食べ物やレジャーなど、旅行での一番の楽しみは人によってさまざまかと思いますが、中には外国の街並みを楽しみたいという人も多いと思います。
ヨーロッパ諸国は今でも中世の建物や町が遺産として保護され、アジアにはない雰囲気を存分に味わうことができます。
中でもチェコは、プラハなどの古城を中心とした都市とプンクヴァ洞窟など自然が共生している国として人気を集めております。
そんな魅力的なチェコに渡航する場合、どんな海外旅行保険に加入しておいた方がいいでしょうか。
そもそも加入の必要性はあるのでしょうか?ここではチェコへ渡航する際の海外旅行保険の必要性や、保険の選び方を見てみましょう。
・チェコは、シェンゲン協定国のため渡航する際海外旅行保険の加入が必須となっています。
・クレジットカードの付帯保険を利用する場合は、日本にいる間に加入証明書や付保証明書を取り寄せしておきましょう。
・具体的な海外旅行保険保険のカスタマイズについては、専門のアドバイザーへ相談しましょう。
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チェコへ渡航する目的や期間によって選ぶべき保険は異なる
チェコへ渡航する際に、必要となる海外旅行保険は、渡航の目的や渡航期間によって選ぶべき基準が異なります。
渡航期間が長くなればなるほど怪我や病気のリスク、携行品の盗難や破損リスクは上昇します。
短期渡航よりも長期の渡航の方が補償内容を充実する必要があるのですが、海外旅行保険の役割は想定できなかった高額な支払いリスクをカバーすることです。
これらのリスクをカバーして渡航することがコロナ禍では重要です。
留学やワーキングホリデーで渡航される方向けには別で記事を作成していますので、こちらをご確認いただければと思います。
海外旅行保険は加入必須!チェコ渡航の注意
結論から言うとチェコへ旅行へ行く際は、海外旅行保険は加入が必須になっております。
チェコはシェンゲン協定国であり全てのシェンゲン協定国へ入国する際は海外旅行保険の加入が義務付けられているためです。
チェコの税関では、下記の条件が設けられています。
①入国時、旅券の未使用欄が2ページ以上必要。
②治療、傷害、疾病死亡、傷害死亡の補償額がそれぞれ3万ユーロ以上の保険に加入していること。 (無査証滞在の場合)
②に関してはクレジットカード付帯の保険でクリアできない可能性が高いです。
クレジットカード付帯の保険には疾病死亡が付いていないケースが多いからです。
クレジットカード付帯の保険を十分に確認しましょう。
条件をクリアできる場合は、入国時に加入証明書・付保証明書の提示を求められるため、渡航前にカード会社に頼んで保険会社に加入証明書・付保証明書の発行を依頼する必要があります。
また、ネット契約で保険証券の郵送がないプランに加入した場合も、あらかじめ加入証明書・付保証明書を印刷したものを携帯しましょう。
保険証券は日本語のもので問題ないですが、保険会社に依頼して英文のものを発行することも可能です。
チェコへ渡航する上での海外旅行保険の選び方のポイント
海外旅行保険に加入するかどうかを悩まれる要因としては、何と言っても保険料の高さでしょう。
海外旅行全体の費用を押し上げてしまう要因となってしまいます。
結論としては、海外旅行保険でカバーするべき最大のポイントは海外で発生しうる高額治療費請求でありですので、これらのリスクを自分で取るか取らないかというのが最大の論点となります。
参考:AIG損保HP
AIG損保に掲載のある海外で実際に多いトラブル上位では、1.健康にまつわるもの、2.手荷物にまつわるもの、3.航空機にまつわるものの3点がトラブル発生率が高いものとして挙げられています。
海外旅行保険のプランを選んでいく上でも、まずは上記の3トラブルを抑えつつ、その他の補償をどの程度つけるのか、削るのかを検討しておくのが良いでしょう。
チェコへ渡航する上での海外旅行保険の選び方のポイントは以下の通りです。
1.チェコの治安や医療事情を理解した上で補償内容を検討する
2.クレジットカード付帯の海外旅行保険のメリット・デメリットを認識する
3.各保険会社が提供する複数の保険から最適なプランを選択する
3つのポイントを順に説明させていただきます。
チェコの治安
海外旅行に行く際、渡航先の国がどの程度の治安の良さなのか気になりますよね。
チェコは比較的安全
チェコの治安をイメージすると、「ヨーロッパだからそこまで悪くはなさそうだ」と考える方も多いと思います。
外務省の海外安全データを見ると、チェコには危険勧告情報が出されておらず、どのエリアでも比較的安全だと推測できるでしょう。
軽犯罪に注意
しかし、観光地や人ごみでは、スリや置き引きといった軽犯罪が起きているので、旅行の際には警戒する必要があります。
