【2024年版】ハンガリー渡航の海外旅行保険の選び方を徹底解説

ハンガリーはヨーロッパのちょうど中心に位置しており、アジアから来たフン族を先祖に持っているので、ヨーロッパの中でも異色で非常に美しい国です。

日本ではあまりなじみのないハンガリーですが、「欧州の宝石箱」と呼ばれる青いドナウ川は知っている方も多いでしょう。

また、ハンガリーはヨーロッパの中でも格段に物価が安いので、観光はもちろん、グルメやお土産なども楽しめます。

今回は、そんな魅力溢れるハンガリーにに渡航する際の海外旅行保険について解説していきます。

加えて、ハンガリーの治安や医療事情についても解説するので、ハンガリーへの渡航を検討している方はぜひご覧ください。

・ハンガリーの医療水準はそこまで高くないため、重病の場合は近隣の国や日本に搬送して治療することになる可能性があります。
・ハンガリーに過去渡航した方の保険金請求事例は、2,000万円以上というケースがあります。
・ハンガリー渡航を検討する際はクレカ保険ではなく海外旅行保険に加入するようにしましょう。

ハンガリーへ渡航する目的や期間によって選ぶべき保険は異なる

まず、海外旅行へ行く際、ほとんどの方が海外旅行保険への加入を検討するでしょう。

ハンガリーへ渡航する際に必要な海外旅行保険は、渡航目的や期間に応じて、選ぶ基準や重要となるポイントが異なります。

渡航目的は、旅行やインターンシップ、留学、ワーキングホリデーなどさまざまです。

また、渡航期間は長くなるほど、怪我や病気をしたり、事故や軽犯罪に遭ったりするリスクも自ずと高まります。

特に、観光客が集まりやすいところでは、スリや置き引きなど貴重品を狙われるケースが多いです。

そのため、短期間の旅行よりも長期渡航の方が海外旅行保険の補償内容を充実させる必要があります。

そして、海外旅行保険の役割として、想定できなった高額な支払いをカバーすることが重要になります。

そのため、海外旅行へ行く際は、ご自身の渡航目的と期間に合わせた海外旅行保険を選択しましょう。

留学でハンガリーに渡航される方に向けて、別途解説記事を作成していますので、ぜひこちらをご覧ください。

ハンガリーの治安

海外に行く際、渡航先の国の治安状況がどのようなものか気になりますよね。

特に、ヨーロッパへ行くとなると観光地が多いので、安心して観光ができるか不安だと思います。

ハンガリーの治安は良い

結論、ハンガリーの治安は世界的に見て良いと言えます。

Crime Index by Country2023の調査によると、ハンガリーの犯罪インデックスは世界144か国中105位です。

こちらは、上位が犯罪発生率が高い国ですので、世界的に非常に治安が良い国となっています。

日本は137位、台湾は142位です。

軽犯罪に注意

しかし、スリや置き引きは観光地で発生しているため、夜道を出歩くことや貴重品の管理には注意が必要です。

万が一、旅行中に携帯品が盗まれたり、壊されたりした際は、海外旅行保険の携帯品損害や生活用動産が適応されます。

このような場合に備えて、補償内容に携帯品損害が付いている海外旅行保険に加入することをおすすめします。

そして、ハンガリーは比較的治安が良いと言っても、日本とは全く違う環境と場所であるという認識を持つことが非常に重要です。

実際に、ハンガリーに在住する日本人が犯罪被害を連絡する際の多くが窃盗被害なので、観光地以外でも軽犯罪に遭わないよう注意してください。

ハンガリーの医療

続いて、海外旅行先で病気や怪我をしたらどうしようと不安になる方もいるでしょう。

実際、海外旅行では長時間の移動や慣れない環境での生活で体調不良になることも多いです。

そのため、海外旅行先の医療事情についてしっかり理解しておく必要があります。

そこで、ここからはハンガリーの医療事情について見ていきたいと思います。

ハンガリーの医療水準

まず、ハンガリーの医療水準について見ていくと、Health Care Index by Country2023の調査によると、ハンガリーの医療水準は世界94か国中79位となっています。

