小売業者が加入した方が良い保険はどんなものがあるのかな?
PL保険に入るべきか悩んでいるが、どんな場合に補償されるのかよく分からない……
PL保険は、小売業者を含め幅広い業種の方が加入している損害賠償責任をカバーする保険です。
そのため、小売業者にも必要な保険であるのか、いまいちよく分からない方も少なくないでしょう。
今回は、小売業者に向けて、PL保険に関する基礎知識や必要性を分かりやすく紹介します。
この記事を読んだあなたは、PL保険について理解できるでしょう。
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小売業者に考えられるリスク
まずは、小売業者に考えられるリスクについて3つ紹介します。
・商品販売後のリスク
・商品が盗まれるリスク
・店舗の火災リスク
商品販売後のリスク
商品販売後に、その商品の欠陥などが理由で購入者がケガをすることが考えられます。
・ネックレスを購入した方が、アレルギーを起こした
・販売した製品に欠陥があり、利用者がケガをした
日本には、PL法(製造物責任法)が存在するため、販売後の損害についても責任を追わなければいけないことになっています。
特に商品を販売する小売業の場合は、お客様から直接クレームがあるため、商品販売後のリスクに備える必要があります。
商品が盗まれるリスク
商品が盗まれるリスクは高いですが、会社の被害としてはそこまで大きくはないでしょう。
なぜかというと、盗まれて困るような高い商品は施錠があるショーケースに飾られていたり、万引きをされないような工夫がされているケースが多いからです。
また、万引きの件数は年々減少しているものの、年間8万件以上発生しています。
2019年 | 98,812件 |
2020年 | 87,280件 |
2021年 | 86,237件 |
2022年 | 83,598件 |
万引きの件数から考えて、商品が盗まれることは想定しておいた方が良いでしょう。
店舗の火災リスク
小売業の場合、飲食店とは違い火を使うことが少ないため火事になるリスクは低いでしょう。
しかし、火災や爆発の原因になる商品を取り扱っている小売業者の場合は注意が必要です。
万が一、爆発により火事が発生した場合の被害は大きく、損害が高額になることが考えられます。
そのため、リスクは低いものの、万が一火事が発生した場合の備えは必要です。
小売業に必要な保険
小売業者に考えられるリスクを紹介しましたが、次はリスクを踏まえて小売業に必要な保険種類について紹介します。
・火災保険
・労災保険
・使用者賠償責任保険
・雇用慣行賠償保険
・サイバー保険
・PL保険
火災保険
火災保険は、火災により会社が所有する建物や財産に損害があった場合に補償される保険です。
小売業の場合、火災のリスクは低いですが、万が一の際に商品がすべて燃えてしまうなど損害額が高額になる恐れがあるため、加入すべき保険といえるでしょう。
法人向けの火災保険の詳細については、下記の記事をご確認ください。
労災保険
労災保険は、法人事務所または従業員を常時5人以上雇用している個人事業所(一部業種を除く)であれば加入が義務となっている日本政府が運営している保険です。
パートやアルバイトなど雇用形態に関係なく働いている人が、業務中にケガや病気、または死亡した時に保険金が支払われます。
使用者賠償責任保険
使用者賠償責任保険は、仕事中にケガや死亡した場合、従業員やその家族から損害賠償を請求された時に費用をカバーしてくれる保険です。
慰謝料や賠償責任を求められた場合、労災保険では対応できないため使用者賠償責任保険は重要な役割を果たしてくれるでしょう。
雇用慣行賠償保険(パワハラ保険)
パワハラ保険は、不当解雇やセクハラ、パワハラなどが原因で会社と従業員が職場環境や業務上をめぐりトラブルになり、会社が従業員から訴えられて損害賠償を負った時に保険金が支払われる保険です。
近年、従業員が雇用トラブルの声を上げやすい世の中になっているため、企業として必要性の高い保険でしょう。
雇用慣行賠償保険の詳細については、下記の記事をご確認ください。
サイバー保険
サイバー保険は、サイバー事故によって発生する損害を包括的にカバーする保険です。
店舗販売以外にネットショップなどをされている場合は、サイバー攻撃の被害に遭う可能性が高まります。
個人情報の漏えい時などにすぐに対応できるように、ネット系に力を入れている場合は必要な保険でしょう。
サイバー保険の詳細については、下記の記事をご確認ください。
PL保険(生産物賠償責任保険)
PL保険は、製造または販売した商品などが原因で、他人にケガをさせた場合などに、事業者が法律上の損害賠償責任を負担する場合の損害費用を補償する保険です。
「モノを販売する業者」にとって、必要な保険といえるでしょう。
PL保険については、後ほど補償内容などの詳細を説明します。
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PL保険(生産物賠償責任保険)とは?
