法人損保

労災上乗せ保険とは?建設業は加入必須?必要性と注意点を徹底解説!

データ資料が表示されているタブレット

「労災上乗せ保険ってなに?」

「政府の労災保険に入っているのに、わざわざ民間の労災に加入する必要性ある?」

労災上乗せ保険とは、政府が運営している『労働者災害補償保険法(労災保険)』の範囲を超えた保険金をカバーしてくれる、民間の保険商品です。

事故の危険性が高い建設業などでは、加入を義務付けている大手ゼネコン企業も増えてきています。

今回は、労災上乗せ保険の基本情報、加入することで得られるメリットなどについて詳しく解説していきます。

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労災上乗せ保険とは?加入するメリット

オフィスビル街と工事用什器

労災上乗せ保険とは

  • 政府労災でカバーしきれない補償を補うための保険
  • 労災上乗せ保険の保険料は経費で落とせる
  • 個人事業主(一人親方)も保険の対象になる
  • 公共施設の工事などを請け負う場合、経営事項審査で評価ポイントが加点される

「労災上乗せ保険」とは、民間の保険会社が扱っている労災保険商品です。

通常、1人でも労働者を雇っている事業主は、労働者災害補償保険法に基づいて労災保険(労働者災害補償保険)に加入する義務があります。

加入が義務付けられている労災保険は、「政府労災」とも呼ばれ、日本政府が運営しているものです。

しかし、政府労災の給付額は十分でないケースが多く、会社の資金から賠償金の支払いを要求されることがあります。

場合によっては、数千万円~億単位の支払いが必要になることもあるため、多くの事業主が任意の労災上乗せ保険に加入しているというのが実情です。

「政府労災」と「労災上乗せ保険」の違い

政府労災とは

  • 業種に関わらず、従業員を雇うすべての事業主に加入義務がある
  • 雇用条件に関わらず、すべての労働者が補償対象になっている
  • 療養補償、休業補償、傷害補償などが給付対象

政府労災では、仕事中に起きたケガや病気等の治療費・入院費などに対して一定の金額が給付されます。

しかし、「労災認定までに時間がかかる」「損害賠償請求、慰謝料は補償対象外」といったデメリットがあるため、労災上乗せ保険に加入してカバーする企業が多いのです。

労災上乗せ保険では、労災認定を待たずに保険金を受け取ることができます

そのため、労災上乗せ保険に加入しておくことで、従業員や遺族の方に対して迅速なサポートが可能となり、誠意を示せるということにも繋がるのです。

保険料は全額損金扱いになる

労災上乗せ保険は、全額必要経費で計上できます。

事業主が、従業員のために負担する保険料は全て損金扱い

労災上乗せ保険に加入しておけば、手厚い福利厚生を確保しつつ、会社の損害リスクを低くすることができます。

個人事業主(一人親方)も加入しておいた方がいい

個人事業主(一人親方)は、経営者であって労働者ではないため、通常の政府労災には加入できませんが、『労災保険特別加入制度』を利用すれば補償を受けることができます。

従業員を雇わず、本人のケガや入院に関する補償だけ受けられれば良いという場合は、労災特別加入制度だけで十分かもしれません。

しかし、もし一人でもアルバイトを雇う場合は、労災上乗せ保険に加入しておいた方が無難です。

従業員や遺族の方に対して慰謝料の支払いが発生した際、労災保険特別加入制度では補償されないため、自己資金から支払うことになります。

その金額は億単位になることも珍しくありません。

この慰謝料・損害賠償を代わりに支払ってくれるのが、労災上乗せ保険です。

労災上乗せ保険は、従業員の名簿を提出しなくても契約できることが多いので、日雇い労働など、短期間で従業員が入れ替わっても問題なく保険が適用されます。

経営事項審査で評価ポイントが加点される

労災上乗せ保険で評価されるポイント

  1. 業務災害および通勤災害(出勤・退勤中)も補償対象としていること
  2. 審査基準日時点で保険契約を完了していること
  3. すべての工事を補償の対象としていること
  4. 直接雇用関係にある従業員の他、下請負人と直接雇用関係にある従業員もすべて対象していること
  5. 死亡および障害等級第1級から第7級までの身体障害をすべて対象とするものであること

