火災保険で建物の面積が必要だと言われたけど、面積の調べ方が分からない……
火災保険の面積って何に関係するの?
火災保険に加入する際に建物の面積が必要だと言われたけど、よく分からないと思う方も少なくないでしょう。
今回は、建物の面積の調べ方や注意点などを解説します。
この記事を読んだあなたは、火災保険の見積もりで必要な建物の面積についての重要性を理解できるでしょう。
火災保険で面積が重要になる理由
火災保険に加入する際、「建物の面積」は非常に重要な要素の一つです。
単に建物の大きさを示すだけでなく、保険料や補償額など、契約内容に直接影響を及ぼします。
なぜ面積が重要視されるのかを解説します。
保険料が決まる
火災保険の保険料は、下記によって決まります。
・建物の構造
・建物の所在地
・用途
・建物の面積
一般的に、建物の面積が広くなるほど保険料も高くなる傾向があります。
例えば、木造住宅と鉄筋コンクリート造の建物では、同じ面積でも構造により保険料に差が出ます。
どちらの場合でも面積が広いほど保険会社はより多くのリスクを負うことになるため、その分保険料が高く設定されるのです。
保険金(補償額)が決まる
火災などの被害を受けた際、保険会社から支払われる保険金の上限(補償額)も、面積に基づいて設定されます。
これは、建物を再建するために必要な費用が、面積に大きく依存するからです。
万が一、実際の面積より小さく申告して保険に加入してしまうと、実際の被害額に対して補償が足りなくなる「一部保険」となり、想定よりも少ない保険金しか受け取れないケースもあります。
逆に、実際よりも大きな面積で契約すると、不要に高い保険料を支払うことにもなりかねません。
そのため、正確な面積の把握と申告は、適正な保険料・補償を得るためにとても重要です。
延べ床面積と専有面積の違い
火災保険に加入する際など、「延べ床面積」と「専有面積」という用語を目にすることが多くあります。
それぞれの意味と違いを詳しく解説します。
延べ床面積とは
延べ床面積とは、建物の「床面積の合計」のことです。
住宅全体の広さを示す指標であり、1階・2階・3階と階数が増えるたびに面積も加算されます。
例えば、1階が50㎡、2階が50㎡の二階建ての住宅であれば、延べ床面積は 100㎡ となります。
ベランダやバルコニー、車庫などは延べ床面積に含まれない場合があります。
専有面積とは
専有面積とは、主にマンションなどの集合住宅において、自分だけが使用できる部分の面積のことです。
玄関から室内の壁の内側までの空間が対象であり、バルコニーや共用廊下、エレベーターなどの共有部分は含まれません。
不動産の売買契約や賃貸契約では、この専有面積が表示されていることが一般的でしょう。
火災保険でも、個別に加入する「家財保険」や「借家人賠償責任保険」などでは、この専有面積を基準にするケースがあります。
延べ床面積は建物全体の構造を示す数値で、専有面積は個人が実際に使える空間の広さを示す数値です。
面積が分からない場合どうすれば良い?
土地や建物の面積が不明な場合、下記の公的書類や資料を確認すると情報を得られます。
登記簿謄本
登記簿謄本とは、法務局で管理されている不動産の公式記録です。
登記事項証明書とも呼ばれており、土地や建物の所在地・面積・構造・所有者情報などが記載されています。
法務局の窓口かオンラインサービスから取得可能です。
登記済権利証
登記済権利証は、不動産の所有権を証明する書類で「権利書」とも呼ばれます。
この中にも不動産の面積や所在地が記載されています。
しかし、2005年の不動産登記法改正により登記識別情報に切り替わったため、現在は登記済権利証は交付されません。
そのため、新築の建物の場合に登記済権利証で面積を確認することはできないため、注意が必要です。
建築確認書
建物を建てる際に必要な書類で、建築基準法に基づいて確認された内容が記載されています。
建物の建築面積や延べ床面積など、詳細な数値が明記されています。
自治体などから取得が可能です。
詳しい面積の調査が必要な場合は、不動産会社や司法書士へ相談することをおすすめします。
火災保険の面積が間違っていた場合は?

火災保険を契約する際に登録する建物の面積が実際と異なっていた場合、いざというときに大きな不利益を被る可能性があります。
・保険金が満額支払われない
・保険料が無駄になる
保険金が満額支払われない
建物の面積を実際よりも小さく申告していた場合、本来受け取れるはずの保険金が減額される可能性があります。
本来100㎡の建物を80㎡と申告していた場合、80%分しか補償されないことがあります
保険契約上の面積に比例して保険金の支払額が決まる仕組みのためです。
保険料が無駄になる
逆に、建物の面積を実際よりも大きく申告していた場合、本来よりも高い保険料を支払うことになります。
高い保険料を支払っていても、実際の面積を超えて補償されるわけではないため、保険料が無駄になるでしょう。
保険料を多く支払っていても保険金が増えるわけではないので、注意が必要です。
損をしないためにも、火災保険契約時に正確な面積を申告することが重要になります。
2階建ての火災保険
2階建ての住宅の面積は、「1階+2階の床面積の合計」が火災保険で使われる面積です。
1階:60㎡・2階:50㎡の場合
110㎡が火災保険の対象面積になる
バルコニー・ロフト・吹き抜け部分などは、構造や仕様により延べ床面積に含まれない場合があります。
また、車庫や物置も構造により延べ床面積に含まれるかが決まります。
構造や仕様、保険会社によって少し異なるため、契約時に確認が必要です。
マンションの面積は?
マンションの場合は、どのように面積が決められるのかを解説します。
マンションにおける面積を算出する基準として、下記の2種類が存在します。
・壁芯面積
・内法面積
壁芯面積
壁芯面積とは、隣との間の壁の中心から測った面積です。
実際に使用できるスペースよりも広い面積になります。
しかし、登記簿とは面積が異なるため、正確な権利面積とは言えません。
内法面積
内法面積は、壁の内側の実際に使える床面積のみをカウントします。
実際に使用できるスペースの広さになります。
こちらは、法務局に登録される「登記簿」に記載される面積です。
マンションの面積はどちらを使う?
火災保険の契約においては、登記簿に記載されている「内法面積」を基準にするのが一般的です。
なぜなら、内法面積は法的に登記されている正確な所有権の範囲を示しており、保険の対象となる「実際の所有部分」と一致するためです。
マンション管理規約に「天井、床および壁は、躯体部分を除いた部分が専有部分」と載っている場合は、内法面積を使用します。
火災保険に加入する場合は、面積についてしっかりと保険会社などに確認することをおすすめします。
まとめ
火災保険では、建物の面積が正確に申告されていない場合、保険料の支払いや保険金を受け取る際に損をする可能性があります。
火災保険の契約をする場合は、建物の面積が明記された書類を確認して、正確な面積を保険会社に伝えることが重要です。
また、火災保険は保険会社によって保険料や補償内容が異なるため、複数の保険会社を比較して検討することをおすすめします。
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