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建設業に必要な保険は大きく分けて4種類!リスクに備える補償まとめ

建設業必要保険4つ

建設業に関する保険商品はたくさんあるので、

「どの保険に加入すれば良いのだろうか」

「今の補償内容で十分だろうか」と悩んでいる経営者の方は少なくありまん。

建設業は常に事故リスクがあるため、事業規模が比較的小さい一人親方や個人事業主であっても、保険は加入しておく必要があります。

今回は、建設業の方に必要な保険の種類、特徴、保険料などについて分かりやすく解説していきます。

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目次

建設業に考えられるリスクは?

まず、建設業で起こり得るリスクを紹介します。

工事中のリスク

工事中に第三者の人や物に損害を与えてることが考えられます。

工事中に考えられる事故

・工事中に高いところから工具を落として、近くを通っていた通行人に当たりケガをさせた
・工事中にクレーンが横転して、近くを走っていた車に当たり、車が壊れ乗っていた人がケガを追った
・塗装工事中に、ペンキが飛んで通行人の衣服が汚れた

安全第一で工事を行っていた場合でも、第三者の人にケガを負わせたり、第三者の物を壊したりするリスクが考えられるでしょう。

そのため、万が一の時に素早く被害者に償うことができるように対策を考える必要があります

工事完了後のリスク

工事が完了して、引渡した後でもトラブルが発生する可能性があります。

工事完了後に考えられる事故

・飲食店の看板を取り付けた後、工事ミスにより看板が落ちて通行人がケガをした
・水道工事の後、工事が不十分だったため漏水し、床が水浸しになった

工事中にトラブルがなく完了したからといって、安心できません。

工事をした結果が原因で、第三者の人や物に損害を与える可能性も考えられます。

建設業の場合は、工事中だけではなく引渡し後もリスクがあるため、万が一の時に迅速に対応できるように備えることが大切です。

従業員のリスク

建設業では、従業員がケガや死亡するリスクも考えられます。

従業員に考えられる事故

・作業中に足場を踏み外し落下し、死亡した
・金づちで釘を打っていたとこめ、誤って自分の指を打って骨折した
・資材の近くで休憩していたところ、資材が倒れてきて従業員が下敷きになりケガを負った

工事現場では、重機や資材など扱い方を間違えると危険な物がたくさんあります。

そのため、初心者やベテラン関係なく、事故を起こしたり、巻き込まれたりすることが考えられるでしょう。

大切な従業員を守るために、万が一従業員に何かあった場合に備える必要があります。

建設業で実際に発生した損害事例

建設業で実際に発生した損害事例を紹介します。

工事中の損害事例

損害事例支払額
塗装作業に際してシンナーを用いて古い塗装をはがす作業中、何らかの原因でシンナーへ引火し火災となった。施工方法などから賠償責任が認められた。2億7,900万円
土木工事に際し道路へ掘削した穴へ、自転車走行中通行人が転落し、後遺障害1級相当の障害を負い、訴訟となり過失相殺のうえ控訴審で示談となった。3,300万円
店舗建物の屋根の防水工事の際、養生の不備から降雨により雨漏れが発生。建物、設備、什器等が水濡れ損となった。3,650万円
バックホーを用いトラックへ敷鉄板を積み込む際、バックホーの操作を誤り鉄板がトラック運転手へ当たり負傷させる。2,226万円
中学校の校舎新築工事で、2階部分の生コン打ちをする際、型枠を支える足場が倒壊し建築中の建物を壊した。1,700万円

参考:全国建設業労災互助会

工事完了後の損害事例

損害事例支払額
新築建物を引渡し、2年後に出火、建物オーナーの什器類などを焼損した。火災保険会社より損害賠償請求(代位求償)を提訴され、電気工事の瑕疵により出火したことが原因として法律上の賠償責任を認める判決があったもの。3,180万円
住宅建物2階水道栓の工事を行い引き渡し後、接続不良のため漏水が生じ、建物2階床、1階天井・壁、その外家財等へ水濡れ損害が生じた。2,455万円