そのため、所持品から目を離さない、夜道は出歩かないようにすることを意識しましょう。
スリや置き引きなどの被害に遭った時に備えて、携帯品損害補償が付いている保険に加入しておくと、安心して旅行を楽しめます。
チェコの医療
海外旅行に行く際、旅行先で万が一病気になったり、怪我をしたりしたらどうすればいいか不安ですよね。
チェコの医療水準
チェコの医療機関がどの程度整っているのかや、どのくらいの医療水準なのかも気になることでしょう。
結論、チェコの医療水準は、世界94カ国中14位であり、世界的に見ても医療水準の高い国と言えます。
一般的な診察であれば、日本と同等の医療を受けることができると言えるでしょう。
ですが、チェコの病院では英語が通じず、チェコ語が話せないとコミュニケーションが取れないというケースが多いです。
病院の案内表示に英語が書かれていても、英語を話せるスタッフが一人もいないということもありますので、気をつけてください。
そのため、チェコ語が話せる方に同行してもらうか、通訳サービスを利用することをおすすめします。
もちろん、外国人向けである私立病院も存在しますが、治療費が高くなるので、注意が必要です。
チェコの医療費
では、実際にチェコで通院することになった場合、いくらの治療費がかかるのか見ていきましょう。
治療の例 | 保険金請求額 |
頭痛・嘔吐の症状で受診し、肺炎と診断され、13日間の入院をした場合。 | 481万 |
発熱・嘔吐の症状で受診し、急性細菌性咽喉頭炎と診断され、14日間入院した場合。 | 478万 |
転倒し、膝蓋骨を骨折し、5日間入院した場合。(搬送に看護師が付き添い) | 346万 |
上記の例は、チェコで実際に起きた保険金請求の事例です。
数日から2週間程度の入院が伴う場合には、400万円を超える高額な費用がかかります。
チェコの病院でも日本と同等の治療を受けることができますが、日本では健康保険に加入していると医療費の自己負担が3割になるため、チェコでの治療費10割負担と比べると大きな差が生じます。
また、高度な治療が必要になった場合には、日本や他国への緊急搬送が必要になるので、さらに高額な支払いになります。
そのため、万が一の高額な治療費請求に備えて、保険の補償を設定しておくことが重要です。
チェコへ海外旅行に行く時の注意点
これまでの解説で、海外旅行で心配になる現地の治安や医療事情について理解していただけたと思います。
チェコの治安は、比較的良いもののスリや置き引きなど、観光客を狙った軽犯罪は起こっています。
また、チェコの医療機関でも日本と変わらない治療が受けられますが、日本の健康保険は使えないため、高額な治療費がかかってしまうケースもあります。
そこで、ここからはチェコに海外旅行に行く際には、具体的にどのような補償が付いた海外旅行保険を選ぶべきなのかということを解説していきます。
チェコは海外旅行保険の加入が義務付けられている
まず、チェコに旅行に行く際には、海外旅行保険への加入が必須です。
なぜなら、チェコはシェンゲン協定国であり、シェンゲン協定ではシェンゲン協定国入国時に海外旅行保険への加入が義務付けられているからです。
具体的に「治療、傷害、疾病死亡、傷害死亡の補償額がそれぞれ3万ユーロ以上の保険に加入していること(無査証滞在の場合)」という条件が課されています。
無査証滞在の場合と書かれていますが、短期間の旅行であればビザを取る必要がないので、旅行者のほとんどがこの条件に該当することになります。
クレジットカード付帯の保険では補償が不十分
実際、上記の条件はクレジットカード付帯の保険ではクリアできない可能性が高いです。
なぜなら、クレジットカード付帯の海外旅行保険は、治療費の補償額が100~300万程度であることが多く、チェコへ入国する際の条件を満たせないものが多いからです。
また、3万ユーロという金額に足りていないものや、疾病死亡の補償がないものも多いので、注意しましょう。
さらに、チェコへ入国するには、保険加入証明書・付保証明書で、保険に加入していることを証明する必要があるので、条件を満たしている保険がどうか確認されます。
なので、クレジットカード付帯の海外旅行保険を利用する方は、必ず補償内容を確認しましょう。
クレジットカード付帯の海外旅行保険(エポスカードの場合)
今回は、クレジットカード付帯の海外旅行保険の中でも、人気の高いエポスカードを例に海外旅行保険について解説します。
エスポカードについて
エポスカードは、入会金・年会費ともに永年無料のクレジットカードです。
エポスカードには、海外旅行傷害保険が付帯されており、Visa付きエポスカードの会員本人のみが保険の対象者となっています。エポスカード保持者のご家族には、保険が適応されない点をご注意ください。