ちなみに1位は台湾、2位は韓国、3位は日本です。

世界的に見るとハンガリーの医療水準は高いとは言えないでしょう。

ハンガリーの医療機関でよくあるコミュニケーショントラブル

また、ハンガリーの医療機関で観光客によく起こるトラブルとして、コミュニケーション問題が挙げられます。

ハンガリーでは、ハンガリー語が公用語なので、英語が通じないという場所も多く、病院も例外ではありません。

医療機関を訪れる際は、自分の症状を詳しく伝える必要があるため、コミュニケーションが取れないと適切な治療を受けることは難しいでしょう。

そのため、ハンガリーの病院に行く際は、通訳してもらえる知人に同行をお願いしたり、海外旅行保険に付帯している医療通訳サービスを利用したりすることをおすすめします。

ただ、私立病院では英語が話せるスタッフがいるところも多いため、治療費が国立病院と比べて高くなりますが、コミュニケーションに不安を感じる方は私立病院に行くと良いです。

では、ハンガリーで日本人がよく利用する医療機関や英語対応可能な病院を以下にまとめます。

日本人におすすめ！ハンガリーの医療機関

地域名	病院名	診療 科目	診療 時間	休診日	特徴
ブタぺスト	ROZSAKERT MEDICAL CENTER	ほぼ 全科目	月～金曜 08:00～20:00土曜 09:00～14:00 ※緊急時は24時間受付	日曜	英語対応可能。 日本語を話せる医師はいないが、日本語の通訳を依頼できる。
ブタペスト	VIRANYOS EGESZSEGHAZ	ほぼ 全科目	月～金曜 08:00～20:00	土・日曜	英語対応可能。 日本語を話せる医師はいないが、日本語の通訳を依頼できる。
ブタペスト	BUDA HEALTH CENTER	ほぼ 全科目	月～木曜 08:30∼16:30 金曜 08:30～14:00	土・日曜	国内最大の診療科数を有する私立病院で駐在外国人の利用が多い。 日本語を話す事務スタッフが在籍、通訳を依頼可能。
ブタペスト	FIRST MED CENTER	ほぼ 全科目	月～金曜08:00～20:00土・日曜 09:00～15:00（緊急時は24時間受付）	なし	英語対応可能。
ブタペスト郊外	TELKI PRIVATE HOSPITAL	ほぼ 全科目	救急24時間	なし	英語対応可能。
セーケシュフェヘールバール	Dr.名：Sario u.i orvosi Rendelo	小児科			携帯電話で英語対応可能。
電話医療サービス	SOS Hungary Medical & Assistance Service	ほぼ 全科目	24時間、無休	なし	TEL: (06-1)2400-475
ブタペスト	MES MAGAN EGESZSEGUGYI KFT	ほぼ 全科目	月～木曜 07:30～17:30金曜 07:30～16:00 （緊急時は24時間受付）	土・日曜	英語対応可能。
ブタペスト	ISTENHEGYI MAGANKLINIKA	ほぼ 全科目	月～木曜 08:00～20:00金曜 08:00～16:00 土曜 08:00～14:00	日曜	英語対応可能。
pandora	デブレツェン大学 クリニック	ほぼ 全科目
ペーチュ	ペーチ大学クリニック	ほぼ 全科目
セケド	セゲド大学クリニック	ほぼ 全科目

