火災保険で故障したエアコンの修理ができるって本当？
エアコンの買い替え時、火災保険が使えるの？
エアコンが故障した場合、早く修理や買い替えをしたいけれど、費用が気になる方も少なくないでしょう。
火災保険でエアコンの修理ができたらお得ですが、どんな場合でも火災保険が使えるわけではありません。
今回は、エアコンが故障した場合、どんな時に火災保険が適用されるのかなどを解説します。
この記事を読んだあなたは、エアコンの故障で火災保険がどう使えるのかを理解できるでしょう。
火災保険で故障したエアコンは補償される？
火災保険では、エアコンが故障した場合、修理費などが補償される場合があります。
ただし、その条件や範囲は保険の契約内容やエアコンの故障原因によるため、どんな場合でも補償されるわけではありません。
火災保険の補償対象
火災保険は、火災・落雷・爆発・風災・水災などの特定の事故による損害を補償するものです。
そのため、エアコンの故障がこれらの事故によって発生した場合は、補償対象となる可能性があります。
例えば以下のようなケースが考えられます。
| 補償範囲 | 事故例 |
|---|---|
| 火災 | 火災やもらい火で住宅が燃えた場合など |
| 落雷 | 落雷によって家電製品がショートした場合など |
| 破裂・爆発 | ガス漏れによって建物が爆発した場合など |
| 風災・雹災・雪災 | 台風などで割れた窓ガラスの破片で家財が破損した 豪雪、雪崩などで建物が被害を受けた場合など |
| 水災 | 台風や豪雨などの大雨によって浸水した場合など |
| 建物外部からの物体の落下・飛来・衝突 | 自動車の飛び込み、野球ボールがガラスを割った場合など |
| 漏水などによる水濡れ | 給排水設備の事故や他人の戸室で生じた事故に伴う漏水による水ぬれで損害を被った場合など |
| 騒擾・集団行動等に伴う暴力行為 | 泥棒に鍵や窓を壊されて家電などを盗まれた場合など |
| 不測かつ突発的な事故 | 誤って自宅の壁を壊した場合などの偶然な事故による損害を被った場合など |
火災保険の対象物
火災保険の補償対象は、主に「建物」と「家財」の2種類あります。
火災保険の基本契約では、建物の損害をカバーします。
建物：建物に付帯していて動かせないもの（建物本体やそれに付属する門、塀、物置、車庫など）
家財：建物の中にあり動かせるもの（家具、テレビ、冷蔵庫、洋服、カーテン、什器など）
加入する保険プランにより、建物と家財の両方を補償する場合と、どちらか一方のみを補償する場合があります。
エアコンは「建物」として扱われる
火災保険では、据え付け型のエアコンは「建物」に含まれます。
エアコンが壁や天井に据え付けられている場合、多くの保険会社ではこれを「建物」の一部として扱います。
この場合、建物を対象とした火災保険に加入していれば補償される可能性があります。
ただし、置き型のエアコンの場合は、「家財」として扱われるため、家財の補償がある火災保険に加入していなければ補償されないので注意が必要です。
エアコンの室外機も補償される
室外機はエアコンの重要な構成部分であり、火災保険の補償範囲に含まれることが多いです。
特に、風災や水災による損傷が対象となることが一般的です。
例えば、強風で飛来物が当たって壊れたり、大雨による浸水で故障した場合は補償される可能性があります。
火災保険でエアコンの故障が補償される事例
火災保険では、特定の災害や事故によるエアコンの故障や損傷が補償される場合があります。
具体的な事例を紹介します。
事例1：火事でエアコンが燃えた
火災による損害は、火災保険の代表的な補償対象です。
家が火事になりエアコンが焼失したり、損傷した場合は補償を受けられます。
・火事によりエアコンが焼失した
・近隣で発生した火災の延焼でエアコンが燃えた
事例2：落雷によりエアコンが故障した
落雷が原因でエアコンの内部回路が故障した場合も、火災保険の補償対象となります。
特に、落雷による電気的な損傷が原因で動かなくなった場合、補償を受けることが可能です。
・落雷によって停電が発生し、その影響でエアコンの基盤が壊れてしまった
・落雷による過電流でエアコンが故障した
事例3：台風で室外機に物がぶつかり故障した
台風や暴風による災害も火災保険の補償対象に含まれます。
