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20代の医療保険の選び方|必要性の判断から保障の考え方を解説

20代は結婚・出産・転職など生活環境が変わりやすい年代でもあるため、現在の状況だけでなく、将来的な変化も考慮して無理のない保障内容を選ぶようにしましょう。

とくに貯蓄が少ない人や自営業・フリーランスで収入減少への備えが必要な人ほど優先度が高い保障です。

この記事のポイント

  • 20代の医療保険は、貯蓄額や働き方によって必要性が変わります
  • 高額療養費制度などの公的保障を確認したうえで、不足する可能性のあるリスクに備えましょう
  • 結婚・出産・転職などの将来の変化も踏まえて無理のない保障を選びます
目次

20代に医療保険はいらない?

収入や貯蓄が安定しない20代にとって、大きな病気にかかった際の高額な医療費や長期入院による収入減少は、家計に大きなダメージになります。

20代の医療保険の必要性フローチャート①
20代の医療保険の必要性フローチャート②

このように、貯蓄や働き方の差によって、医療保険の必要性と選ぶべき保障項目が変わってきます。

20代で医療保険を優先的に検討すべき人とは?

特に優先度が高いのは、入院時の支出や収入減少への備えが不足している人です。

  • 急な入院や手術費用を貯蓄でまかなう余裕が少ない
  • 自営業・フリーランスで働けない期間の収入減少が心配
  • 一人暮らしで家賃や生活費など固定費の支払いが続く
  • 持病や既往症があり、将来的な加入条件が気になる

自営業・フリーランスの場合は、会社員のような傷病手当金1が原則ないため、医療費だけでなく、働けない期間の家計への影響も確認する必要があります。

20代の医療保険加入率と必要性

生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」(2026年1月発行)によると、20代の医療保険加入率は40.5%です2

20代は他の年代と比べて加入率が低い傾向がありますが、これは健康状態やライフステージの違いによるもので、独身者の割合の高い20代では、医療保険の必要性を感じにくいことが背景にあると考えられます。

しかし、20代だからといって病気やケガのリスクがないわけではありません。

生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」によると、20代の10.4%が過去5年間に入院を経験しています。また、20代の平均入院日数は8.1日です。

生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」によると、20代の10.4%が過去5年間に入院を経験しています。また、20代の平均入院日数は8.1日です。3

特に一人暮らしの人や、十分な貯蓄がない人にとっては、入院による予期せぬ支出が家計に影響を及ぼすこともあるでしょう。

また、医療保険は一般的に、加入時の年齢が若く健康なほど保険料を抑えやすく、健康状態による加入制限を受けにくい傾向があります。そのため、将来の病気やケガに備えたい人は、健康な20代のうちから医療保険を検討するメリットがあります。

入院したときの自己負担額はどれくらい?

高額療養費制度4を利用しても自己負担は発生する可能性があるため、不足する部分を医療保険で備えるか判断します。

医療費の多くは公的医療保険の対象となり、高額療養費制度によって自己負担額には上限があります。

しかし、以下の費用は公的医療保険の対象外です。

  • 差額ベッド代
  • 入院中の食事代
  • 先進医療にかかる技術料
  • 交通費や日用品など
高額療養費についての詳細はこちら(2026年8月からの上限額)

高額療養費制度は、1か月(月の初日から末日まで)に支払った医療費の自己負担が一定額を超えたとき、超えた分があとから払い戻される仕組みです。

上限額は所得によって区分が分かれており、2026年8月から段階的に引き上げられています。

年収の目安2026年8月からの上限額
約370万円以下61,500円
約370万〜770万円85,800円+医療費の1%分
住民税非課税36,900円

※実際の区分は標準報酬月額や課税所得によって判定されます。払い戻しを受けるには申請が必要で、限度額適用認定証やマイナ保険証を使えば、窓口での支払いを上限額までに抑えられる場合もあります。

20代における直近の入院時の自己負担費用は平均10.8万円(全体では18.7万円)となっています3

上記は平均データであり、入院や療養によって仕事を休む期間が長引けば、医療費がかさむだけでなく収入が減少するリスクもあります。

貯蓄だけで自己負担の費用や当面の生活費への対応が難しい場合は、医療保険の入院給付金や入院一時金が備えとなります。

20代の医療保険の選び方

医療保険は、「保障内容・保障期間・特約」という3つの視点から、将来の変化も踏まえて無理のない保障を選びます

保障内容はどう組み合わせるか

入院日数に応じた費用に備えたい場合は入院給付金(日額)、入院時のまとまった支出に備えたい場合は入院一時金を組み合わせる方法があります。

保障の項目20代の場合の優先度保障の内容
入院給付金(日額)優先的に備えたい入院1日あたりに決まった金額を受け取れます。入院が長引くほど受取額が増える仕組みです
手術給付金基本の保障としてあわせて確認したい約款所定の手術を受けたときに受け取れます。給付倍率が変わる方式と一律の方式があります
入院一時金まとまった支出に備えたい場合に検討したい入院日数にかかわらず、まとまった金額を受け取れます。取り扱いや給付条件は商品ごとに異なります
特約による上乗せ必要性を見極めて追加したい通院特約や先進医療特約など、基本の保障に上乗せする保障です。追加するほど保険料も上がります

