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PL保険とは?加入は必須か、補償されない5つのケースと必要な事業者

PL保険とは?加入は必須か、補償されない5つのケースと必要な事業者

PL保険(生産物賠償責任保険)は、料理や商品を作る・加工する・輸入する事業者が検討したい保険です。引き渡した商品や仕事の結果が原因で、他人にケガをさせたり物を壊したりしたときの賠償に備えます。

この記事のポイント
✓PL保険は、引き渡した商品や仕事の結果による事故の賠償に備える保険
✓PL法では、製造・加工・輸入した事業者は欠陥があれば過失がなくても賠償責任を負う
✓取引先や出店先から、加入や加入の証明を求められることがある
前重
この記事の監修者
前重 翔太
保険Times 法人損保チーム/法人損保アドバイザー
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自動車・賠償責任・火災・サイバー・労災上乗せなど、企業のリスクコンサルティングを担当しています。
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目次

PL保険とは?

PL保険の対象は、事業者が他人に引き渡した商品(生産物)や、引き渡した後の仕事の結果が原因で起きた事故です。PLは「Product Liability(製造物責任)」の略です。

PL法(製造物責任法)との関係

製造物責任法(PL法)は、製造物の欠陥で人の命・身体・財産に被害が出たときの、製造業者等の賠償責任を定めた法律です[1]。製造業者等は、引き渡した製造物の欠陥で他人の命・身体・財産を侵害したときは、損害を賠償する責任を負います[1]。被害者は、事業者の過失ではなく、製造物に欠陥があったこと、損害が出たこと、欠陥と損害のつながりを示せば賠償を求められます。

PL法の用語意味
製造物製造または加工された動産
欠陥その製造物が通常有すべき安全性を欠いていること
製造業者等製造・加工・輸入した者、製造業者として氏名や商標などを表示した者など

出典:製造物責任法 第2条・第3条[1]

仕入れた商品を売るだけの小売店は、PL法の「製造業者等」には原則として当たりません。ただし、PL法の規定のほかに民法の規定による責任もあるため[1]、販売者も賠償を求められることがあります。PL保険は、こうした商品や仕事が原因の賠償にまとめて備える保険です。

保険相談Times編集部

飲食店の調理は食材の「加工」に当たり、提供した料理は製造物として扱われることがあります。自社が「製造・加工・輸入」のどれに当たるかを、まず確かめておきましょう。

PL保険で補償される事故・費用

PL保険で補償されるのは、引き渡した商品や仕事の結果による対人・対物の事故で、事業者が法律上の賠償責任を負った場合です。

業種事故の例(想定例)
飲食店提供した料理が原因で食中毒が起きた。料理に異物が混入し、お客様が口の中を切った
食品の製造販売アレルギーの表示の誤りで、購入者がアレルギー症状を起こした
製造業・ハンドメイド販売した製品の部品が外れ、使っていた人がケガをした
輸入販売輸入して販売した電気製品が発火し、購入者の家財が焼けた
工事・設備の取り付け引き渡した後に、取り付けた配管から水漏れが起きて家財が濡れた

食中毒のように、一度に多くの方が被害を受ける事故もあります。令和7年の食中毒は全国で1,172件、患者は24,727人で[2]、仕出屋の弁当によるノロウイルス食中毒で患者が2,307人にのぼった例もありました[2]。

補償される費用は、被害者への損害賠償金のほか、訴訟になったときの弁護士費用などの費用、事故直後の応急手当などの費用が対象になるのが一般的です。補償される費用の範囲と支払限度額は、契約で確かめましょう。

業種ごとの事故例と備え方は、次の記事で詳しく紹介しています。

PL保険で補償されない主なケース

PL保険は、商品や仕事が原因の賠償に備える保険のため、次のようなものは一般的に補償の対象外です。対象外の範囲は契約によって違うため、加入前に確かめましょう。

  • 欠陥のあった商品そのものの修理・交換・返金の費用
  • 商品を回収(リコール)する費用(特約や別の保険で備える)
  • 故意による事故
  • 店舗での接客中や設備が原因の事故(施設賠償責任保険で備える)
  • 国内向けの契約での、海外で起きた事故(輸出する場合は海外向けの契約で備える)

製品を輸出する場合の注意点は、輸出先ごとに次の記事で紹介しています。

PL保険は加入が必須?加入を検討したい事業者

PL保険への加入は、法律では義務付けられていません。ただし、次のような事業者は、加入を検討しておきたいところです。

  • 料理や食品、製品を作る・加工する事業者(飲食店・食品製造・製造業・ハンドメイド作家など)
  • 商品を輸入して販売する事業者(PL法では輸入者も製造業者等に当たる)
  • 工事や設備の取り付けなど、引き渡した後の仕事の結果で事故が起きうる事業者
  • 取引先・ECモール・催事などの出店先から、加入を求められている事業者

個人事業主は、事業で負った賠償を個人として負います。個人事業主に必要かどうかの判断は「PL保険は個人事業主にも必要?」の記事をご覧ください。

アパレル・化粧品のPL保険

衣類や化粧品は、人の体に直接触れる商品のため、商品が原因のけがや皮膚のトラブルで損害賠償を求められることがあります。製造を外部に任せて自社のブランドで売っている場合も、製造業者と同じ責任を負うことがあります[1]。

アパレル・化粧品で起こりやすいPL事故:アパレルはひも・留め具が目に当たった、ファスナーで指を切った、染料で皮膚がかぶれた、子ども服のひもが引っかかったなど衣類の部品・素材が原因の事故。化粧品は成分で肌にトラブルが出た、注意の表示が足りなかった、製造の工程で品質がずれたなど成分・表示が原因の事故で、回収の費用はリコール保険で備える