参考:全国建設業労災互助会

従業員の死亡・ケガの損害事例

損害事例支払額
資材置場で、解体した鉄骨廃材をユニックを用いてトラック荷台に積み込む際、廃材がバランスをくずし被災者顔面へ落下し、死亡。5,000万円
河川災害復旧工事にて、土嚢を積み込む作業中、足を滑らし深みにはまり溺れて死亡。5,100万円
クレーン付きバックホーを使用し土嚢をダンプカーに積み込み中、荷台で積荷の誘導を行っていた担当者が荷台から転落し、脊髄損傷などを負った。3,035万円
作業中ユニックで吊っていた木が落ちてきて頚椎損傷を負った。2,600万円
3階建てアパート屋上防水改修作業中、屋上から転落し死亡。1,700万円

参考:全国建設業労災互助会

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建設業に必要な保険の種類は?

建設業は、大きな機械や資材を使い、多くの人々と協力しながら作業を進めていくため、様々な事故・トラブルが起こりやすいです。

建設業で備えておくべき保険
  1. 建築物・資材の損害に備える保険
  2. 第三者への賠償責任に備える保険
  3. 従業員のケガ・事故に備える保険
  4. 自動車事故に備える保険

発生リスクが高い事故に備えるためにも、上記の保険は加入しておくことをおすすめします。

1.建築物・資材類の損害に備える保険

まずは、建設業ならではの保険からみていきましょう。

建築物・資材類の損害に備える保険
  • 建設工事保険
  • 組立保険
  • 土木工事保険

建築物、建設現場に置いている資材が破損してしまったり、火災などのトラブルで損害を受けた場合の修繕費等を補償する保険です。

工事の種類に合わせた保険商品が用意されています。

建設工事保険

保険の対象になる工事住宅、ビルなど、建物を建設する工事(新築・増築・改築工事含む)
保険の対象物建築物、現場に置いている資材、仮設事務所、現場に収容されている工具、什器など

建設工事保険に加入しておくと、保険の対象物が損傷したり盗難被害に遭ってしまった場合の損害金をカバーできます。

具体的には、損害が生じる前の状態に戻すための費用(復旧費)、損害の拡大を防ぐためにかかった費用(損害拡大防止費用)、損害物の撤去費用などが保険金として支払われます。

組立保険

保険の対象になる工事機械設備(冷暖房器具・ボイラーなど)の設置工事、アンテナや鉄塔など鋼構造物の組立工事
保険の対象物工事の目的物、現場に置いている資材、足場、仮設事務所、現場に収容されている工具、什器など

組立工事保険では、作業ミス、自然災害、盗難被害などによって発生する損害をカバーできます。

土木工事保険

保険の対象になる工事道路舗装、トンネル工事、河川工事、上下水道工事、鉄道工事
保険の対象物工事の目的物、現場に置いている資材、足場、仮設事務所、現場に収容されている工具、什器など

土木工事保険では、土砂崩れによる損害や、火災による損害、作業ミス、盗難被害など、不慮の事故で生じる損害を補償する保険です。

対策を講じれば未然に防げたはずの事故や、重大な過失による損害は補償対象外になります。

2.第三者への賠償責任に備える保険

続いて、他人への賠償責任に備える保険を解説していきます。

賠償責任に備える保険
  • 請負業者賠償責任保険
  • PL保険(生産物賠償責任保険)

それぞれ、工事中に通行人をケガさせてしまったり、施工後にミスが発覚して賠償責任が生じた際に有効な保険です。

請負業者賠償責任保険

保険の対象になる事故例・工事中に足場のパイプが落下し、通行人にケガを負わせてしまった
・ペンキ缶が倒れて通行人の衣服を汚してしまった
・工事中にクレーンが横転して近くに停めてあった車を壊してしまった
・資材が倒れて通行人にケガを負わせてしまった
補償される内容・被害者への損害賠償金
・損害防止費用
・緊急措置費用
・争訟費用など

請負業者賠償責任保険は、工事中、他人に損害を与えてしまった場合の賠償金を補償する保険です。

建設業含め、工事現場で作業する業者は加入しておいた方が安心です。

尚、請負業者賠償責任保険に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

PL保険

保険の対象になる事故例・工事で設置した看板が落下し、下に置いてあった車が損壊してしまった
・配管工事に不備があり、施工完了後に水漏れが起きて損害を与えてしまった
補償される内容・被害者への損害賠償金
・損害防止費用
・緊急措置費用
・争訟費用など

