・塗料の飛散事故が怖い。もしもの時に備えてどの保険に入ればいい?
・険料はいくらくらいかかるの?安く抑える方法は?
塗装業は、足場作業や塗料の飛散など、他業種に比べても第三者への損害リスクが高い仕事です。
万が一の事故が起きた際、保険に入っていなければ数百万円〜数千万円の賠償金で会社が倒産するリスクさえあります。
保険相談Times編集部この記事では、塗装業者が絶対に加入しておくべき「3つの損害保険」について、プロが分かりやすく解説します。
・塗装業に必要な3種類の損害保険(請負・PL・建設工事)
・保険が降りる事故・降りない事故の具体例
・失敗しない契約方法(年間包括 vs 個別契約)
個人事業主・一人親方の方も、現場での信頼を獲得し、安心して仕事に集中するためにぜひ参考にしてください。
塗装業者が加入すべき損害保険は大きく3つ


塗装業の方が加入を検討すべき損害保険は、主に以下の3種類です。
これらは「いつ発生した事故か」「何が壊れたか」によって役割が分かれています。
| 保険の種類 | 補償のタイミング | 主な役割 |
| ① 請負業者賠償責任保険 | 工事中・作業中 | 第三者へのケガ・モノの破損 |
| ② PL保険(生産物賠償) | 工事完了後・引き渡し後 | 施工ミスによる事後の損害 |
| ③ 建設工事保険 | 工事中 | 工事中の建物・資材の損害 |
それぞれの補償内容を詳しく見ていきましょう。
①請負業者賠償責任保険(工事中の対人・対物)
最も基本となる保険です。
塗装工事中の作業ミスや不注意によって、お客様や第三者にケガをさせたり、物を壊したりした時の賠償金をカバーします。
塗装業で最も多い「塗料の飛散事故」は、この保険で対応します。
- 足場から工具を落とし、通行人に怪我をさせた
- 養生が不十分で、近隣の車に塗料が付着した
- スプレー作業中に風で塗料が飛び、隣家の壁を汚した
※下請けとして現場に入る場合、元請けの保険が適用されるケースもありますが、「下請け自身の過失」による事故は元請けから求償(請求)されるリスクがあります。自社での加入は必須と言えます。
②PL保険(工事完了後の対人・対物)
PL保険(生産物賠償責任保険)は、工事が完了して引き渡した「後」に発生した事故を補償します。
- 施工した看板が、数ヶ月後に落下して通行人に当たった
- 防水塗装の施工ミスにより、引き渡し後に雨漏りが発生し家具が濡れた
「請負業者賠償責任保険」だけでは工事後のトラブルに対応できません。
セットで加入するのが一般的です。
③建設工事保険(資材・建物自体の損害)
上記2つは「他人(第三者)」への賠償ですが、建設工事保険は「自分の工事対象物(建物や資材)」を守る保険です。
- 工事中に火災が発生し、施工中の壁が燃えた
- 台風で足場が崩れ、建築中の建物が破損した
- 現場に置いていた高価な塗料や資材が盗難にあった
自然災害や盗難リスクに備えるために重要です。
【番外編】一人親方・経営者には「労災上乗せ保険」も必須
ここまで紹介した保険は「賠償(他人への補償)」ですが、「自分自身のケガ」は補償されません。
特に一人親方や経営者は国の労災保険1の対象外となることが基本ですが、「特別加入制度」を利用したり、民間保険会社の「労災上乗せ保険(業務災害補償保険)」に加入することで、現場での自身のケガや入院に備えることができます。