・強風で飛ばされた屋根瓦が室外機に当たり、配管や本体が損傷した
事例4：室外機が盗難に遭った
火災保険の中には、盗難被害も補償対象に含まれるプランがあります。
エアコンの室外機が何者かによって盗まれた場合、その損害が補償されることがあります。
・夜間に敷地内の室外機が持ち去られ、再設置費用が必要になった
火災保険でエアコンの修理ができない場合
火災保険でエアコンの修理費が補償されないケースについて解説します。
・故意に壊した場合
・経年劣化によって壊れた場合
・修理費が免責金額を下回った場合
故意に壊した場合
火災保険では、故意による損害は補償対象外です。
・エアコンを意図的に破壊した場合
・過失がない火災を故意に起こした場合
保険金請求が認められないどころか、不正請求と判断される可能性があります。
このような場合、保険契約の継続も困難になることがあるため、やめましょう。
経年劣化によって壊れた場合
火災保険では、経年劣化や通常の使用による損耗で壊れた場合は補償対象外になります。
・長年の使用による故障
・時間経過による内部部品の故障
10年近く使用したエアコンが故障した場合は、故障原因は経年劣化とみなされる可能性が高いでしょう。
修理費が免責金額を下回った場合
保険契約には多くの場合、一定額の「免責金額（自己負担額）」が設定されています。
免責金額を設定している場合の、受け取れる保険金額は下記の通りです。
保険金＝損害額（修理費）－免責金額（自己負担額）
そのため、損害額（修理費）が4万円で免責金額が5万円の場合は、そもそも自己負担額以内の修理になるため、支払う保険金はありません。
契約時に免責金額を決める場合に、どの程度を自己負担できるか考えましょう。
エアコンが破損！火災保険の申請方法
まず、エアコンが破損した原因を明確にしましょう。
申請時に必要な証拠を集めましょう。
保険会社が確認するための重要な資料となります。
写真：破損箇所や損傷状況を撮影。エアコン全体と被害の詳細を分かりやすく撮影する。
破損の原因が分かる資料：火災や落雷が原因であれば、その状況を示す証拠（消防署の報告書や気象情報など）
購入証明書・保証書：エアコンの購入日や金額が分かる資料。
火災保険の契約先である保険会社に速やかに連絡しましょう。
証券番号が分かるとスムーズに対応してもらえます。
保険会社から案内された必要書類を準備し、申請します。
・保険金請求書
・損害証明書
・見積書、修理費用の請求書
・証拠写真
保険会社の査定結果に基づき、給付金が指定の口座に振り込まれます。
火災保険の注意点
火災保険を活用する際には、契約内容や申請手続きに関する重要なポイントを押さえておく必要があります。
・火災保険の申請は被害発生から3年以内に
・悪徳エアコン修理業者に注意
・免責金額を確認する
火災保険の申請は被害発生から3年以内に
火災保険の補償を受けるためには、被害が発生してから3年以内に申請を行う必要があります。
期限を過ぎてしまうと保険金を請求する権利がなくなります。
被害が発生したら、できるだけ早く保険会社に連絡しましょう。
悪徳エアコン修理業者に注意
災害後の修理をめぐって、悪徳業者がトラブルを引き起こすケースがあります。
実際には保険でカバーされない高額な修理費用を請求されたり、修理費用を支払ったにもかかわらず修理をせずに逃げられたりするケースも発生しています。
特に「火災保険で修理費用が無料」といった甘い言葉で勧誘する修理業者には注意が必要です。
修理業者を選ぶ際は、信頼できる業者を慎重に選びましょう。
免責金額を確認する
火災保険には多くの場合、免責金額が設定されています。
免責金額が高いと、小規模な修理では保険金を受け取れない場合があります。
契約内容を定期的に見直し、免責金額が自分に合った設定になっているか確認しましょう。
まとめ
エアコンが故障した場合、火災保険が下りる可能性はあります。
しかし、保険の加入プランや破損状況など条件を満たした場合のみ保険金が支払われるため、エアコンが故障しただけでは保険金が支払われないため、注意が必要です。
ご自身でしっかりと火災保険の内容を見直すことをおすすめします。
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