PL保険(生産物賠償責任保険)は、工事の結果が原因となり、他人にケガをさせたり、物を壊してしまった場合の損害賠償費を補償する保険です。

ただし、応急手当や、被害拡大を防ぐために発生した費用に対しての保険金はおりますが、元の状態に戻す修繕費用などは補償対象外です。

PL保険に関する詳しい情報は、以下の記事も参考にしてみてください。

3.従業員のケガ・事故に備える保険

建設業では、必ず政府が運営している政府労災保険に加入する義務がありますよね。

工事作業中に従業員がケガをしたり、死亡してしまった場合、会社側は損害賠償責任を問われるケースが多いです。

労災認定されると、会社側は従業員に対して損害賠償金を支払う義務が生じるので、このような事態に備えて公的労災は存在しています。

しかし、政府が運営している労災保険は保険額が少額で、賠償金をカバーしきれない傾向にあるのです。

そのため、大きなケガや事故に遭うリスクが高い建設業界では、上乗せ補償できる民間の労災保険へ加入する業者が増えています。

労災上乗せ保険

保険の対象になる人・労災事故に遭った従業員
支払われる保険金・休業補償給付金
・後遺障害給付金
・死亡給付金
・入院補償保険金など

労災上乗せ保険では、政府から労災認定される前に保険金を受け取れるため、治療費などすぐに必要になる費用をカバーできます。

従業員、下請け業者、一人親方など、工事に関わるすべての人を対象にできるため、元請け業者は特に加入しておいた方が良い保険です。

4.自動車事故に備える保険

建設業において、自動車の使用は必須ですよね。

会社から現場までの移動に使用する乗用車資材を運搬するためのトラックなど、仕事で使用するすべての車両に保険をかけておく必要があります。

補償内容は一般的な自動車保険と大差ありませんが、法人向けの自動車保険であれば、会社が保有している車すべてが保険の対象にできて便利です。

保険料、等級、補償内容は各社異なるため、パンフレットを取り寄せるなどして確認しておきましょう。

建設業向けの保険料はいくら?保険の選び方

建設業向け保険の保険料

建設業向けの保険が複数種類あるというのは、既述の通りです。

では、実際に加入する場合、保険料はいくらになるのでしょうか。

保険料の決まり方

保険料の算出基準
  • 工事の業種、内容
  • 会社の年間売上高
  • 補償内容
  • 支払い限度額
  • 免責金額
  • 付帯する特約補償

加入する保険、保険会社によって異なりますが、主に上記の内容を基準に保険料が決まります。

賠償責任保険の契約方式は2パターン

賠償責任保険に関しては2パターンの契約方式があり、どちらを選ぶかによっても保険料が変わってきます。

賠償責任保険は、「年間包括契約」と「個別スポット契約」の2パターンから選んで加入することができます。

年間包括契約
  • 年間通して請け負う工事すべてが対象になる
  • 会社の年間売上高に応じで保険料が決まる
  • 小さい工事も全て補償対象になるため、加入漏れの心配がない
個別スポット契約
  • 工事毎に加入する
  • 工事の請負額に応じて保険料が決まる
  • 下請けの仕事が多い場合は個別契約の方が適している可能性が高い

