ場合	8,300円 フランスでは1ｋｍごとに300円程度加算されていきます。
初診料	12,000円～18,000円程度
中耳炎の治療	480,000円 ※平均入院日数はフランスでは3日と短めです。
骨折の治療	40,100円～45,900円程
入院時の部屋代	フランス 個室：126,100円 フランス ICU:286,700円

日本と同等の治療を受けられるフランスですが、やはり日本の医療機関と異なる点があります。

フランスの医療機関でよくあるトラブル

フランスの医療機関は分業制

フランスの医療機関は分業制を取っているため、診察・薬・検査を受ける場所がそれぞれ異なります。

なので、各場所で手続きが必要となり、少し複雑な構造になっています。

病院の受診は予約制

また、フランスの一般的なクリニックに受診する場合、予約が必要です。

日本のクリニックであれば、突然受診しても診察してもらえますが、フランスでは基本的に予約制なので、1本電話をかけましょう。

従って、長期滞在をする場合は、主治医（かかりつけ医）を見つけておくと良いでしょう。

言葉が通じない可能性が高い

さらに、フランスの公用語はフランス語なので、日本語が通じない病院もあります。

英語であれば、ほとんどの病院が問題ありませんが、フランス語も英語も話せない場合は、海外旅行保険に付帯している通訳サービスを活用することをおすすめします。

病気や怪我をしている時は、普段よりも体力がなくなっているので、安心して治療を受けられる状態にしておきましょう。

加えて、近くの薬局に相談すると、日本語が通じる病院や、日本語通訳がいる病院を紹介してもらえることもあります。

海外旅行保険加入者のフランスでの保険金請求事例

では、最後に実際にフランスの医療機関を受診する際、どのくらいの金額がかかるのかを実例とともに解説していきます。

事故・病気の詳細	保険金請求金額（日本円）
胸と肺に息苦しさを訴え受診。狭心症と診断され4日間入院。家族が駆けつける。	314万
腹痛が続き、バスから降りた直後に嘔吐。大腿ヘルニアと診断され7日間入院･手術。家族が駆けつける。	331万
遊覧船下船時に転倒し足を強打。大腿骨頚部骨折と診断され9日間入院･手術。家族が駆けつける。	344万
到着後から目の痛みが始まり、翌日目が開けられない状態になり救急車で搬送。角膜潰瘍と診断され10日間入院。看護師が付き添い医療搬送。	355万
ツアー中に一時的な記憶喪失となり受診。虚血性障害と診断され9日間入院。家族が駆けつける。医師が付き添い医療搬送。	383万
雪で凍っている交差点で滑り転倒。足首の骨折と診断され7日間入院･手術。家族が駆けつける。看護師が付き添い医療搬送。	402万
靴を履く際、バランスを崩して台にぶつかり人工関節を脱臼。また入院中に膀胱炎を発症。16日間入院・手術。家族が駆けつける。	548万
高熱と発疹を訴え受診。マクロファージ活性化症候群と診断され12日間入院。家族が駆けつける。	549万
夕食後に気分が悪くなり倒れ、頭を強打。翌朝もめまいが続き受診。ウィルス性内耳炎･硬膜下血腫と診断され13日間入院。家族が駆けつける。医師が付き添い医療搬送。	561万
吐き気･下痢を訴え受診。脳梗塞と診断され15日間入院。家族が駆けつける。看護師が付き添い医療搬送。	573万
美術館を見学中に転倒。大腿骨転子部骨折と診断され20日間入院・手術。家族が駆けつける。看護師が付き添い医療搬送。	707万
モンサンミッシェルを観光中、テラスより落下し救急車で搬送。大腿骨骨折と診断され19日間入院・手術。看護師が付き添い医療搬送。	742万
横断歩道を歩行中、車に轢かれ救急車で搬送。頭部外傷・肋骨他骨折と診断され10日間入院。家族が駆けつける。医師が付き添い医療搬送。	942万
セーヌ川観光をしている際に脈が乱れ受診。静脈炎と診断され10日間入院。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。	1093万