また、海外旅行傷害保険の補償期間は1回の旅行につき、最長90日間ですので、90日以上の渡航の際には、保険会社が提供する海外旅行保険を検討しましょう。
それでは、エポスカードの海外旅行傷害保険では、どの程度の補償がされるのか見ていきましょう。
保険の種類 | 保険金額 |
携帯品損害(免責3000万) | 20万(1旅行・保険期間中の限度額) |
救援者費用 | 100万(1旅行・保険期間中の限度額) |
賠償責任(免責なし) | 2000万(1事故の限度額) |
疾病治療費用 | 270万(1疾病の限度額) |
傷害治療費用 | 200万(1疾病の限度額) |
傷害死亡・後遺障害 | 最高500万 |
上記が、エポスカードの海外旅行傷害保険の補償内容です。
海外旅行保険の補償内容を確認する際に、特に重要となるポイントは治療救援費用の補償金額です。
エポスカードの保険の種類の中では、疾病治療費用と傷害治療費用が該当します。
これらは、通院・入院の際にかかる治療費用の補償で、エポスカードの保険金額200~270万円を超過した場合には、不足額を自己負担しなければなりません。
具体的には、私立病院に入院した場合や、日本に緊急搬送された場合が考えられます。
短期間の海外旅行であれば、そもそも病気や事故の危険性も低いですが、万が一の事故に遭ってしまった場合には多額の費用がかかり、自己負担が必要になるケースも考えられることを念頭に置いておきましょう。
クレジットカード付帯の海外旅行保険でなんとかなると思っていても、実際、海外旅行中に大きな事故の被害を受けた方もいますので、どこまでのリスクを海外旅行保険でカバーするか、ぜひもう一度検討してみてください。
海外旅行保険の付帯条件
クレジットカードによっては、海外旅行保険の付帯は旅行関連の費用決済にクレジットカードを使ったことで保険が利用できるといった利用付帯のクレジットカードがあります。
また、自動付帯といってクレジットカードを持っているだけで海外旅行保険が自動的に使えるクレジットカードもあります。
これは各クレジットカードごとに様々ですので、渡航前に事前の確認が必要となります。
エポスカードについては、自動付帯のクレジットカードになりますので、クレジットカードを持っているだけで海外旅行保険を利用することが可能です。
加入証・付保証明書の入手
加入証明書・付保証明書については上記でもご説明した通り、チェコへ入国する際に海外旅行保険の加入を証明する必要が出てきますので、渡航前に証明書をカード会社から取り寄せしておきましょう。
エポスカードの場合は、カード会社に連絡すれば付保証明書の発行も可能です。
補償内容と補償金額
最後にクレジットカード付帯保険の補償内容と補償金額についてです。
クレジットカード付帯保険にはチェコ入国条件にある疾病死亡が付いていないケースが多いです。
また、怪我や病気の治療に関する補償金額は100万円~300万円で設定されていることも多く、チェコ入国条件を満たさないケースが多いです。
ご自身のクレジットカード付帯保険の内容をしっかり確認したほうがよりでしょう。
また、万が一の事故が発生した場合は非常に高額な事故費用が発生する可能性があります。
万が一の場合のリスクまでカバーするのか、クレジットカードの付帯保険で補償される数百万円の補償で問題ないのかは結局自分でどこまでリスクをとるかという話になりますので、所有しているクレジットカードの海外旅行保険の補償内容や、補償金額、いざ保険を使う場合の使い方については事前に確認しておくと良いでしょう。
海外旅行保険の補償内容
海外旅行保険は病院にかかる際の費用を含め、旅先で起こる様々なトラブルに備えることができる保険です。
おおまかな補償内容は下記のとおりです。
補償内容一覧
①傷害死亡(けが、不慮の事故で亡くなった場合)
②傷害後遺障害(けが、不慮の事故で後遺障害が残った場合に等級により支払う保険金枠)
③治療・救援費用(現地での傷害、疾病の治療費、治療に伴う帰国や救援費用)
④疾病死亡(病気で亡くなった場合)
⑤賠償責任保険(海外での日常生活で他人にけがをさせたり他人のものを壊したりして損害を与え損害賠償責任を負ったときの補償)
⑥携行品、生活動産(持参物等の盗難、破損、火災等での損害補償、生活用動産はそれに加え居住中の家財も補償対象)
⑦飛行機手荷物遅延(手荷物が届かなかった時に購入した物等の費用の補償)
⑧飛行機遅延(飛行機が遅延した際にかかった宿泊費等の補償)
入国に必要な保険の条件を見ると、①傷害死亡、③治療・救援費用、④疾病死亡の補償額がそれぞれ3万ユーロ(=約400万円)以上あれば条件をクリアしていることになります。