ハンガリーの病院を受診する際には、上記の日本人がよく利用する医療機関もしくは英語対応可能な病院に行くことをおすすめします。

もし、日本語や英語が話せるスタッフがいなかった場合は、海外旅行保険に付いている通訳手配サービスを活用しましょう。

海外旅行保険加入者のハンガリーでの保険金請求事例

そして、通常の診察は特に問題ないですが、重症な場合で高度な治療を受ける必要がある際は、日本や他のヨーロッパ諸国へ緊急搬送が必要となるケースも考えられます。

こういった場合には、搬送費も高くなり高額な支払いが予想されるので、海外旅行保険でカバーしておくと安心です。

では、実際にハンガリーの医療機関を利用した場合、どの程度の保険が必要になるのか、保険金請求の実例を見ていきましょう。

症状や事故の様子	保険金額（日本円）
バスから降りる際に突然倒れ、救急車で搬送された。くも膜下出血・硬膜下出血・眼窩骨折・上顎骨骨折・頬骨骨折と診断。17日間入院したうち、医師・看護師が付き添いチャーター機でドイツまで医療搬送し13日間入院。	2120万円
階段で足元がふらつき仰向けに転倒し意識を失い医師・看護師が付き添い救急車で搬送。脳挫傷と診断。30日間入院。	760万円
ホテルのプールで足を捻り転倒し看護師が付き添い救急車で搬送された。大腿骨遠位部骨折と診断。手術と8日間入院。	391万円

上記の実例を見ると、短期の旅行でも考えれるケースがほとんどです。

また、手術を伴う治療難易度の高い怪我・病気や医師や看護師付き添いの医療搬送が必要となる場合に、高額な保険金請求が発生することが分かります。

特に、医療水準が高い西欧諸国に緊急医療搬送する場合は、チャーター機が必要になるので、数千万円かかる可能性があります。

ハンガリーへ渡航する際は、このような高額な保険金請求リスクを海外旅行保険でカバーするかどうかが重要なポイントです。

ハンガリーへ渡航する上での海外旅行保険の選び方

ここまでで、ハンガリーの治安と医療事情についての理解が深まったと思います。

治安に関しては、比較的良いもの観光客を狙った軽犯罪に巻き込まれるリスクがあり、医療に関しては、日本と同等水準の治療を受けることは厳しいです。

そのため、ハンガリーに旅行へ行く際は、以上のことを踏まえて、海外旅行保険を検討しなくてはなりません。

それでは、ハンガリーに渡航する際の海外旅行保険選びで気を付けるべきポイントを解説していきます。

ハンガリーに90日以上滞在する場合

まず、ハンガリーに渡航するには、90日間以上の滞在の場合シェンゲンビザの取得が必要なります。

シェンゲンビザ が必要になる場合、海外旅行保険は加入が必須となっており、クレジットカードの付帯保険ではビザ申請が通らないことになっています。

ハンガリーに長期滞在を予定している方は、ビザ申請前に必ず海外旅行保険に加入しておきましょう。

ハンガリーに90日以内の滞在の場合

ハンガリーへ渡航するのが90日以内の場合はシェンゲンビザ の取得は必要ありませんので、海外旅行保険の加入義務はありません。

保険に加入して渡航する選択肢としては、クレジットカードの付帯保険が追加されます。

このクレジットカードの付帯保険のメリットデメリットについても後ほど合わせて解説させていただきます。

海外旅行保険の補償内容

以下に海外旅行保険の補償内容の全体像をご説明しますので、自分の必要な補償は何かを検討する上での参考にしていただければと思います。

海外旅行保険の補償項目は多くあるので、一つひとつ簡潔に解説します。

海外旅行保険の補償内容一覧

補償名	内容
傷害死亡	怪我、不慮の事故で亡くなった場合に定額で補償
傷害後遺障害	怪我、不慮の事故で後遺障害が残った場合に等級により支払う保険金枠
治療・救援費用	現地での怪我、病気の治療費用、治療に伴う帰国や他国への移送費用、遺体搬送費用、被保険者が死亡・入院した場合にご家族が駆けつける費用
疾病死亡	病気で亡くなった場合に定額で補償
賠償責任保険	海外での日常で他人に怪我をさせたり、他人の物を壊したりして損害を与え損害賠償責任を負ったときの補償
携行品損害	持参物の盗難や破損に備える補償
生活用動産	携行品損害の補償に加えて家財も補償対象
飛行機手荷物遅延	飛行機に搭乗し手荷物が届かなかった時に購入した生活必需品の費用の補償
飛行機遅延	飛行機が遅延した際にかかった宿泊費など諸雑費の補償

