50代になると、子どもの独立や住宅ローンの返済、老後資金の本格的な備えなど、生活環境が変化する時期です。
子どもがすでに独立していれば、将来の家族の生活費に大きく備える必要性は下がります。一方で、子どもがまだ在学中であれば教育費への備えが残り、配偶者の生活費や葬儀費用も世帯によって必要額が変わります。
この記事では、世帯タイプごとに50代におすすめの生命保険について解説します。
50代が備えるべきリスクと生命保険の必要性
50代で生命保険を検討する場合に、優先的に備えるべき費用は
- 子どもが独立するまでの生活費や教育費
- 配偶者の生活費
- 葬儀費用や身辺整理費用
などが挙げられます。
また実際に必要な生命保険を絞りこむためには、世帯タイプによって次のように変わります。
| 世帯タイプ | 子どもがいる世帯 | 子どもが独立した夫婦 | 子どもがいない夫婦 | 独身 |
|---|---|---|---|---|
| 生命保険の優先度 | 高 | 中 | 中 | 小 |
| 主なリスク | 子どもが自立するまでの教育費と生活費、配偶者の生活費 | 配偶者の老後の生活費と整理資金 | 万一のときに残される配偶者の生活費 | 葬儀費用や身辺整理費用など、亡くなったあとに残る費用 |
| 優先して検討したい保険 | 収入保障保険や定期保険、終身保険 | 終身保険 | 終身保険、必要に応じて収入保障保険 | 葬儀費用程度の終身保険 |
| 詳しくみる | 詳しくみる | 詳しくみる | 詳しくみる |
子どもがいる家庭では、独立までの生活費や教育費への備えが必要になるため、死亡保障の必要性は高くなります。一方で、子どもが独立した家庭や独身の場合は、大きな死亡保障よりも、葬儀費用や整理資金など目的に合わせた備えを考えることが大切です。
また、50代では貯蓄や公的保障でカバーできる部分も確認し、不足する金額だけを生命保険で備えることが基本です。
50代の生命保険の加入率は?
生命保険文化センターの「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」では、生命保険の加入率は全体で80.0%となっています。
また、50代では男性84.7%、女性86.1%と男女ともに8割を超えており、生命保険への加入率が高い年代であることがわかります1。ここでいう生命保険には生命共済が含まれ、個人年金保険・グループ保険・財形は含みません。
ただし、加入率が高いからといって、すべての人に同じ保障が必要というわけではなく、自分の家族構成や生活状況に対して必要な保障を考えることが大切です。
50代が検討したい生命保険(死亡保険)の種類
生命保険(死亡保険)の種類の中で、50代が主に検討したいのは定期保険、終身保険、収入保障保険です。
| 種類 | 保障が続く期間 | 保険料の傾向 | 検討される場面 |
|---|---|---|---|
| 定期保険 | あらかじめ定められた保険期間 | 同じ死亡保険金額の終身保険と比べると契約時の保険料は抑えられる傾向 | 保障が必要な期間が限られている場合 |
| 終身保険 | 一生涯 | 同じ死亡保険金額の定期保険と比べると契約時の保険料は高くなる傾向 | 整理資金や相続時の資金を残したい場合 |
| 収入保障保険 | あらかじめ定められた保険期間 | 同じ契約当初の保障額の定期保険と比べると保険料は抑えられる傾向 | 遺族の生活費を毎月の形で補いたい場合 |
必要な保障額は、遺された家族に必要なお金から、公的保障で受け取れる見込み額と貯蓄を差し引いて求めます。
必要保障額 = 遺された家族に必要なお金 −(公的保障の見込み額 + 配偶者の収入 + 貯蓄)
【世帯タイプ別】50代におすすめな生命保険とは?