アパレル:衣類の部品や素材によるけが

衣類では、フードのひもの留め具が目に当たる、ファスナーで指を切る、染料で皮膚がかぶれるといった事故が考えられます。ダウンジャケットのフードのひもの留め具が目に当たってけがをしたとして、購入者がアパレル会社に損害賠償を求めて訴えた例も報じられています[4]。子ども服は、ひもが遊具などに引っかかる事故にも注意が必要です。

化粧品:成分と注意の表示による皮膚のトラブル

化粧品では、配合した成分による肌のトラブルや、使い方・注意の表示が足りなかったことによる被害が考えられます。欠陥には、設計(成分の選び方)、製造(工程で品質がずれた)、指示・警告(注意の表示が足りない)の3つの種類があるとされ、どれが原因でも責任を問われることがあります。

美白化粧品で肌がまだらに白くなる被害が報告され、メーカーが54製品を自主回収し、回収に約50億円の費用がかかる見通しと報じられた例もあります[5]。被害者への賠償はPL保険、製品の回収の費用はリコール保険と、備える保険が分かれます。

施設賠償責任保険・請負業者賠償責任保険との違い

事故の原因によって使う賠償責任保険が変わります。引き渡した商品・仕事の結果が原因ならPL保険、店舗・設備や接客が原因なら施設賠償責任保険、工事などの作業中が原因なら請負業者賠償責任保険です

飲食店のように、料理(商品)と店舗の両方のリスクがある事業は、PL保険と施設賠償責任保険を組み合わせて備えるのが一般的です。商工会議所の会員向けには、PL保険や施設賠償責任保険などの事業のリスクを1つにまとめて補償する団体の保険制度もあります[3]。

PL保険の保険料は見積もりで決まる

PL保険の保険料には一律の定価がなく、売上高などの事業の規模や、業種・取扱商品、支払限度額などの条件をもとに、見積もりで決まります。保険料の決まり方や、見積もりの前に準備することは「PL保険の費用」の記事で詳しく解説しています。

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PL保険はどこで入る?加入の流れ

PL保険には、保険会社や代理店で個別に契約する方法と、商工会議所などの団体の保険制度に入る方法があります。

加入先加入できる人補償の選び方保険会社・商品
保険会社・代理店(個別契約)事業者であれば加入を申し込める業種や売上高に合わせて、補償の範囲や支払限度額を選ぶ複数の保険会社を扱う代理店なら、プランを比べられる
商工会議所の団体の保険制度商工会議所の会員だけ[3]制度の内容から選ぶ。PL保険や施設賠償責任保険などをまとめて補償する制度もある[3]引受保険会社と保険料は、加入する商工会議所の案内で確かめる

個別に契約する場合は、見積もりの依頼、プランの決定、申し込みと保険料の支払い、保険証券の発行の順に進むのが一般的です。見積もりの依頼では、業種・取扱商品・売上高・販売先を伝えます。取引先や出店先に加入の証明を出す場合は、提出の期限も伝えましょう。

保険相談Times編集部

取引先から支払限度額を指定されていることもあります。見積もりの前に、取引先や出店先の条件を確かめておくと、条件に合うプランを選びやすくなります。

まとめ:PL保険は商品や仕事の結果による賠償に備える保険

PL保険は、引き渡した商品や仕事の結果による事故の賠償に備える保険です。加入は義務ではありませんが、製造・加工・輸入をする事業者や、取引先から加入を求められる事業者は検討しておきましょう。店舗・設備での事故や工事中の事故は別の保険で備えるため、事業のリスクに合わせて組み合わせることが大切です。保険料は条件をもとに見積もりで決まるため、まずは見積もりで確かめてください。

PL保険の相談先・サポート案内

業種に合う補償や支払限度額、ほかの賠償責任保険との組み合わせを決めるときは、複数の保険会社のプランを扱う代理店に相談すると、条件をそろえて比べられます。

保険相談Times編集部

保険相談Timesでは、業種・取扱商品・取引先の条件をうかがって、PL保険の見積もりをご案内しています。まずはお気軽にご相談ください。

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出典

  1. 厚生労働省「製造物責任法(平成六年法律第八十五号)関係規定(抜粋)」(第2条・第3条。第1条・第6条は衆議院「製造物責任法」。2026年10月16日確認)
  2. 厚生労働省「令和7年食中毒発生状況の概要」(大規模食中毒事例を含む。2026年10月16日確認)
  3. 尾道商工会議所「商工会議所の保険制度」のご案内(2025年10月掲載。2026年10月16日確認)
  4. 企業法務ナビ(ダウンジャケットのフードの留め具による事故の訴訟の報道)(2026年10月30日確認)
  5. 日本経済新聞(2013年7月4日)美白化粧品の自主回収の報道(2026年10月30日確認)

本コンテンツは情報の提供を目的としており、保険加入その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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この記事を書いた人

保険相談Times(株式会社インシュアランスブレーン)では、海外旅行保険(留学・ワーホリ・駐在・海外長期渡航など)・火災保険・法人損保、生命保険に関するお問い合わせを日々多数いただいています。その中で、お客様からのご質問・やり取りの中から「この情報は保険加入前に知っておいた方がいいな」といった内容を記事にまとめて保険の選び方を発信しています。
スタッフの詳細なご紹介:https://hokentimes.com/oversea/staff

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