ただし、条件をクリアしている保険だからといっても、実際に事故が起きた際に補償額が少ないと加入した意味がありません。
ヨーロッパの医療費は日本と比べると高額で、治療・救援費の目安は2000万円以上が推奨されています。
また、チェコで病院にかかる際は治療費以外にも下記のように様々な費用がかかり高額になることがあります。
通訳雇入費
チェコは院内の案内板に英語の併記がなく、医師以外には英語が通じない場合もあります。
その場合は通訳に同行してもらう必要があります。
この通訳雇入費、海外旅行保険適用の範囲内ですが、自腹で支払う際は高額となってきます。
移送費用
チェコでの治療だけでは不十分で他国での治療が必要となった場合は西ヨーロッパや日本へ移送することも考えられます。
こちらの移送費用も海外旅行保険が適用されますが、補償額が不十分な場合高額な自己負担額が発生します。
日本とは全く違う環境であるチェコ、街も石畳が多く店頭によるケガも発生しやすいとされています。
慣れない環境で体調を崩してしまったり、思わぬ事故でケガを負って病院に行かなくてはならないことは十分に考えられます。
しっかりと治療救援費の補償額が厚いプランに加入しておきましょう。
また、比較的治安のいいプラハでも日本と比べるとスリの事故も多発しているため、盗難に備えて⑥携行品損害の補償を付けておくとよいでしょう。
おすすめの海外旅行保険プラン
チェコへ渡航する際の海外旅行保険のプラン例は以下となります。
よく見ていただくと、同一期間でも保険料が大きく異なる点がお分かりいただけるかと思います。
補償内容、保険会社の選び方によって保険料は大きく変動してきます。
それぞれの保険会社ごとの特徴もありますので、一概に保険料だけで判断できるということでもありません。
どの保険会社を選択するか、補償内容をどうカスタマイズするかなどは、海外旅行保険を多数扱っているプロに相談するのが近道でしょう。
補償面 | Aプラン | Bプラン | Cプラン | Dプラン |
傷害死亡 | 1,000万円 | 1,000万円 | 3,000万円 | |
傷害後遺障害 | 1,000万円 | 30~1,000万円 | 3,000万円 | |
治療・救援費用 | 1,000万円 | 2,000万円 | 無制限 | 3,000万円 |
緊急歯科治療費用 | 10万円 | 10万円 | あり | |
疾病死亡 | 1,000万円 | 2,000万円 | 500万 | 3,000万円 |
賠償責任 | 1億円 | 1億円 | 1億円 | |
携行品損害 | 30万円 | 30万円 | 50万円 | |
生活用動産 | ||||
航空機寄託手荷物遅延等費用 | 1万円 | 10万円 | ||
航空機遅延 | ||||
旅行事故緊急費用 | 5万円 | |||
テロ等対応費用 | 1万円 | 1万円 | ||
弁護士費用 | 100万円 | 100万円 | 100万円 | |
保険料(渡航期間4日) | 1,660円 | 1,350円 | 4,400円 | 2,780円 |
保険料(渡航期間7日) | 2,600円 | 1,810円 | 7,440円 | 4,250円 |
保険料(渡航期間14日) | 5,080円 | 4,480円 | 13,650円 | 9,030円 |
保険料(渡航期間21日) | 7,380円 | 7,270円 | 18,150円 | 13,270円 |
保険料(渡航期間29日) | 9,950円 | 10,610円 | 23,790円 | 17,990円 |
保険料(渡航期間2ヶ月) | ー | 46,420円 | 47,840円 | 67,480円 |
保険料(渡航期間3ヶ月) | ー | 143,530円 | 57,920円 | 193,290円 |
保険料(渡航期間6ヶ月) | ー | ー | 126,810円 | ー |
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まとめ
今回は、チェコへ渡航する際に必要な海外旅行保険について解説しました。
チェコの治安や医療事情、シェンゲン協定国に課されている条件をクリアできる海外旅行保険の選び方について、理解していただけたと思います。
海外旅行保険を選ぶ際は、旅行期間と目的に合った適切な保険に加入しましょう。
そして、万が一現地で病院に行くことになったり、事故に遭ったりした時に、慌てず行動を取ることができるように、加入した保険の補償内容や緊急連絡先、現地で使えるサービスが書かれた冊子を携帯しておくと良いです。
チェコへの渡航を検討している方は、ぜひこちらの記事を参考に、ご自身の旅行に合った海外旅行保険を選んでください。
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