火災保険

2020年も値上げ?火災保険の保険料が年々上昇する理由を解説

値上げ

新規で物件を購入したタイミング、賃貸で家を借りる際に日常生活の中で発生しうる大規模災害や地震のリスクをカバーする火災保険。2019年10月に火災保険が値上げされましたが、2021年1月に更に値上げされる見込みです。また、地震保険の保険料も2019年1月に改定されていますが更に保険料が上がる見込みとなっています。今回は、「なぜ火災保険はここまで継続的に値上げされるのか?」という点について解説させていただきます。

ココがポイント

  1. 火災保険料値上げの要因は近年発生した災害の影響を受けている。
  2. 参考純率以上の値上げが保険会社ごとの保険料に反映されることも。
  3. 新規契約と更新前見直しは2020年10月および2021年1月の保険料値上げ前にしよう。


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災害データに基づいて決められる火災保険料の値上げ

値上げとなった背景には、タイミングにあります。2019年10月の値上げは2016年までの自然災害のデータによるものですが、その後の2017年と2018年にも大きな自然災害が新たに起こりました。2021年の値上げはこの部分のデータが反映されています。特に2018年は大阪に甚大な被害をもたらした台風21号もあり、合計で1兆5695億円もの保険金の支払いがありました。これは調査が始まった1970年以降で最大の金額となり、それまで最大の額と言われた2004年の約7400億円の2倍以上になります。

このように巨額な保険金の支払いの影響があると参考純率は引き上げられます。各保険会社が保険料に反映する時期は未定ですが、同じ2021年1月が目処と言われています。2019年度も台風19号の大きな被害があったため、また値上げがあると予測されます。

水害に見舞われた2018年

自然災害を原因とする火災保険の保険金支払金額は2011年以降、2000年代を大きく上回る状態が続いています。特に2018年は西日本を中心に台風や豪雨で広い範囲の地域が被災し、業界全体で1兆円を上回る支払保険金が見込まれています。

順位 災害名 主な罹災地域 支払い保険金
1 2018年9月 台風21号 大阪・京都 9,698億円
2 1991年9月 台風19号 全国 5,680億円
3 2004年9月   台風18号 全国 3,874億円
4 2014年2月 雪害 関東中心 3,224億円
5 1999年9月 台風18号 熊本・山口・広島 3,147億円
6 2018年10月   台風24号 東京・神奈川・静岡 2,868億円
7 2018年7月 中国四国豪雨 岡山・広島・愛媛 1,902億円
8 2015年8月 台風15号 全国 1,902億円
9 1998年9月 台風7号 近畿中心 1,599億円
10 2004年10月 台風23号 西日本 1,380億円

2019年秋に参考純率平均4.9%引き上げ

2019年10月30日、金融庁は損害保険料算出機構が提案した参考純率を平均4.9%引き上げる案に対して適合性審査結果通知を出しました。

参考純率とは

保険料率は上記のように純保険料率と付加保険料率の2つから成っていますが、参考純率とは純保険率の参考となる値です。各保険会社はこの参考純率をそのまま使う義務はありませんが、統計データをもとに算出しているため値上げの方向性は変わりません。値下げの部分もあり、水漏れやリスクが低い実態があり、築浅住宅を対象とした割引も導入され築年数5年未満は28%の割引、5年以上10年未満は20%の割引が導入されます。

構造・都道府県別値上げ率

実際の保険料設定は各保険会社の判断で決定されていますが、ここでは都市圏と改定率が最大もしくは最小となる都道府県の参考純率の改定率を紹介いたします。保険金額は建物2000万円、家財1000万円とした場合とします。築年数が浅い物件に関しては大きく保険料が減少している傾向である一方、築年数が古い物件は保険料が上昇傾向です。物件のリスクは築年数が古い物件の方が高くなりますので、リスクに応じて保険料が変動したと考えられます。

全築年数平均改定率

M構造改定率 T構造改定率 H構造改定率
三大都市圏 東京都 +1.4% +4.9% +0.1%
大阪府 +8.9% +16.6% +14.9%
愛知県 +4.2% +11.0% +10.9%
最大 熊本県 +24.1% +24.7% +31.3%
最小 静岡県 ▲3.8% ▲6.8% ▲15.9%