PL保険の補償内容について紹介します。
PL保険に加入することで、「モノを販売する業者」として、賠償責任を補償するだけではなく、万が一の備えもしっかりしている会社として信頼を得られることがメリットです。
補償内容
PL保険に加入することで補償される内容は、下記の通りです。
損害賠償金 | 損害を与えた被害者に対して支払う賠償金 |
損害防止・軽減費用 | 被害拡大を防ぐための措置にかかる費用 |
争訟費用 | 訴訟を受けた場合の訴訟費用・弁護士費用 |
緊急措置費用 | 事故発生時の応急手当にかかった費用 |
権利保全行使費用 | 他にも責任を負うべき会社がある場合、その会社に対して求償権を保全または行使するための費用 |
協力費用 | 保険会社が事故解決のために行う要求に協力するために要した費用 |
補償される内容や金額は、保険会社や契約内容によって異なってくるため、確認が必要です。
補償対象となるケース
石鹸の使用によってアレルギーを発症した。
購入したノートパソコンのバッテリーパックが発火し、火災が発生した。
購入した車に欠陥や修理の不備があり、車両火災が発生した。
販売した商品に欠陥や不備があったことが原因で、トラブルが発生するケースが多いです。
小売業の場合、幅広いモノを販売しているため、損害賠償を求められる可能性も低くはないでしょう。
注意をしていたとしても、事故が発生する可能性はあるため、リスクに備えるためにも小売業者はPL保険に加入することをおすすめします。
補償対象外になるケース
・故意によって生じた損害賠償責任
・重過失の場合の損害賠償責任
・危険すぎるモノを取り扱った場合に起こった損害賠償責任
・被保険者と生計を共にする同居の親族に対する損害賠償責任
・従業員が業務中に被った身体の障害に起因する損害賠償責任
・地震、噴火、洪水、津波などの自然災害が原因で起こった損害賠償責任
・正当な理由がなく、リコールなどの措置を取らなかったために起こった損害賠償責任
その他にも、各保険会社の「保険金をお支払いしない主な場合」に補償対象外のケースが公表されているため、確認が必要です。
PL保険の基礎知識などの詳細については、下記の記事をご確認ください。
小売業によるPL保険の損害事例
小売業によるPL保険の損害事例を紹介します。
事例1:店舗の床掃除が原因の事故
【訴訟内容】
コンビニエンスストアに来店した原告が、掃除後の濡れたままの床に滑って転倒、筋組織を負傷するほどのケガを負ったという事件。原告は事故に遭った当該店舗のFCオーナーではなく、本部であるフランチャイザーを相手取って訴訟を起こした。
【判決内容】
大阪地裁の一審では原告の靴が滑りやすい状態だったことなども考慮して請求が棄却された。それが、高裁では一転、事故原因は店舗の清掃にあるとした。また、注意義務については店舗に責任があり、FC本部の不法行為責任はないとしたが、安全指導においては本部としての不法行為責任があるとした。
引用:会社経営のリスクに立ち向かうには
床が濡れていたためケガを負ったという、どの小売業でも発生する可能性がある事例です。
人ごとではない事例のため、小売業者は気をつけましょう。
事例2:高齢者がショッピングセンターで転倒
【訴訟内容】
高齢者がショッピングセンターの床に落ちていたアイスクリームで足を滑らせて、骨折するなどのケガを負った事例。転倒した場所はアイスクリーム売場のすぐ前で、高齢者の靴は特段滑りやすいものではなかったことなどから、ショッピングセンターの安全管理義務違反が問われる結果となった。
【判定内容】
裁判では転倒の原因がアイスクリームであることを推認するとともに、店舗側に安全管理義務があると結論づけた。小売業の中でもショッピングセンターは老若男女問わず不特定多数が訪れる場所であり、アイスクリームが落ちて足を滑らせる人がいることも簡単に予想できると指摘。一方で、被告側の注意義務についても触れて過失相殺を2割とした。
