見どころも多く、自然が美しく、人もフレンドリーで、旅行しやすいカナダは、ワーホリ、留学、旅行と人気の海外渡航先です。自然が豊かだからでしょうか、カナダにいると、なぜだか気持ちがゆったり、のんびりしてくるんですよね。今回は、カナダ在住歴16年の筆者が、カナダ旅行のポイント、医療事情など、わかりやすく紹介します。
目次
ココがポイント
- カナダの医療費は非常に高額。現地では3,000万円を超える治療費請求を受けている事例もあります。
- クレジットカードの付帯保険では、高額な治療費請求を受けた際不足するケースが多いです。
- カナダへの海外旅行保険に関しては、補償内容をカスタマイズすることで費用を抑えることが可能です。
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カナダを旅行するならいつがベスト?
カナダと一口にいっても、カナダは西端と東端は5000kmも離れているため、地域によって特徴が変わってきますが、基本的には、旅行するなら、6月〜10月がオススメです。
カナダの夏は、6月と7月が本番。夏至の時期は、北に行けば行くほど日照時間が長くなり、夜10時まで明るいです。気温は30度を越す日も多く、日差しが強烈なので、サングラスと帽子は必須です。
スキーが目的であれば、12月下旬から3月上旬がシーズンです。日本との時差は-17時間。最初の数日は体が慣れるまで大変かもしれません。
旅のプランは時差ボケを計算に入れて、ゆったり目に立てると良いでしょう。
カナダの治安
カナダの治安は良く、2017年の世界平和度指数では第8位となり10位の日本より上位となっていますが、軽犯罪はどこでも起こり得るので注意は必要です。
・車上荒らしや泥棒は多発している。
・ホームレスが多いエリア、ドラッグ中毒者が多いエリアには近づかない。
・女性旅行者は、見知らぬ男性にバーなどで声をかけられてもついていかない。
・銃による犯罪はほとんどない。(日本と同程度)
特に、車上荒らしはよく聞くので、レンタカーを離れる時には車内には何も置かないようにしましょう。
カナダ旅行に海外旅行保険は必要か?
食べ物や水質、感染症などの心配はさほどありませんが、カナダ旅行者に意外と多いのが現地での怪我です。カナダといえば、自然観光、ハイキングやスキーなど、アクティブな旅のプランを立てる方も多いかと思います。その分、捻挫や骨折という怪我のリスクが増えてしまうのも仕方のないことかもしれません。
しかもカナダの医療費は本当に高額となります。
海外旅行保険に加入していないと、診察料は10分程度でも最低100ドル、ERに行くと最低$500 ドルです。そこに、処置代、薬代、手術費と追加されていくと恐ろしい金額になります。
特に、冬のウィスラーやバンフにスキー・スノーボードに行く人は、最低2000万~3000万円の「治療・救援」補償に加入することを強くおすすめします。また、上記に挙げたように、車上荒らしや盗難に遭ってしまったときのためにも、「携行品損害」補償も加入しておいた方が良いでしょう。
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「治療・救助費」補償に合わせて「救援者費用」を
カナダではよっぽどの症状でない限り入院することができません。怪我の手術程度だと、麻酔から覚めて2時間後には退院なんてことはザラにあります。健康な出産の場合、24時間後には笑顔で「You can go home!」と言われます。「こんな状態で家に帰されても!」と心の中では思うのですが、病院は国費で運営されているため、いいのか悪いのか必要以上の検査や入院はなく、自宅療養&通院がメインとなります。
というわけで、もしカナダで入院する事態になった場合、回復途中で退院させられてしまうため、誰かの助けなしでは乗り切れません。そのための保険項目に「救援者費用」補償もお忘れなく!
カナダの医療事情
カナダの医療事情は、世界でもトップレベルで衛生面・技術面とも安心です。しかし、カナダの医療制度は特殊なので、日本との違いを理解しておいた方が良いかもしれません。まず、カナダ居住者の医療費は全て税金でカバーされているため、病院にはかかっても、手術をしても支払いは発生しません。また、カナダの医療はGP制(ファミリードクター制)で、それぞれの患者には行きつけのクリニックがあります。技術面では安心できるカナダの医療ですが、競争がない分、快適なサービスなどはあまり期待できません。
病院の種類
カナダの病院・クリニックのほとんどが政府系の公立病院です。私立の病院・クリニックは非常に少ないです。病院の種類は、入院施設のある総合病院、専門病院、クリニックとウォークインクリニックで成り立っています。街のいたるところに、クリニックを見かけると思うのですが、これらは地元の人のための予約制のクリニックなので、海外旅行者は断られることが多いので注意です。
海外旅行者が行ける病院は限られている
では、旅行中に具合が悪くなったらどうしたら良いでしょうか?海外旅行者は、「ウォークインクリニック」および「総合病院のER」に行きます。しかし、地元の人も、急ぎの場合はウォークインクリニックを利用しているので、いつも混み合っています。たいてい1−2時間待つことになりますが、たまに予約も受け付けてくれることがあるので、保険会社を通して問い合わせてみると良いでしょう。
ウォークインクリニック?それとも総合病院?