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塗装業の保険料はどう決まるのか?
塗装業の保険料には「定価」がありません。
同じ売上規模の塗装店であっても、作業内容や補償の選び方ひとつで、保険料が年間数万円で済むこともあれば、百万円以上になることもあるのが実情です。
なぜそこまで差が出るのでしょうか? 保険料を決定づける主な要因は以下の4つです。
① 「飛散事故」の補償限度額
塗装業の保険料を最も大きく左右するのが、この「塗料の飛散(オーバーミスト)」をいくらまで補償するかという設定です。
塗装業にとって飛散事故は最も頻度が高いリスクであるため、保険会社もシビアに料率を設定しています。
保険料が安いケース:飛散補償の上限を「1,000万円」程度に抑える、または免責金額(自己負担)を高めに設定する。
保険料が高いケース:マンションや駐車場隣接の現場に備えて、飛散補償も「1億円(または無制限)」に設定する。
※これをすると特約料が跳ね上がりますが、安心感は段違いです。
② 年間売上高(完工高)
建設業の保険の基本ですが、保険料は「売上高 × 保険料率」で計算されます。
請け負う現場の数が多ければ多いほど事故リスクは高まるため、売上が上がれば保険料も比例して高くなります。
③ 補償の「範囲」(PL・管理財物)
「作業中の対人・対物事故」以外をどこまでカバーするかで金額が変わります。
| 管理財物補償 | 「預かっている資材」や「塗装中の壁そのもの」を傷つけた場合の補償。 例:足場をぶつけて施工中のサイディングを割ってしまった等。 |
| 生産物賠償(PL) | 「引き渡し後」の事故補償。 例:施工ミスで雨漏りが発生し、家財が濡れた場合の損害など。 ※PLを外せば保険料は安くなりますが、塗装剥離や漏水リスクを考えると加入が推奨されます。 |
④ 過去の事故歴(損害率)
過去に保険を使って高額な保険金を受け取っている場合、更新時に保険料が割増になったり、最悪の場合は引き受けを拒否されたりすることがあります。
逆に、無事故を継続している事業者や、塗装工業会などの「団体制度」を利用できる場合は、割引が適用されて安くなるケースがあります。
【結論】「飛散補償」をどうするかで見積もりは激変する
塗装業の保険選びで失敗しないコツは、単に総額の安さを見るのではなく「飛散事故がちゃんと補償されるか」を確認することです。
ネット上の相場情報は「飛散補償なし(または少額)」のケースも混ざっているため、自社の現場環境に合わせた正確な金額を知るには、プロによる個別見積もりが不可欠です。
未加入は危険!塗装現場の事故リスクと保険加入のメリット
「うちは今まで事故がないから大丈夫」と考えていませんか?
しかし、塗装業は天候や風の影響を受けやすく、ベテラン職人でも予期せぬ事故を起こす可能性があります。
高額な賠償請求リスクを回避できる
・もし高級車にペンキを付着させてしまい、全塗装が必要になったら?
・通行人の衣服やブランドバッグを汚してしまったら?
小さなミスでも、被害額が数十万〜数百万円になることは珍しくありません。
保険に加入していれば、これらの賠償金や修理費用を保険金でカバーできるため、会社の資金ショートを防ぐことができます。
トラブル発生時に保険会社が示談交渉をサポート
事故が起きた際、最も精神的に負担となるのが「被害者との示談交渉」です。
「弁償しろ!」「慰謝料を払え!」と詰め寄られた際、自分たちだけで対応するのは困難です。
賠償責任保険(示談代行付き)に加入していれば、保険会社のプロが間に入って交渉を進めてくれるため、業務への支障を最小限に抑えられます。
元請けや顧客からの信頼獲得(加入証明書)
最近では、「賠償責任保険への加入」を現場入場の条件とする元請け会社やゼネコンが増えています。
保険に加入していれば「加入証明書」を発行できるため、取引先に対して「リスク管理ができている安全な業者」であることを証明でき、受注率アップにも繋がります。