手術給付金は、手術の種類に応じて給付倍率が変わる方式と、一律の金額が支払われる方式があり、どちらかによって受け取れる金額が変わります。組み合わせ方や取り扱いの有無は商品ごとに異なるため、約款で確認しましょう。

保障期間はいつまでにするか

保障期間は、一定期間のみ備える定期型と、生涯保障が続く終身型から選びます。

定期保険型と終身型の保険料推移を比較した折れ線グラフ

[画像:定期保険型と終身型の保険料推移を比較した折れ線グラフ(横軸:年齢20代〜70代、縦軸:月額保険料。定期保険型は更新ごとに階段状に上昇、終身型は横一直線)]

定期型は、一定期間に上乗せして備えたい場合終身型は長期間の保障を持ちたい場合に向いています。

スクロールできます
項目定期型(更新型)終身型
保険料の特徴同じ保障内容の終身型と比べて加入時は低く抑えやすい一方、更新のたびにその時点の年齢で再計算される加入時は定期保険型より高くなりやすい一方、保険料が変わらないプランを選べる(商品による)
保障と解約の特徴契約で定めた年齢で更新できなくなる場合があります。解約返戻金のないタイプが一般的所定の条件のもとで生涯続きます。解約返戻金のないタイプが主流(返戻金があるタイプでは早期の解約で払込保険料の総額を下回る場合がある)
検討しやすい状況結婚・出産予定など、一定の時期に保障を組み替えたい場合保険料を抑えつつ、保障を一生涯持ち続けたい場合

独身のうちは終身型で保険料を抑え、扶養する家族が増えたら定期形を組み合わせるなど、無理のない範囲で備えるとよいでしょう。

特約による上乗せが必要か

特約は、基本保障だけでは不足する部分を補う目的で選びます

医療保険には、通院特約先進医療特約女性疾病に備える特約など、基本保障に上乗せできる特約があります。

女性の場合は、妊娠・出産や女性特有の疾病への備えを考えるタイミングもあります。将来的なライフイベントを踏まえ、女性疾病特約などが必要か検討するとよいでしょう。

また、がんなど大きな病気では、治療費だけでなく仕事を休んだ期間の生活費が負担になる場合があります。そのような場合は、がん診断一時金などを追加して備える方法もあります。

特約を追加すると保障範囲は広がりますが、その分保険料も増えます。20代では保険料が負担に感じやすいケースも多いため、自分が必要とする保障かどうかを確認して選びましょう

女性特有の疾病に備える上乗せ保障については、以下で詳しく解説します。
【2026最新】女性医療保険とは?普通の医療保険との違いや保障内容、選び方のポイントを徹底解説

一方で、長期間働けないことによる収入減少は医療保険だけでは十分に補えない場合があります。その場合は、就業不能保険など別の保障も含めて検討します。

就業不能保険の必要性や選び方については以下の記事で詳しく解説しています。
就業不能保険とは?仕組み・必要性の判断基準と後悔しない選び方を徹底解説

医療保険に加入する前に確認したいポイント

医療保険に加入する前には、勤務先に備わっている保障や健康状態を確認し、必要な保障を整理します

医療保険加入時に確認するポイント
  • 勤務先の団体保険や共済の保障内容を確認する
  • 健康状態や過去の病歴を整理して告知内容を確認する
  • 結婚・出産・転職など今後の生活変化を考慮する

すでに勤務先での保障が備わっている場合は、必要以上の保障となってしまうことがあります。個人で加入する医療保険と保障内容が重複していないか確認しましょう。

また、持病や既往症がある場合は、条件付きでの加入や希望する保障内容で加入できない場合があることにも注意が必要です。

20代は結婚・出産・転職などで生活環境が変わりやすい年代です。家族構成や働き方が変わると必要な保障も変化するため、将来の変化も踏まえて保障内容を選びましょう

20代の医療保険選びのまとめ

20代の医療保険は、現在必要な保障と将来的な保障の変化を踏まえて、保障内容を決めましょう

働き方に応じて、入院時の自己負担額や仕事を休んだ場合の収入への影響を確認して判断します。

貯蓄で医療費や生活費に対応できる場合は加入の優先度が下がる一方、自営業・フリーランスで傷病手当金の対象外である場合や、急な支出への備えが不足している場合は、医療保険を選択肢に入れる必要があります。