公共施設などの工事に関わる場合、発注元である各機関の経営事項審査(経審)を受けることになります。

経審を受ける際、上記の条件を満たしている労災上乗せ保険に加入していると、評価ポイントを15点獲得できるというメリットがあります。

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労災上乗せ保険は大きく分けて2つの補償で構成されている

石をハート型に加工している彫刻師のフィギュア

労災上乗せ保険は、大きく分けて「法定外補償保険」「使用者賠償責任補償保険」の2つの補償から構成されています。

法定外補償保険

法定外補償保険の補償項目

  • 療養補償
  • 休業補償
  • 後遺障害補償
  • 死亡補償

法定外補償保険では、政府労災ではカバーしきれない不足分を補填することができます。

使用者賠償責任補償保険

法使用者賠償責任補償保険の補償項目

  • 労災事故に遭った従業員が事業主に対して損害賠償請求を行い、法律上の賠償責任を負うことになった場合に適用される

労災した従業員や遺族が、事業主に対して慰謝料請求・損害賠償請求をすることがあります。

慰謝料や損害賠償は政府労災で補償されないため、「使用者賠償責任補償保険」がついている労災上乗せ保険は重要な役割を果たしてくれます。

労働環境に合わせて必要な補償特約を選べる

建設業、飲食業、小売店など、労働環境によって考えられるリスクは様々です。

労災上乗せ保険では、自分たちに必要な特約をカスタマイズできるので、余分な経費をかけずに手厚い補償をつけることができます。

労災上乗せ保険に加入する必要性はある?

工事現場で図面を確認している人たち

労災上乗せ保険に加入する必要性

  • 元請け会社から加入を義務付けられるケースが増えている
  • 政府労災の補償に含まれていない内容の労災認定が増えている

ここでは、労災上乗せ保険に加入する必要性について解説していきます。

労災上乗せ保険への加入を義務化する建設業が増えている

個人事業主や一人親方など、中小規模で事業展開している場合、大手ゼネコンから受注して仕事をすることもあるでしょう。

建設現場には、多くの作業員が出入りしています。

仮に、下請け業者の作業員がケガをした場合、下請け業者だけではなく元請け業者にも責任が問われることになります。

しかし、労災上乗せ保険に加入している下請け業者であれば、元請け業者への影響はほぼありません。

そのため、最近は労災上乗せ保険に加入している下請け業者を積極的に採用している建設業者が増えています。

また、下請け業者へ依頼を検討する際、労災上乗せ保険への加入を条件にしている業者も年々増加傾向です。

政府労災で補償されない内容の労災事故認定が増えている

近年、政府労災ではカバーしきれない「パワハラ」「セクハラ」「マタハラ」など、精神的ダメージに対する損害賠償請求が行われるケースも増えています。

労災上乗せ保険では、「労災認定身体障害追加補償」「雇用慣行賠償責任補償」といった項目も付帯できるので、現代社会ならではのリスクに備えられる有益な保険といえるでしょう。

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労災上乗せ保険の相場は?適切な選び方

保険の申込書類と眼鏡とペン

労災上乗せ保険の保険料は、労働基準監督署などに届け出している業種区分によって異なります。

また、雇用人数賃金付帯する補償項目によっても保険料は変わってくるため、まずは代理店で見積もりをとりましょう。

労災上乗せ保険を扱う会社によって補償内容が異なる

労災上乗せ保険は、民間の保険会社が販売している保険商品の1つです。

補償項目や付帯できる特約は、取り扱っている保険会社によって異なります。

事業内容、労働環境に合った補償を付けられる保険に加入する必要があるため、複数社の補償内容を比較検討してください。

補償内容が重複していないか確認しておく必要がある

労災上乗せ保険の基本的な補償に組み込まれている内容と、オプションで付帯する補償が重複していないかという点も、加入前にしっかり確認しておきましょう。

補償項目が重複していた場合は、どちらか一方は適用されない可能性が高いです。

万が一に備えるための労災上乗せ保険ですが、支払われない保険にお金を掛けても意味がありませんよね。

「とにかくたくさん特約を付けておけば安心!」

という安易な考えはせず、特約の詳細はきちんと把握しておきましょう。

保険商品によっては一人親方は加入できないので注意!