上記の実例から見て、フランスでは数百万~1000万越えの請求が発生していきます。

特に、入院と医療搬送を伴う場合に高額な治療費がかかっています。

重要なケースでは、医療搬送が必要不可欠なので、このようなケースを想定して海外旅行保険の補償内容をチェックすると良いでしょう。

フランスへ渡航する上での海外旅行保険の選び方

ここまでの解説で、フランスの治安や医療事情を理解していただけたと思います。

フランスの治安は、悪くとは言えませんが、スリや置き引き、テロなど注意しなくはならないことがあります。

また、医療事情に関しては日本と同等の治療を受けられますが、診察・薬・検査が1つの病院で受けられないので、少し複雑です。

さらに、重症なケースで、入院や医療搬送が伴う場合は、高額な請求が発生することが想定されます。

そんなフランスに渡航する際、どんな海外旅行保険を選ぶべきかについて詳しく解説していきます。

日本で加入できる海外旅行保険

まずは、日本で加入することができる、海外旅行保険と留学保険についてです。

こちらは渡航前に日本で加入する保険で、自分に合ったプランを選ぶことができます。

また、日本語のサポートが付いているため、初めての海外旅行保険選びでも安心できます。

日本で加入するので、飛行機の遅延を補償してくれるプランもあったり、医療費以外にもさまざまな補償がついていたりします。

ただ、サポートが充実しているため、他の海外旅行保険と比較すると保険料が高いでしょう。

フランス現地の社会保険

次に、社会保険について解説します。

こちらは、学生社会保険機構に登録している高等教育機関に在籍する28歳以下の学生や、アルバイトを含む仕事をしている方に、加入が義務付けられている保険です。

社会保険に加入していると、医療機関や薬局、検査機関といった場所で的確で素早い対応を受けることができます。

また、他の保険と比較しても保険料が割安なため、加入が義務付けられている方は加入して損はないでしょう。

しかし、医療費の返金が遅かったり、自己負担額があったりと言ったデメリットもあります。

※中級レベル以上のフランス語力が必要です。

任意共済保険

最後に、任意共済保険について解説します。

こちらの保険は、任意のものなので、加入は義務付けられていません。

任意共済保険のメリットは、保険料が割安であることや、医療費以外も補償があることなどが挙げられます。

また、留学でフランスに渡航する場合、外国人留学生用のプランもあるためおすすめです。

しかし、社会保険ではカバーできない部分を任意共済保険だけで全てカバーできるわけではないので、注意しましょう。

※中級レベル以上のフランス語力が必要です。

フランスへ渡航する際の海外旅行保険プラン

フランスへ渡航する際の海外旅行保険プラン例は以下となります。

海外旅行保険を選ぶ際のポイントは、補償内容、補償金額、保険会社をどう選択するかという点です。

これらは個々人の健康状態や予算感によっても変わってきますので、海外旅行保険の専門アドバイザーに詳細を相談して決定するのが良いでしょう。

補償面	Aプラン	Bプラン	Cプラン	Dプラン
傷害死亡	1,000万円		1,000万円	3,000万円
傷害後遺障害	1,000万円		30～1,000万円	3,000万円
治療・救援費用	1,000万円	2,000万円	無制限	3,000万円
緊急歯科治療費用	10万円		10万円	あり
疾病死亡	1,000万円	2,000万円	500万	3,000万円
賠償責任	1億円		1億円	1億円
携行品損害	30万円		30万円	50万円
生活用動産
航空機寄託手荷物遅延等費用	1万円			10万円
航空機遅延
旅行事故緊急費用			5万円
テロ等対応費用	1万円			1万円
弁護士費用	100万円	100万円		100万円
保険料（渡航期間4日）	1,660円	1,350円	4,400円	2,780円
保険料（渡航期間7日）	2,600円	1,810円	7,440円	4,250円
保険料（渡航期間14日）	5,080円	4,480円	13,650円	9,030円
保険料（渡航期間21日）	7,380円	7,270円	18,150円	13,270円
保険料（渡航期間29日）	9,950円	10,610円	23,790円	17,990円
保険料（渡航期間2ヶ月）	ー	46,420円	47,840円	67,480円
保険料（渡航期間3ヶ月）	ー	143,530円	57,920円	193,290円
保険料（渡航期間6ヶ月）	ー	ー	126,810円	ー

まとめ

今回は、フランスに渡航する際に必要な海外旅行保険について解説いたしました。

フランスの治安状況や医療事情、おすすめの海外旅行保険を理解していただけたと思います。

万が一、フランスで怪我をしたり、病気になったりした場合は、高額な支払いが発生するリスクもあるため、医療費の補償額が高い海外旅行保険に加入することをおすすめします。

そして、海外旅行保険に加入する際は、ご自身の渡航目的と期間に合った保険を選びましょう。

フランスへの渡航を考えていらっしゃる方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。