築5年未満改定率

M構造改定率 T構造改定率 H構造改定率
三大都市圏 東京都 ▲18.1% ▲8.7% ▲13.2%
大阪府 ▲13.1% +0.1% ▲2.0%
愛知県 ▲17.6% ▲3.4% ▲4.2%
最大 熊本県 +1.4% +10.2% +10.1%
最小 静岡県 ▲23.4% ▲19.2% ▲29.4%

築10年以上改定率

M構造改定率 T構造改定率 H構造改定率
三大都市圏 東京都 +6.3% +9.6% +1.9%
大阪府 +14.1% +21.7% +17.3%
愛知県 +9.2% +18.1% +15.4%
最大 熊本県 +30.3% +34.1% +35.0%
最小 静岡県 +0.8% ▲0.8% ▲13.9%

参考純率と保険会社ごとの値上げ率が大幅に違う理由

2019年5月、損害保険料率算出機構は参考純率を全国平均で5.5%引き上げました。引き上げ率が最も大きいのは鹿児島県で+40.1%です。しかしながら損害保険会社はこの改定に伴い、+50%~70%の保険料改定を実施したケースもあります。参考純率と保険会社の保険料の改定率に大きく差がありますが、これは保険会社は参考純率だけでなく、会社ごとの個別の状況(事業運営の経費、経営状況、価格戦略)も踏まえて改定を行なっているためです。

地震保険も基本料率5.1%引き上げに

火災保険でセットで加入する地震保険も2021年1月に値上げの予定です。割引適用前の基本料率が全国平均で5.1%引き上げられます。改定率は火災保険同様都道府県・構造区分によって異なり、最大引き上げ率は福島県のロ構造で+14.7%,最大引き下げ率は愛知県、三重県、和歌山県のイ構造で-18.1%です。

イ構造ー耐火建築物、準耐火建築物および省令準耐火建物

ロ構造ー木造などイ構造以外の建物

保険期間が2~5年の長期契約に適用される地震保険料の割引(長期係数)についても近年の金利状況を踏まえて見直されます。

段階的に実施された地震保険の基本料率改定(2017年値上げ例)

この基本料率は2017年に3段階に分けて変化しています。地震保険の保険料率は各種基礎データをもとに改定が必要と判断された場合に実施されますが、一度に値上げを実行してしまうと大幅な値上げになってしまうため3段階に分けて実行されました。

全国的には値上げとなりましたが、一方で保険料率が下がっているところもあります。改定は3段階で行われていますが1回目の段階で値下げとされたところは2回目の段階でも値下げされる傾向があります。例えば改定前と改定後で比べて、愛知県は16%保険料が値下がりしていますが、岩手県では2倍以上の保険料率となっています。

保険料を抑えるための値上げ前の長期契約

保険料改定日以降に契約した場合、その改定した保険料率が適用されます。一方で保険料改定前に契約を開始した場合更新日まで値上げの影響を受けることはできません。このため、改定前に出来るだけ長期で契約をすることで保険料改定の影響を受けずに契約することができます。

保険料値上げ対策のために保険を見直そう

すでに契約をしていている場合の方も、契約更新時期は値上げの影響を受けます。その際は下記の3つの方法で保険料を抑えることができるかもしれません。

ハザードマップを見て災害リスクを再評価する

新規契約時にハザードマップを見て水災補償をつけた人も多いかと思います。その際は更新時に再度ハザードマップを見て災害リスクを改めて確認してみることが大切です。水災リスク発生率が低い場合は水災補償を外したり、免責額を大きくすることで保険料を抑えることができます。

現契約の補償内容で削れるものはないか確認する

新規契約時、火災保険の中身が分かりにくく、勧められたまま加入された方もいらっしゃるかもしれません。マイホーム購入時など新生活を始める際は保険のことまで考得る余裕がなく、勧められたプランに加入してしまった、という方でも、更新を機に保険の内容を細かくチェックして。不要な補償などを外せば保険料を抑えることができます。

保険料が値上がりする前に切り替える

現契約の更新時期が値上げのタイミング直後という場合は値上げ前に解約して再度契約するという方法もあります。

まとめ

2018年は関西を中心に水害に見舞われたとしとなり、それが2021年の値上げにも影響しているようです。しかしまた2019年の台風21号の被害も甚大で、都市部ですら大雨の影響を受けました。また今後も値上げが予測される火災保険料。保険料値上げの背景を考慮しつつも自己負担は少なく加入できるようにしたいですね。

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保険Times Magazine編集部

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