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【ケース別】塗装工事で保険が適用される事故・されない事故
「どんな事故でも保険が出る」わけではありません。
塗装業でよくあるトラブルについて、保険適用の可否を整理しました。
| 事故・トラブル事例 | 適用の可否 | 解説 |
| 強風で養生が外れ、隣家の車に塗料がついた | ○ 適用 | 第三者の財物損壊にあたるため「請負業者賠償」の対象。 |
| 足場から工具を落とし、従業員が怪我をした | × 対象外 | 従業員は「第三者」ではないため賠償保険は対象外。「労災保険」の領域です。 |
| 塗り間違いがあり、塗り直しの費用がかかった | × 対象外 | 単なる作業のやり直し(仕事の目的物自体の損害)は対象外となることが一般的です。 |
| 工事後、雨漏りが発生し部屋の家財が濡れた | ○ 適用 | 引き渡し後の事故による「家財」への被害は「PL保険」の対象です。 |
※上記は一般的な例です。契約する保険会社の特約や約款によって詳細は異なります。
塗装業の保険を扱うおすすめ保険会社と選び方
塗装業向けの賠償責任保険は、国内の主要な損害保険会社であればほとんど取り扱っています。
東京海上日動:業界最大手。対応力に定評あり。
損保ジャパン:建設業向けプランが充実。
三井住友海上:ビジネスキーパーなどパッケージ商品が豊富。
AIG損保:海外での実績も多く、賠償系に強い。
ただし、同じ補償内容でも会社によって保険料が異なります。
1社だけで決めるのではなく、複数の保険会社の見積もりを比較することが、コスト削減の近道です。
失敗しない塗装業向け保険の選び方・契約ポイント
「年間包括契約」と「個別契約」どちらが得か?
保険の契約方式には2つのパターンがあります。
① 年間包括契約(おすすめ)


年間の売上高を申告し、1年間すべての工事をまとめて補償する方式。
② 個別スポット契約


工事の現場ごとに、その都度加入する方式。
継続的に仕事がある塗装業者や一人親方の場合は、手間とコストのバランスが良い「年間包括契約」が選ばれています。
補償限度額と免責金額のバランス
保険料を安くするために「免責金額(自己負担額)」を設定することができます。
例えば「免責3万円」に設定すると、10万円の事故が起きた場合、3万円は自腹、残りの7万円が保険金として支払われます。
免責を0円にすると安心ですが保険料は上がります。
「5万円以内の小傷なら自腹で直す」と割り切れるなら、免責金額を設定して保険料を下げるのが賢い選び方です。
塗装業の保険に関するよくある質問(FAQ)
- 協力会社(下請け)のミスも補償されますか?
-
契約内容によります。「発注者・元請負人特約」などが付帯されていれば、下請け業者が起こした事故も、元請けの保険でカバーできる場合があります。ただし、下請け業者自身が責任を問われることもあるため、それぞれで加入しておくのが原則です。
- 過去に事故を起こしていても加入できますか?
-
加入は可能です。ただし、過去の事故歴や保険金請求回数によっては、保険料が割増になったり、一部の補償が制限されたりする可能性があります。
- 申し込みから補償開始までどれくらいかかりますか?
-
通常は1週間程度かかりますが、ネット対応や代理店によっては「最短即日」で契約可能なケースもあります。現場入場が迫っている場合は、急ぎであることを伝えて相談しましょう。
まとめ:塗装業のリスクに備えて最適な保険を選ぼう
塗装業には、塗料の飛散や足場事故など、特有のリスクがつきまといます。
一瞬の事故で積み上げた信用や資産を失わないためにも、適切な保険加入は「経営者の義務」と言えます。
- 工事中は「請負業者賠償」、工事後は「PL保険」で備える
- 「年間包括契約」なら加入漏れがなく安心
- 保険加入は、元請けやお客様からの「信頼の証」になる
「自社の場合、保険料はいくらになるのか?」「どのプランが最適か?」を知りたい方は、まずは無料見積もりで相場を確認してみましょう。
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塗装業者が保険で後悔しないための相談先・サポート案内
ここまで、塗装業者に保険が必要か不要かなどについて説明しました。
しかし、いざ自分で選ぼうとすると「本当にこの選択で良いのか?」「保険に加入しないのはリスクが高すぎない?」と不安に思う方も多いはずです。
また、数ある保険会社の中から、自分ひとりで良いプランを探し出すのは大変な労力がかかります。



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