自社の請負状況などに合わせて、加入形式を検討すると良いでしょう。

保険の選び方

保険を選ぶ際のポイントは、下記の通りです。

保険の選び方
  • 業態
  • 補償内容
  • 追加する特約
  • 保険料
  • 自己負担額

ご自身の会社の規模や従業員数、請け負っている工事の種類などにより、必要な補償内容や特約は変わります。

また、保険料や自己負担額は、会社の規模が大きければ高くても問題ありません。

しかし、会社の規模が小さい場合は、保険料が高すぎたり、自己負担額が大きかったりすると、保険に加入している意味がなくなります。

まずは、自社で考えられるリスクを把握して、必要な補償を洗い出しましょう

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個人事業主・一人親方の場合も加入できる

建設業に関係する保険は、法人だけではなく個人事業主や一人親方の場合でも加入できる保険です。

建設業では、万が一事故が発生すると損害金額も高額になることが考えられます。

そのため、事故によって経営が傾く可能性が高い個人事業主や一人親方の方が保険に加入する必要があるでしょう。

また、保険に加入している方が、取引先から信頼されます

個人事業主や一人親方の方は、ご自身や家族のためにも、必ず保険に加入して万が一のリスクをカバーすることをおすすめします。

建設業向け保険を選ぶ際の注意点

「建設業向けの保険はすべて加入しておくべきか」

というと、必ずしもそうとは言えません。

なぜなら、請け負う仕事のジャンルは建設業者によって異なるから。

加入する保険を間違えると、必要な補償を受けられないリスクもあるため注意してください。

1.請け負う工事のリスクを把握しておく必要がある

当然のことながら、建設現場で行う担当作業は業者によって様々です。

会社によって得意ジャンルも異なりますし、起こりやすい事故・トラブルも変わってくるでしょう。

作業現場でどのような事故リスクがあるのかを把握し、必要な補償を付けられる保険を探すことが最も重要です。

保険会社は保険のプロであって、建設現場のプロではありません。

まずは、自社が請け負う工事で想定できるリスクを洗い出し、そのリスクに対して補償できる保険商品を探すようにしましょう。

2.「元請け」「下請け」によっても加入すべき保険は異なる

例えば、請負業者賠償責任保険労災上乗せ保険は、元請け業者が加入していれば、必然的に下請け業者も保険の対象になります。

ただし、元請け業者によっては保険への加入を義務付けているところもあります。

また、仮に元請け業者から加入不要といわれた場合でも、元請け業者から損害賠償請求された場合に備えて賠償責任保険に加入しておくのはアリだと思います。

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建設業が保険に加入する方法

建設業者が保険に加入するには、どのような方法があるかを紹介します。

建設業共同組合から加入

建設業共同組合連合会に加入している方は、組合員が割安で加入できる総合補償制度というものがあります。

建設業に特化したプランが用意されているため、組合員の方におすすめです。

自分で保険会社を選んで加入

自分で保険会社を選び、直接加入する方法です。

割引などがないため、保険料が高くなる可能性があります。

しかし、ご自身に合わせて必要な補償をカスタマイズできるため、万が一の時に補償が足りないということを防げるでしょう。

建設業におすすめの保険会社

契約書にサインしている人

建設業向けの保険商品は、大手の保険会社で数多く取り扱っています。

さまざまな保険の種類を紹介しましたが、複数の保険がひとつにまとめまった建設業総合保険というものも存在します。

建設業総合保険でリスクを包括的にカバー

以下は、事業に関する様々なリスクを包括的に補償する保険です。

保険会社商品名
東京海上日動超ビジネス保険
三井住友海上ビジネス工事ガード
Chubb損害保険建設Pro
損保ジャパンビジネスマスター・プラス

工事に関する補償から労災補償まで1つにまとまっているため、重複や加入漏れの心配がありません。

工事中から工事完了後まで幅広いリスクに対応しており、手続きも1回で済むため手間も省けます。

保険会社によって商品名が違い、補償内容や特約なども異なるため、ぜひ複数の保険会社を比較して検討してみてください。

まとめ

建設業は、どんなにベテランでもケガや事故などのトラブルと常に隣り合わせです。

通行人などの第三者に対して賠償責任が発生した場合の損害は、会社の存続に関わるほど大きなものになることもあります。

請け負う業務で起こり得るリスクを把握し、どのような補償が必要なのか、今の補償内容で十分なのか検討し、適切な保険に加入しておきましょう。

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本コンテンツは情報の提供を目的としており、保険加入その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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この記事を書いた人

保険相談Times(株式会社インシュアランスブレーン)では、海外旅行保険(留学・ワーホリ・駐在・海外長期渡航など)・火災保険・法人損保に関するお問い合わせを日々多数いただいています。その中で、お客様からのご質問・やり取りの中から「この情報は保険加入前に知っておいた方がいいな」といった内容を記事にまとめて保険の選び方を発信しています。
スタッフの詳細なご紹介:https://hokentimes.com/oversea/staff

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