保険会社に問い合わせれば、行くべき病院を指定してもらえるとは思いますが、一般論としては風邪、腹痛、捻挫などの緊急性の低い症状はウォークインクリニックの管轄です。出血量が多い、症状が強いなどの場合は総合病院のER(緊急外来)になります。ちなみに、ERは混み合っていることが多く、事故や意識がないなど一刻を争う事態以外は、数時間待たされることが多いです。
海外旅行保険のキャッスレス対応
カナダの病院は国や州が運営しているため、あまり融通が利きません。バンクーバーなどの大都市では、海外保険対応にも慣れていて、日本語可能、キャッスレス可能というクリニックはあります。しかし、大都市以外で、緊急時に総合病院にかかる場合は、治療費建て替えが一般的と思ったほうが良いでしょう。キャッスレス不可な場合でも、保険会社が病院と話して解決してくれる場合があるので、病院にかかる前に加入してる保険会社に問い合わせてみましょう。
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通訳サービスをつけると病院代がキャッスレスに!
これは知る人ぞ知る裏技です。日本からの旅行者の多い都市では、日本語の医療通訳サービスがあります。医療通訳サービスを使うと、通訳のみならず、病院の手配、送り迎え、キャッスレス対応まで、治療に関わる全てをサポートしてもらえます。日本の海外旅行保険に加入していれば、自己負担は0円でこのサービスを受けられます。筆者も、膝の手術の際に、通訳サービスを使いました。
何から何までお世話になり、治療費の額も知らないまま、安心して治療に専念できました。
以下、メジャーな都市での医療通訳サービス一覧です。
バンクーバーの医療通訳サービス
Trans Med
メインランドクリニック 604-339-6777
コーストメディカルクリニック604-720-0777
時間外救急専門 604-720-7894
ウィスラーの医療通訳サービス
ジャパナダエンタープライズ
*ウィスラーに行く予定の方は、出発前・ウィスラー到着後に安心カードに登録しましょう。
604 - 932 - 2685
バンフの医療通訳サービス
キュアヘルプライン
403-762-7771
トロントの医療通訳サービス
エムシーアイクリニック
416-820-5448
WELLNESS KIZUNA
647-628-0023
上記以外の都市は、保険会社に連絡の上、指定された病院で治療を受けることになります。病院でのやり取りは全て英語ですが、カナダは移民の国なので、アクセントのある英語も割と理解してくれます。物怖じせずに、ドクターに症状を話してみてください。
海外旅行保険の補償内容
海外旅行保険は、留学、ワーホリ、海外旅行、インターンシップなど様々な目的で海外に滞在することを前提にした補償内容を備えた海外旅行保険のことです。海外で発生しうる様々なリスクをカバーしてくれますが、主だった補償内容は以下となります。大別すると、1.現地で入院した、健康のトラブルが発生した際に補償される補償、2.物を盗まれた、壊した際の補償、3.航空機が遅延した際の補償、4.その他の大きく4つに大別されます。この他にも特約としてつけられる補償はありますが、ベースとなっている補償は以下の通りです。
補償項目 | 解説 |
1.傷害死亡 | けが、不慮の事故で亡くなった場合に定額で補償 |
1.傷害後遺障害 | けが、不慮の事故で後遺障害が残った場合に等級により支払う保険金枠 |
1.傷害治療費+疾病治療費+救援者費用 | 現地での怪我、病気の治療費、治療に伴う帰国や他国への移送費用、遺体の輸送費、被保険者が死亡・入院した場合にご家族が駆け付ける費用 |
1.疾病死亡 | 病気で亡くなった場合に定額で補償 |
1.歯科治療 | 現地で歯科治療を受けた際治療費が支払われる補償 |
2.賠償責任保険 | 海外での日常生活で他人にけがをさせたり他人のものを壊したりして損害を与え損害賠償責任を負ったときの補償 |
2.携行品、生活動産 | 持参物等の盗難、破損、火災等での損害補償、生活用動産はそれに加え居住中の家財も補償対象 |
3.航空機寄託手荷物遅延 | 飛行機に搭乗し手荷物が届かなかった時に購入した生活必需品の費用の補償 |
3.航空機遅延 | 飛行機が遅延した際にかかった宿泊費や交通費の補償 |
4.弁護士費用 | 損害賠償請求する際の費用、弁護士への相談費用の補償 |
そもそも海外旅行保険は必要なの?
