製造業が備えたい保険は、製品の事故に備えるPL保険(生産物賠償責任保険)を中心に、工場の火災保険、従業員の労災上乗せ保険、サイバー保険などです。部品や原材料を取引先に納める製造業では、PL保険で補償されない取引先の経済的な損失(性能不良や納期遅れによる損失)に備えるE&O保険もあわせて検討します。
工事保険Timesなら、国内主要保険会社のプランを比較・ご提案。業種や事業規模に併せて最適なPL保険プランをご提案いたします。お急ぎの場合は最短即日ご契約可能。
製造業のリスクと備える保険の一覧
| リスク | 起こりうること | 備える保険 |
|---|---|---|
| 製品 | 製品の欠陥で使った人がけがをした・物が壊れた | PL保険(輸出する製品は海外PL保険) |
| 製品 | 納めた部品が期待した性能を出さず、取引先の製品が作り直しになった | E&O保険(生産物品質保険など) |
| 製品 | 欠陥が見つかり、製品を回収することになった | リコール保険 |
| 工場・設備 | 火災や落雷、台風で工場や機械が壊れ、生産が止まった | 火災保険・機械保険・休業中の利益を補う補償 |
| 従業員 | 作業中に従業員がけがをした | 労災保険(国の制度)+労災上乗せ保険(会社が上乗せする補償) |
| 輸送 | 輸送中に製品や原材料が壊れた | 貨物保険(国内は内航、海外は外航) |
| 情報 | サイバー攻撃で生産システムが止まった・情報が漏れた | サイバー保険 |
PL保険とE&O保険の違い

製造物責任法が賠償の対象にするのは、製品の欠陥で他人の命・体・財産を傷つけた場合です[1]。PL保険はこの賠償に備える保険のため、人のけがや物の損壊を伴わない取引先の損失(作り直しの費用、生産のやり直し、納期の遅れで失った利益など)は対象外です。この損失に備えるのが、製造業向けのE&O保険(生産物品質保険など、保険会社によって名前が違います)です。
| PL保険 | E&O保険 | リコール保険 | |
|---|---|---|---|
| 事故の例 | 機械の安全装置の不具合で、使った人がけがをした | 納めた部品が仕様に合わず、取引先の出荷が止まった 納期に遅れ、取引先の生産が止まった | 欠陥が見つかり、出荷した製品を回収した |
| 必要性が高い事業者 | 消費者や作業者が使う製品を作る事業者 | 部品・原材料を取引先に納める事業者 | 出荷した製品の数が多く、回収の手間が大きい事業者 |
補償の範囲や商品名は保険会社によって違います。見積もりのときに、どの損失が補償されるかを確かめてください。
製造業者が賠償を求められた裁判の例
製造物責任法では、製品に欠陥があれば、製造業者は過失がなくても賠償の責任を負います[1]。消費者庁がまとめた裁判の例では、指や腕の切断、転落による骨折といった重いけがについて、製造業者の責任が判断されています[2]。
| 事故 | 裁判所の判断 |
|---|---|
| 工作機械で角材を切る作業中、回転中の丸のこ刃に触れて指を切断した(東京地裁 平成29年1月24日) | 安全防護装置を標準で備えていないことを欠陥と認めた |
| 折りたたみ足場台の上で作業中、脚が曲がって転落し、骨折した(京都地裁 平成18年11月30日) | 通常の使い方で脚が曲がったことから、納めた時点の不具合を推認し、欠陥を認めた |
| 飲料缶の選別機のローラーに巻き込まれ、腕を切断した(東京高裁 平成14年10月31日) | 機械の危険性の説明・警告が足りず、誤った使い方も予期できたとして欠陥を認めた |
| エスカレーターから転落した(東京高裁 平成26年1月29日) | ビルに設置されたエスカレーターも、組み込まれた部品も「製造物」にあたり、製造会社は部品の製造業者としても完成品の製造業者としても責任の対象になると判断した |
安全装置の有無といった設計だけでなく、危険性の説明や警告の不足も欠陥と判断される理由になります。完成品メーカーに部品を納める事業者も、自社の部品について責任を問われることがあります。

工事保険Timesなら、国内主要保険会社のプランを比較・ご提案。業種や事業規模に併せて最適なPL保険プランをご提案いたします。お急ぎの場合は最短即日ご契約可能。
製造業の保険に入る前に確かめること
- 誰に売るか:消費者や作業者が使う製品ならPL保険、部品・原材料を取引先に納めるならE&O保険もあわせて検討する
- 海外に出るか:輸出する製品や、取引先の製品に組み込まれて海外に行く部品は、海外PL保険で備える
- 取引先との契約:取引の契約書で、加入する保険の種類や、1事故あたりの支払限度額(保険金が支払われる上限)が決められていることがある
- 支払われるお金の範囲:賠償金のほかに、弁護士の報酬などの訴訟の費用が対象になるかを見積もりで確かめる
- まとめて入れる保険:PL・施設・請負などの賠償をまとめた事業者向けの総合保険とも比べる



まとめ:製造業はPL保険を中心に、E&O・リコール・設備の備えを組み合わせる
製造業の保険は、製品・工場・従業員・輸送・情報の5つのリスクごとに選びます。製品の不具合は、人のけがや物の損壊があればPL保険、なければE&O保険、回収の費用はリコール保険と、備える保険が分かれます。部品を納める事業者も製造物責任を問われることがあるため、PL保険を土台に、販売先や取引先との契約に合わせて補償を組み合わせてください。
製造業の保険の見積もり・相談先
御社の製品の一覧と販売先(消費者か取引先か・国内か海外か)、年間の売上高、取引先から求められている保険の条件を用意して相談すると、必要な保険の組み合わせと見積もりまで一度に進められます。
工事保険Timesなら、国内主要保険会社のプランを比較・ご提案。業種や事業規模に併せて最適なPL保険プランをご提案いたします。お急ぎの場合は最短即日ご契約可能。
出典
- e-Gov法令検索「製造物責任法」(2026年10月31日確認)
- 消費者庁「PL法論点別裁判例」(2026年10月31日確認)
本コンテンツは情報の提供を目的としており、保険加入その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

