海外ボランティア保険の選び方を、事故事例と併せて解説

海外ボランティアで海外渡航される方は、日本語教師、農業ボランティア、地域開発のプロジェクトなど様々なボランティアに参加予定の方がいらっしゃるかと思います。

一言で海外ボランティアと言えども、従事するボランティアの内容や渡航する地域によって事故や治療の発生確率は大きく変わってきます。

当記事では、海外ボランティアで海外へ渡航する方向けに、保険の選び方について解説していきたいと思います。

・海外ボランティアへ従事する上で、渡航地域や従事するボランティアの内容に合わせて補償内容や補償金額を検討しましょう。
・海外ボランティアだと渡航する地域は物価が安く発展途上国であるケースが多いと思いますが、医療水準の低さが高額な費用発生につながるケースがあります。
・保険料を安く抑える上で、補償内容のカスタマイズをする際は一度海外旅行保険のプロへ相談してみましょう。

海外ボランティアが目的！海外旅行保険の選び方

海外ボランティアを目的として海外渡航する方は、どんなボランティアに従事するか、どの地域へ渡航するかによって発生する事故や治療のリスクの大きさは大きく異なってきます。

これらを考慮して海外旅行保険を選択することが重要です。

教室の中で日本をを教えるボランティアであれば、基本的には怪我のリスクは低いものの、病気のリスクはどのようなボランティアに従事していても一定の確率で発生します。

渡航地域が発展途上国であればあるほど、治安が悪くなる可能性が高まり、物の盗難などの発生確率が上昇します。

これらを考慮しつつ最適なプランを選択するのが良いでしょう。

海外ボランティアの主な渡航地域

海外ボランティアに従事する方の渡航地域は、基本的には発展途上国がメインとなります。

アメリカと比較するとわかりやすいですが、過去のアメリカへ渡航した方の保険金請求事例だと4,000万円オーバーの保険金請求が発生した例があります。

アメリカは、医療水準が高く、かつ市場原理に基づいて病院が治療費用を設定するため医療費が非常に高額になるケースが多いです。

一方、途上国であれば、医療水準や物価水準が低いため、一つ一つの病気の治療についてはそこまで金額が高騰することはありません。

ただ、現地で治療ができないような病気やケガに見舞われた場合、航空機をチャーターして近隣諸国で治療を受けるか、日本に帰国して治療を受けることになります。

海外ボランティア保険で考慮すべき点は「医療搬送」

海外ボランティアで発展途上国に行かれる場合は、医療搬送のリスクを考慮することがポイントになります。

留学やワーキングホリデーの場合、基本的に主要都市または医療分野が発展している国に渡航することが多いので、医療搬送のリスクをそこまで気にする必要はないです。

しかし、海外ボランティアの場合、医療水準が低い国に渡航することも多いでしょう。

医療水準の低い国で万が一大きな事故や病気になってしまった場合、航空機のチャーターを利用し治療可能な近隣諸国や日本に医療搬送した上で、治療を受けることになります。

この航空機のチャーター費用は行かれる国や地域によってもまちまちですが、1,000万円を超えるケースが頻発します。

医療搬送は治療救援費用で補償される

医療搬送費用は海外旅行保険の治療救援費用で補償されますが、治療救援費用の補償額が十分でないと航空機のチャーターを利用することができません。

航空機のチャーターを提供する会社はあくまで営利企業ですので、補償額が足らない＝お金を払う能力がないとみなされてしまい、航空機のチャーターのサービスの提供をしてくれません。

つまり、治療救援費用の補償額の程度が、皆様の命に直結しているのです。

海外ボランティアに行かれる方は、自分の命のかかわる医療搬送のリスクを十分考慮に入れた上で、海外旅行保険の補償額を検討することが重要です。

ちなみに、航空機のチャーターを利用する場合、いきなり皆様に多額に費用を請求することはまずありえません。

航空機のチャーターを提供する会社が、事前に皆様が加入されている保険会社に補償額が十分か確認を取り、問題なければ後日に保険会社が直接チャーター費用を支払ってくれることが一般的です。

その場で航空機のチャーター費用を支払う必要はありませんので、ご安心してください。

海外ボランティアに従事する上で重要な補償項目

治療救援費用

どの地域に渡航する場合でも、治療救援費用が基礎となる補償内容となります。

途上国へ渡航する場合は、感染症対策が十分になされていないケースもあり、入院や通院による費用発生リスクに対応しておく必要があります。

また、上記にも記載させていただいた航空機のチャーターが必要となるような病気や事故に巻き込まれた場合は高額な費用が発生するケースが多く、できれば2,000万円以上を付帯させておくべきでしょう。