加入する場合は、保障額・保障期間・特約の内容を確認し、現在の状況に必要な保障を選びましょう。

20代の医療保険についてよくある質問

医療保険は掛け捨て型と貯蓄型のどちらを選べばよいですか。

掛け捨て型は保険料を抑えやすく、保障に特化したい人に向いています。

貯蓄型は保険料が高めになる一方、解約時に返戻金を受け取れる場合があります。

20代で最低限の入院保障を優先したい場合は掛け捨て型、貯蓄性も重視したい場合は貯蓄型という選び方が一般的です。どちらが適しているかは、保険料負担と貯蓄の目的によって変わります。

高額療養費制度を使えば、医療保険に入る必要はないですか?

高額療養費制度は1か月あたりの医療費の自己負担に上限を設ける制度ですが、差額ベッド代や食事代、入院中の収入減少分までは対象になりません。

そのため、高額療養費制度だけで入院に伴うすべての費用をまかなえるとは限らず、医療保険の必要性を判断する材料の一つとして考えることをおすすめします。

傷病手当金があれば、就業不能への備えは十分ですか。

傷病手当金は会社員・公務員が対象で、標準報酬日額のおよそ3分の2が通算して1年6か月支給される制度です。

ただし、支給額は給与の全額ではないため、収入と支出の差が生じる場合があります。また、自営業・フリーランスは傷病手当金を原則利用できないため、就業不能保険などの別の備えを検討するとよいでしょう。

20代は定期保険型と終身型のどちらを選ぶべきですか。

保険料を抑えて特定の時期だけ手厚くしたい場合は定期保険型、一定の保険料のまま生涯保障を持ち続けたい場合は終身型が候補になります。

ライフイベントの予定や貯蓄状況に応じて選ぶことがポイントです。

親が契約してくれた保険に入っている場合、自分で加入する必要はありますか。

まず契約内容を確認することから始めます。

確認したいのは、保障の対象が入院・手術を含むものか、保険期間がいつまでか、保険料を誰が負担しているか、契約者と受取人が誰になっているかの4点です。保障が満期で終わるものであれば、その後に自分で備える必要が生じます。

就職や独立で家計が分かれる時期は、契約者の名義変更や保険料の引き継ぎを含めて、親と内容を確認しておくことをおすすめします。

出典・参考サイト一覧

  1. 全国健康保険協会(協会けんぽ):傷病手当金の制度解説(2026年8月5日確認)https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/injury_and_sickness_allowance/index.html ↩︎
  2. 生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」(2026年1月発行)第Ⅱ章 2-16「疾病入院給付金の有無(全生保)」20代40.5%。調査一覧ページ:(2026年8月5日確認)https://www.jili.or.jp/research/chousa/10349.html ↩︎
  3. 公益財団法人 生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」(2026年1月発行)第Ⅱ章「医療保障」図表Ⅱ-8「直近の入院時の入院日数〔年齢別〕」(PDF59ページ)および図表Ⅱ-13「直近の入院時の自己負担費用〔年齢別〕」(PDF64ページ)。(2026年8月5日確認)https://www.jili.or.jp/files/research/chousa/pdf/r7/2025honshi_all-.pdf ↩︎
  4. 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html(2026年8月4日確認) ↩︎
  5. 公益財団法人 生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」(2026年1月発行)第Ⅱ章「医療保障」図表Ⅱ-8「直近の入院時の入院日数〔年齢別〕」(PDF59ページ)および図表Ⅱ-13「直近の入院時の自己負担費用〔年齢別〕」(PDF64ページ)。(2026年8月5日確認)https://www.jili.or.jp/files/research/chousa/pdf/r7/2025honshi_all-.pdf ↩︎

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この記事を書いた人

保険相談Times(株式会社インシュアランスブレーン)では、海外旅行保険(留学・ワーホリ・駐在・海外長期渡航など)・火災保険・法人損保、生命保険に関するお問い合わせを日々多数いただいています。その中で、お客様からのご質問・やり取りの中から「この情報は保険加入前に知っておいた方がいいな」といった内容を記事にまとめて保険の選び方を発信しています。
スタッフの詳細なご紹介:https://hokentimes.com/oversea/staff

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