海外旅行保険に加入するかどうかを悩まれる要因としては、何と言っても保険料の高さでしょう。1年間カナダへ長期滞在する際の保険料は平均20万円程度。海外渡航全体の費用を押し上げてしまう要因となってしまいます。実際に海外渡航された方の失敗談なども踏まえて、以下の記事で海外旅行保険の必要性についてまとめています。結論としては、海外旅行保険でカバーするべき最大のポイントは海外で発生しうる"高額治療費請求"でありですので、これらのリスクを自分で取るか取らないかというのが最大の論点となります。
参考:AIG損保HP
AIG損保に掲載のある海外で実際に多いトラブル上位では、1.健康にまつわるもの、2.手荷物にまつわるもの、3.航空機にまつわるものの3点がトラブル発生率が高いものとして挙げられています。海外旅行保険のプランを選んでいく上でも、まずは上記の3トラブルを抑えつつ、その他の補償をどの程度つけるのか、削るのかを検討しておくのが良いでしょう。
海外旅行保険の付帯サービス
キャッシュレスで受診できる
海外旅行保険の付帯サービスとして保険会社の提携病院であればキャッシュレスで受診することができるため安心です。海外と日本の治療費水準は異なるため、渡航先によって高額な治療費を請求されるケースが多発しています。その場で手持ちの資金がないといったことがないように、病院で治療を受ける際は保険会社が病院に直接治療費を支払いシステムになっています。診察料金を気にせずに病院へ行けることは、海外旅行保険のメリットと言えます。
医療通訳サービス
現地で治療を受ける際に、英語ならまだしも様々な国に渡航する際に医療会話を現地語で話すことは難易度が高いです。その際、自分が伝えたいことを医療通訳サービスが代わりに伝えてくれるサービスが提供されています。緊急事態だととっさに難易度の高い会話ができないといった可能性もありますので、現地で重宝されるサービスです。
その他サポート
スーツケースの破損、パスポートの紛失など治療関連以外の現地でのトラブルにも対応する保険会社があります。対面でのサポートデスクを展開する保険会社では、アパートの契約など現地生活での困りごとを気軽に相談でき便利です。日本の意思にオンラインで相談できるサービスを提供している会社もあり、各社によってサポート体制は異なります。
カナダへの海外旅行はクレジットカードの付帯保険では不十分?
短期の渡航の場合、クレジットカードの付帯保険でカバーしようとお考えの方もいらっしゃいます。クレジットカードの付帯保険の場合困るポイントは以下です。
- 海外滞在中の怪我、病気などで入院することとなった場合、クレジットカードの付帯保険で保障される治療費では足りない場合がある
- 海外旅行保険で補償される項目がクレジットカードの海外旅行保険では補償されないケースがあり
- 自動付帯・利用付帯のクレジットカードを組み合わせて保険料をできるだけ安くしようとする場合、クレジットカード会社の規約次第では、保険料が降りない可能性がある
- クレジットカードの付帯保険の保険期間は一般的には渡航後3ヶ月
インターネット上には、海外への長期渡航であったとしても海外旅行保険を安くする裏技として、クレジットカードを複数枚組み合わせて保険料なしで渡航する方法が記載されていたりします。何も事故が起こらなければ問題は発生しませんが、いざ事故に逢った場合に、クレジットカード会社の規約上上記のような利用の仕方は補償対象外であったり、パスポートの消印などの提出を求められた場合に無効になるといったケースもあります。高額補償が出ないなどの可能性もありますので、万が一クレジットカード保険で渡航する場合は、短期でしたらまだ事故や治療の発生可能性も低くなりますが、長期かつ治療費の高額な地域に関してはおすすめはできません。もしご利用になれる場合は、クレジットカード会社に利用条件など詳細を伺っていただき、万全の体制で渡航することをおすすめします。
まとめ
カナダは海外旅行先の中でも、旅行しやすい国だと思います。人も優しく、自然も美しく、移民の国なので、食べ物も本格的で美味しいです。医療事情が少し特殊ですが、海外旅行保険にさえ入っておけば大丈夫。あとはゆっくりした気持ちで、カナダを楽しんで欲しいなと思います。
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