火災保険でよく耳にする構造級別とは何のこと？
家の構造によって保険料は変わってくるの？
賃貸や持ち家、どちらの場合であっても火災保険に加入する方は多いです。
そんな火災保険ですが、木材とコンクリートなどの材質によって保険料はどう違うのか疑問に持つ方もいるでしょう。
今回は、火災保険の構造級別の基礎知識について解説します。
この記事を読んだあなたは、火災保険の構造級別の判定方法や注意点について理解できるでしょう。
火災保険の構造級別とは？
火災保険における構造級別とは、建物の構造や材質によって火災や災害に対する耐性が異なるため、それらを区分してリスクを評価する仕組みのことを指します。
構造級別の重要性
構造級別は、保険料だけでなく建物の耐久性や安全性にも直結します。
そのため、火災保険に加入する場合や建物購入の際に知っておくべき重要なポイントです。
構造級別が火災リスクに応じて設定されているため、リスクの低い構造に分類される建物ほど保険料を抑えられます。
また、構造級別を意識することで、建物の防火性能を確認し火災や災害に強い住まいを選ぶことにつながるでしょう。
建物の構造がどの級別に該当するかを事前に確認し、自分のニーズに合った保険を選ぶことが重要になってきます。
構造級別の分類
構造級別は、「住宅物件」と「一般物件」の2種類が存在します。
また、2種類からさらに3分類に分かれます。
| 物件種別 | 構造級別 | 例 |
|---|---|---|
| 住宅物件 | M構造(マンション構造) | 柱がコンクリート造・コンクリートのブロック造・れんが造・石造の共同住宅、耐火建築物の共同住宅 |
| T構造(耐火構造) | 柱がコンクリート造・コンクリートのブロック造・れんが造・石造・鉄骨造の建物（共同住宅以外）、耐火建築物（共同住宅以外）、準耐火建築物、省令準耐火建物 | |
| H構造(非耐火構造) | M構造・T構造に該当しない建物 | |
| 一般物件 | 1級 | コンクリート造建物、コンクリートのブロック造建物、れんが造建物、石造建物、耐火被覆鉄骨造、耐火建築物 |
| 2級 | 鉄骨造建物、準耐火建築物、省令準耐火建物 | |
| 3級 | 1級・2級に該当しない建物 |
住宅物件のM構造とは
M構造は、「マンション構造」を指し、最も火災リスクが低いため、保険料を安く抑えられます。
マンションやアパートなどの共同住宅で、コンクリートやレンガでできた建物のことです。
住宅物件のT構造とは
T構造は、「耐火構造」を指し、耐火性能に優れた建物のことです。
M構造との違いは、M構造は共同住宅を指しますが、T構造は一戸建てなどの住居専用の独立住宅のことを指します。
住宅物件のH構造とは
H構造は、「非耐火構造」を指し、M構造とT構造のどちらにも属さなかった建物です。
M構造やT構造よりも、火災リスクが高いため、保険料が高くなります。
構造級別の判定方法
実際に自分の家は、どの構造級別に該当するか気になる方も少なくないでしょう。
構造級別を判定するフローチャートを参考にしてみて下さい。
参考：東京海上日動_トータルアシスト住まいの保険(火災保険)_構造級別判定フローチャート
耐火性能の確認方法
耐火性能は主に3つに分けられます。
・耐火建築物
・準耐火建築物
・省令準耐火建物
上記の構造級別を判定するフローチャートで、ご自身の住まいがどの構造級別に該当するか判断できたでしょう。
しかし、耐火性能の判別はなかなか難しいです。
保険会社の担当でも、建物を見ただけでは判断できないため、確認書類提出を求められます。
| 確認できる書類 | |
|---|---|
| 耐火建築物 | ・建物の耐火性能等証明書 ・設計仕様書 ・設計図面 ・パンフレット ・建築確認申請書の第4面 |
| 準耐火建築物 | |
| 省令準耐火建物 | ・設計仕様書 ・設計図面 ・パンフレット ・施工者、ハウスメーカーが発行した証明書 |
建物の耐火性能を確認することは、安全性を確保する上で非常に重要です。
特に火災時における被害を最小限に抑えるため、建物の構造や材料がどの程度の耐火性能を持つかを把握しましょう。
火災保険の構造級別で注意するポイント
火災保険の構造級別で注意するポイントを3つ、紹介します。
・建物の構造を正確に把握する
・経年劣化や改修工事の影響
・保険料の差額に注意
建物の構造を正確に把握する
火災保険の構造級別は建物の耐火性能によって決まります。
建築確認申請書や設計図書を確認して、正確な構造級別を申告しましょう。
不正確な申告を行うと、万が一の際に保険金が支払われない可能性があるため、注意が必要です。
経年劣化や改修工事の影響
経年劣化やリフォームにより建物の耐火性能が変化する場合があります。
改修工事後は保険会社に報告し、適切な構造級別を再確認しましょう。
保険料の差額に注意
M構造とH構造、T構造では保険料に大きな差があります。
同じ補償内容でも構造級別が異なると費用が大きく変わるため、特に木造住宅を選ぶ場合は、保険料を比較検討することをおすすめします。
まとめ
火災保険は、建物の構造によって保険料が違います。
建物の構造によって保険料が変わるため、ご自身の住まいの構造級別を把握しましょう。
また、火災保険は保険会社によって保険料や補償内容が異なるため、複数の保険会社を比較して検討することをおすすめします。
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