労災上乗せ保険は、基本的に政府労災の補償をカバーするための保険です。

そのため、従業員を雇わずに一人で事業展開している場合は、保険に加入できないことがあります。

もし労災上乗せ保険に加入できなくても、代用できる保険商品を紹介してもらえる可能性もあるため、まずは保険会社に相談してみましょう。

労災上乗せ保険は、「東京海上日動火災」「損保ジャパン」「三井住友海上」など、大手の保険会社であれば様々なプラン内容を提供しています。

労災上乗せ保険の加入有無は「グリーンサイト」で確認されることが多い

パソコンとスマホを操作している人

グリーンサイト」とは、建設業界の業務効率を良くするために提供されているITサービスです。

施工体制台帳や、作業員名簿、労務安全書類など、業務に必要な書類の作成・提出・確認を一括で行えるため、グリーンサイトを導入している業者が増えています。

サイトを利用するためには、初期設定費(10,000円(税抜き))+ID利用料(基本料金)が必要です。

労災保険を使うと会社にはどんな影響があるの?

窓の外を見ているビジネスマン

働基準監督署によって労災認定が下された場合、会社側にはどのような影響があるのでしょうか。

労災認定で想定される会社への影響

  • 労災認定された従業員から損害賠償請求を受ける可能性がある
  • 労災認定された従業員の解雇が制限される
  • 保険料が値上がりする
  • 業種によっては行政処分を受ける可能性がある
  • 建設業の場合、公共事業への入札が出来なくなる可能性がある
  • 会社の責任者が刑事罰を受ける可能性がある
  • マスメディアに取り上げられ、周囲からの信頼を失う可能性がある

事業主は、従業員に対して安全配慮義務が課されています。

しかし、従業員が労災事故に遭ってしまったということは、会社側が安全配慮義務に違反していた可能性も考えられます。

この場合、労災してしまった従業員が、会社に対して損害賠償請求を行うことがあります。

また、重大な労災事故が発生してしまった場合は、会社側の責任が問われ、行政処分や刑事罰を科されるケースもあります。

重大な労災事故に発展した事案は、マスメディアに取り上げられて会社のイメージダウンになるため、結果的に取引先との契約打ち切りや事業縮小につながる可能性が考えられます。

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まとめ

バインダーに挟めてあるチェックリストの用紙と工具

今回は、労災上乗せ保険についてご紹介してきました。

労災上乗せ保険は、加入が義務付けられている政府の労災保険で補いきれない保険金をカバーできる保険です。

政府労災では、損害賠償や慰謝料は補償されません。

また、近年増えている精神的なダメージ(精神疾患)に対する労災認定も、政府労災では補償の対象外です。

多くの危険が伴う建設業界では、下請け業者に対して労災上乗せ保険への加入を義務付けている企業も増えてきています。

民間の労災上乗せ保険は、労働環境に合わせて補償項目をカスタマイズすることができます。

ご自分の業種に合ったリスクを考慮して、過不足のないプランで加入しておきましょう。

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  • この記事を書いた人

保険Times Magazine編集部

保険Times(株式会社インシュアランスブレーン)では、海外旅行保険(留学・ワーホリ・駐在・海外長期渡航など)・火災保険・法人損保に関するお問い合わせを日々多数いただいています。その中で、お客様からのご質問・やり取りの中から「この情報は保険加入前に知っておいた方がいいな」といった内容を記事にまとめて保険の選び方を発信しています。 スタッフの詳細なご紹介:https://hokentimes.com/oversea/staff

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