それでは世帯タイプごとに、具体的に必要な生命保険とは何かを深堀していきましょう。

子どもがいる50代世帯
子どもが自立するまでの期間に合わせた定期保険や収入保障保険、葬儀費用や身辺整理費用を目的とした終身保険

50代で子どもがまだ独立していない場合は、万が一の際に残された家族の生活費や教育費をどのように準備するかを考える必要があります。
一方で、子どもの独立までの期間は20代・30代に比べて短くなるケースが多いため、必要以上の保障を持つのではなく、独立までに必要な保障期間や保障額を準備することが大切です。
一定期間の備えという観点では、収入保障保険がおすすめです。
収入保障保険は、被保険者が亡くなった場合や保険会社所定の高度障害状態になった場合に、保険金を毎月の年金形式で受け取る保険です。子どもの独立までの万一の際の生活費を補いたい場合に検討されます。
また、まとまった教育費や必要資金を準備したい場合は、定期保険を活用する方法もあります。
終身保険は、葬儀費用や身辺整理費用など、一生涯必要になる可能性がある資金への備えとして考えられます。
- 子どもが独立するまでの生活費
- 高校・大学などの教育費
- 住居費
- 葬儀費用や整理資金
子どもが独立した50代夫婦
整理資金や相続時の資金を用意する目的の終身保険。加入中の定期保険や収入保障保険は減額や払済保険への変更も選択肢となる

子どもが独立した家庭では、これまで大きな割合を占めていた教育費や子どもの生活費への備えが不要になるため、必要な死亡保障は小さくなる可能性があります。
ただし、配偶者の生活費や葬儀費用など、引き続き備えが必要な費用もあります。
終身保険は、葬儀費用や整理資金などを一生涯準備したい場合に検討されます。
また、加入中の生命保険がある場合は、現在の生活状況に対して保障額が大きすぎないか確認することも大切です。
- 配偶者の老後の生活費
- 葬儀費用などの整理資金
子どもがいない50代夫婦
整理資金や相続時の資金には終身保険。配偶者が公的年金を受け取り始めるまでの期間に合わせた収入保障保険。

子どもがいない夫婦では、どちらが亡くなるかによって受け取れる公的保障が変わります。子のいない夫が遺族厚生年金を受け取れるのは55歳以上で亡くなられた場合に限られ、受給開始は原則60歳からです。一方、子のいない妻には、所定の要件を満たすと40歳から65歳になるまでの間、中高齢寡婦加算が遺族厚生年金に加算されます。
共働きで双方に安定した収入がある場合は、大きな死亡保障が必要ないケースもありますが、配偶者の収入状況によって必要な保障は変わります。夫婦のどちらに、どの期間の保障が必要なのかは、上記の違いを踏まえて検討してみてください。
- 配偶者が今後必要とする生活費
- 住居費
- 葬儀費用などの整理資金
50代独身の方
葬儀費用程度の終身保険。
親を経済的に支えている場合は支援が必要な期間に合わせた定期保険
50代独身で扶養している家族がいない方は、配偶者や子供がいる世帯と比べて大きな死亡保障を用意する必要性は低くなります。一方で、亡くなった後には葬儀費用や住まいの整理など、周囲の人が負担する費用が発生する可能性があります。
終身保険は保障が一生涯続くため、いつ亡くなった場合でも約款所定の条件のもとで死亡保険金が支払われます。葬儀費用や整理資金への備えとして検討されます。
ただし、貯蓄で準備できる場合は、保険料とのバランスを比較することも大切です。
- 葬儀費用
- 納骨やお墓にかかる費用
- 遺品整理と住まいの原状回復にかかる費用
- 親を経済的に支えている場合はその支援額
50代の生命保険の見直しと契約内容の確認方法
50代の生命保険は、年齢だけで判断するのではなく、家族構成や現在の生活状況に合わせて必要な保障を考えることが大切です。
- 万が一の場合に必要になる費用は何か
- いつまで保障が必要なのか
- 公的保障や貯蓄で不足する部分はいくらか
また、生命保険の見直しをする場合は、契約内容を把握しないまま新しい保険を検討すると、同じ保障が重複したり、必要な保障が抜けたりすることがあります。
保険証券や保険会社から毎年届く契約内容のお知らせで、次のポイントを確認し、重複がないようにしましょう。
- 保険の種類
- 死亡保険金額
- 保険期間
- 保険料
- 更新の有無と次回更新日
- 保険金の受取人
50代は老後資金の準備も重要な時期です。必要以上に大きな保障を持つのではなく、現在の家計に無理のない範囲で、必要な保障を備えることを意識しましょう。
50代の生命保険についてよくある質問
50代の生命保険についてよく寄せられる質問をまとめます。
- 58歳や59歳から新しく生命保険に入れますか。
-
加入できます。ただし選択肢は40代までより狭くなり、保険料も高くなる傾向があります。
保険料は年齢と性別、保障内容をもとに計算されるため、契約時の年齢が上がるほど同じ保障内容でも高くなるためです。加入できる年齢の上限は商品ごとに定められており、保険の種類や保障内容によって異なります。50代後半で検討する場合は、加入年齢の上限と保険期間の設定範囲を先に確認しておくと選択肢を絞りやすくなります。
- 持病があると50代から生命保険に入れませんか。
-
持病があっても加入できる可能性はあります。一般の生命保険が難しい場合は、告知項目を絞った引受基準緩和型や、告知が不要な無選択型が選択肢になります。