海外旅行保険は大きく分けて、1.治療系の補償、2.物の補償、3.航空機関連の補償、4.その他の補償に分類されます。

これらの補償の中で何をつける・つけないようにするかという点が重要になります。

クレジットカード付帯の海外旅行保険

クレジットカード付帯保険のメリット

クレジットカードの付帯保険を利用するメリットは、何と言っても保険料がかからないという点でしょう。

クレジットカードによっては旅行費用をクレジットカード決済しないと保険が適用にならない利用付帯のカードと海外に渡航したタイミングで自動的に保険が付帯される自動付帯のカードがあります。

どちらの付帯条件になっているかは確認が必要ですが、費用がかからないことがメリットです。

クレジットカード付帯保険のデメリット

クレジットカード保険のデメリットは、補償内容が薄くいざ現地で治療を受けるとなった場合に補償が足りなくなるケースが多い点です。

過去ハンガリーであった高額な保険金請求事例は2,000万円オーバーのものがあります。

しかし、クレカの付帯保険の治療費用は100-200万円程度しかカバーされませんので、足りなくなった部分は自費負担となるリスクがあることを認識しておきましょう。

ハンガリーへ渡航する際の海外旅行保険プラン例

補償面	Aプラン	Bプラン	Cプラン	Dプラン
傷害死亡	1,000万円		1,000万円	3,000万円
傷害後遺障害	1,000万円		30～1,000万円	3,000万円
治療・救援費用	1,000万円	2,000万円	無制限	3,000万円
緊急歯科治療費用	10万円		10万円	あり
疾病死亡	1,000万円	2,000万円	500万	3,000万円
賠償責任	1億円		1億円	1億円
携行品損害	30万円		30万円	50万円
生活用動産
航空機寄託手荷物遅延等費用	1万円			10万円
航空機遅延
旅行事故緊急費用			5万円
テロ等対応費用	1万円			1万円
弁護士費用	100万円	100万円		100万円
保険料（渡航期間4日）	1,660円	1,350円	4,400円	2,780円
保険料（渡航期間7日）	2,600円	1,810円	7,440円	4,250円
保険料（渡航期間14日）	5,080円	4,480円	13,650円	9,030円
保険料（渡航期間21日）	7,380円	7,270円	18,150円	13,270円
保険料（渡航期間29日）	9,950円	10,610円	23,790円	17,990円
保険料（渡航期間2ヶ月）	ー	46,420円	47,840円	67,480円
保険料（渡航期間3ヶ月）	ー	143,530円	57,920円	193,290円
保険料（渡航期間6ヶ月）	ー	ー	126,810円	ー

まとめ

今回は、ハンガリーへ渡航する際に必要となる海外旅行保険について解説しました。

ハンガリーは、物価が安く、治安も良いため旅行しやすい国ですが、日本とは全く違った環境であり、あらゆる面で注意が必要なことを認識しておきましょう。

そして、海外旅行保険を選ぶ際は、ご自身の旅行期間と目的に合った保険に加入しましょう。

さらに、万が一現地で病院に行くことになったり、事故に遭ったりした時に、慌てず行動を取ることができるよう、旅行前に加入した保険の補償内容を確認しておくと良いです。

旅行中は、万が一の場合に備えて緊急連絡先、現地で使えるサービスが書かれた冊子を携帯しておくことをおすすめします。

ハンガリーへの渡航を検討されている方は、ぜひこちらの記事を参考にして、海外旅行保険を選んでくださいね。