個人賠償責任補償

現地でボランティアに従事する上で、見落としがちなのが、個人賠償責任補償です。

日本だと、自転車保険などに付帯されている保険ですが、物を壊してしまった場合や誰かに危害を加えてしまった場合に入院費用や弁償費用を補償するものです。

日本にいる際は、自動車保険や火災保険加入時にセット加入し、家族で共用できるため特に問題になることは少ないですが、現地で様々な活動に従事する上で器物損壊の可能性が一定程度存在します。

個人賠償責任補償をつけることで、大幅に保険料が上がるわけではないため、海外ボランティアに従事する際には必須の補償の一つと言えます。

物の補償（生活用動産/携行品損害）

物の補償（生活用動産/携行品損害）重要な補償項目の一つです。

特に治安が悪い地域への渡航を予定している方は、物の盗難は頻繁に発生するものと考え、PCやスマホなどを携行する場合は加入しておいた方が無難な補償と言えます。

自分でどの程度リスクを取るかという点にもなるため、スマホを盗まれても日本でまた買い換えるから必要ないよといった場合などは加入しなくても良いという考え方もあります。

海外ボランティアに参加する海外旅行保険を安くするには？

海外ボランティアに参加する上で、とは言え海外旅行保険を安く抑えたいというご要望をいただくケースがあります。

そういった場合には、上記に挙げさせていただいた、治療費用、物の補償、個人賠償責任補償の３つ以外の補償内容をカスタマイズすることで保険料を抑えていくことが可能です。

海外旅行保険では、どの保険会社でも補償できる内容として以下のような補償項目があります。

どれも、海外生活で発生しうるリスクに対応した補償内容ではありますが、それぞれの補償内容を削るもしくは補償金額を下げることで保険料を抑えていくことが可能です。

ただ、これらの補償内容をカスタマイズすることで、自分でリスクを取るといったことにつながってしまいます。

どの補償内容が必要で、どの補償金額を下げるべきか悩んでしまいますよね。

補償内容をカスタマイズする際は、海外旅行保険のプロアドバイザーへ一度ご相談するのが良いでしょう。

海外旅行保険の補償内容

補償	詳細
傷害死亡	怪我、不慮の事故で亡くなった場合に定額で補償
傷害後遺障害	怪我、不慮の事故で後遺障害が残った場合に等級により支払う保険金枠
治療・救援費用	現地での怪我、病気の治療費用、治療に伴う帰国や他国への移送費用、遺体搬送費用、被保険者が死亡・入院した場合にご家族が駆けつける費用
疾病死亡	病気で亡くなった場合に定額で補償
賠償責任保険	海外での日常で他人に怪我をさせたり、他人の物を壊したりして損害を与え損害賠償責任を負ったときの補償
携行品損害	持参物の盗難や破損に備える補償
生活用動産	携行品損害の補償に加えて家財も補償対象
飛行機手荷物遅延	飛行機に搭乗し手荷物が届かなかった時に購入した生活必需品の費用の補償
飛行機遅延	飛行機が遅延した際にかかった宿泊費など諸雑費の補償

海外旅行保険で使える便利な付帯サービス

海外旅行保険では、海外で使える便利な付帯サービスも整っています。

これらは、保険会社ごとにサービス内容が異なるため詳細は各保険会社の特徴などをご確認いただければ幸いです。

キャッシュレス治療サービス

日本では流行していないような病気が現地で蔓延していて、ボランティア従事の際に病気に感染してしまった、現地の病院で治療を受けるには長期間に入院を余儀なくされたといった場合に、一時的に高額支払いをしなければならないケースもあります。

そういった際には、海外旅行保険のキャッシュレス治療サービスが便利です。

キャッシュレス治療サービスを活用することで、治療が終了した後に保険会社から病院に直接治療費が支払われるため、自己負担をせずに病院で治療を受けることが可能です。

医療通訳サービス

英語ならともかく、フランス語やスペイン語など日常会話レベル以上に話せない言語が現地の母国語で医師とのやりとりに苦労するような場合に、海外旅行保険の付帯サービスで医療通訳サービスを活用することができます。

現地で医師の治療を受ける際に、電話で医療通訳が治療のやりとりをサポートしてくれます。

特に英語圏でない地域でボランティアに従事されるような場合は、非常に有用なサービスとなっています。

まとめ

海外ボランティアに従事する上で、渡航する地域や従事するボランティアの内容を踏まえて補償金額や補償内容をカスタマイズしていくことで保険料を抑えながら渡航することが可能になります。

結局どのプランに加入するべきなんだろうとお悩みになることもあるとは思いますが、保険Timesでは、海外ボランティアを目的として渡航される方の引き受け実績も多数ございますので、一度ご相談いただければ幸いです。

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