生命保険の加入には所定の告知が必要で、告知の内容によっては引受けを断られたり、保険料の割増や部位不担保などの条件が付いたりすることがあります。引受基準緩和型や無選択型は、同じ保障内容の一般の生命保険と比べて保険料が高く設定されています。また引受基準緩和型では、契約から所定の期間内は給付金が削減されることがあります。無選択型では、契約から所定の期間内に病気で亡くなった場合に、死亡保険金ではなく既に払い込んだ保険料相当額が支払われる商品が一般的です。条件は保険会社や商品によって異なるため、まずは一般の生命保険を契約できるかどうかを確認したうえで、契約前に保障が制限される期間と保険料の水準を確認してみてください。
- 50代は生命保険料を毎月いくらくらい払っていますか。
-
生命保険や個人年金保険に加入している人の年間払込保険料は、全体の平均で17.1万円です。月額にすると約1万4千円です。
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」(2025年度)による数値で、男性の平均は19.6万円、女性の平均は15.4万円です。56ただしこれは加入者全体の平均で、50代に限った金額ではありません。死亡保障だけでなく、医療保険やがん保険、個人年金保険の保険料も含まれています。自分に必要な保険料は、平均額ではなく、必要な保障額から検討しましょう。
- 50代の生命保険は掛け捨てと貯蓄型のどちらを選べばよいですか。
-
保障が必要な期間が決まっているなら掛け捨てにあたる定期保険や収入保障保険、一生涯にわたって残したいお金があるなら貯蓄型にあたる終身保険が向いています。
どちらが優れているという関係ではなく、備える目的が違います。同じ死亡保険金額で比べた場合、終身保険は解約返戻金がある分だけ契約時の保険料が高くなる傾向があります。50代は必要な保障額が下がりやすい時期のため、まず必要な保障額と保障が必要な期間を決め、そのうえで保険料の総額を見比べて選んでみてください。
- 50代で加入中の生命保険は見直したほうがよいですか。
-
見直しをおすすめします。20代や30代で加入した契約は、現在の家族構成に対して保障が過大または不足になっていることがあるためです。
とくに子どもが独立した世帯では、教育費を見込んだ大きな死亡保障が不要になっている場合があります。まず保険証券で、保険の種類・死亡保険金額・保険期間・保険料・更新の有無・受取人を確認してみてください。保障を減らしたい場合は、解約する前に減額や払済保険で対応できないかを保険会社に確認すると、保障を一部残したまま保険料を抑えられることがあります。
まとめ|50代の生命保険は世帯タイプと保障額から選ぶ
同じ50代でも、子どもがまだ独立していない世帯と、子どもが独立した世帯では、万が一の場合に必要となる費用は大きく異なるため、生命保険を見直すきっかけの世代になるでしょう。
生命保険を考えるときは、まず自分の世帯で必要になる費用を整理します。子どもの教育費や生活費、配偶者の生活費、住居費、葬儀費用や身辺整理費用のうち、自分の世帯に当てはまるものを書き出してみてください。これらを確認したうえで、公的保障や貯蓄で準備できる金額を差し引いた不足分を、生命保険で備えるのが基本です。
出典・参考サイト一覧
本記事で参照した資料は次のとおりです。
- 生命保険文化センター「生活保障に関する調査」2025(令和7)年度
https://www.jili.or.jp/research/report/chousa10th.html(取得日:2026年7月23日) ↩︎ - 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」(取得日:2026年7月23日)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/izokunenkin/jukyu-yoken/20150401-04.html ↩︎ - 生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査(速報版)」(取得日:2026年7月23日)
https://www.jili.or.jp/files/research/chousa/pdf/r7/seikatuhoshouchousa_2025sokuhouban.pdf ↩︎ - 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」(取得日:2026年7月23日)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/izokunenkin/jukyu-yoken/20150401-04.html ↩︎ - 生命保険文化センター「生活保障に関する調査」2025(令和7)年度(取得日:2026年7月23日)
https://www.jili.or.jp/research/report/chousa10th.html ↩︎ - 生命保険文化センター「生命保険の保険料は年間どれくらい払っている?」(取得日:2026年7月23日)
https://www.jili.or.jp/lifeplan/houseeconomy/847.html ↩︎
本コンテンツは情報の提供を目的としており、保険加入その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。