引用:会社経営のリスクに立ち向かうには
こちらの事例も、どの小売業者でも考えられる損害事例です。
予想できる範囲のことが原因で事故に繋がった場合は、小売業者が責任を求められる可能性が高いでしょう。
事例3:輸入瓶詰オリーブによる食中毒
【訴訟内容】
レストランで食事をして食中毒に遭い、瓶詰オリーブからボツリヌス菌が検出された事件。被害に遭った消費者はレストラン経営者と瓶詰オリーブ輸入会社を訴えたが、レストランも製造物責任で瓶詰オリーブ輸入会社を訴えたというケース。
【判決内容】
裁判所の判断では、当件のB型ボツリヌス菌が国内でほぼ検出されないことなどを理由に、輸入会社の製造物責任及び損害賠償責任を認めた。レストラン経営者については、当該製品を試食して問題がないことを確認していることから、注意義務違反はないとした。
引用:会社経営のリスクに立ち向かうには
食中毒が原因でのトラブルは少なくないでしょう。
特に海外の商品は、日本では考えられないトラブルを招くこともあります。
海外製品を取り扱っている場合は、特に保険に加入して万が一の補償を確保しましょう。
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PL保険(生産物賠償責任保険)の注意点
小売業者がPL保険に加入する場合に注意すべきポイントが2つあるため、紹介します。
・補償の対象外になるケースがある
・自己負担ゼロというわけではない
補償の対象外になるケースがある
PL保険に加入したからといって、どんな場合でも損害が補償される訳ではありません。
故意によって発生したトラブルや、重過失・危険な物を取り扱った場合の事故は、保険金支払いの対象外になります。
また、PL保険には国内向けと海外向けと保険が別で存在します。
国内向けのPL保険に加入していた場合に、海外でトラブルが発生した場合は保険が適用されないため注意が必要です。
自己負担がゼロというわけではない
PL保険は、事故が発生した場合にすべて保険で対応する自己負担がない保険ではありません。
保険金には、免責金額といって一定額の自己負担しないといけない金額が存在します。
損害賠償額が2,000万円の場合で、免責金額を200万円に設定している保険の場合。
保険金として1,800万円が支払われるが、免責金額の200万円は自己負担額となる。
免責金額を高くするか低くするかは、ご自身で設定が可能です。
免責金額を高く設定すると、保険料は安くなります。
反対に、免責金額を低く設定すると、保険料は高くなります。
自己負担額をどのように設定するかは、自社の規模や状況によって考えましょう。
おすすめの保険会社
PL保険は、ほとんどの保険会社で取り扱いがあります。
・AIG損保
・東京海上日動
・三井住友海上
・日新火災
・損保ジャパン
保険会社によって、商品名や補償内容が多少異なる場合があります。
まずは、複数の保険会社の内容を比較して、ご自身のリスクに合った補償を受けられる保険会社を選びましょう。
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まとめ
PL保険は、モノを販売している小売業者にとって必要な保険です。
日本では、お客様優先の意識が高く、小売店が不利な立場になる可能性も少なくないでしょう。
万が一、トラブルが発生した場合でもPL保険に加入していると迅速に対応できるため、自社やお客様を守るためにもPL保険に加入することをおすすめします。
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本コンテンツは情報の提供を目的としており、保険加入その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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