「第二種電気工事士」「第一種電気工事士」「特殊電気工事資格者」など、電気工事従事者は工事の種類ごとに様々な国家資格や手続きが必要です。
工事の種類によって従事するための必要条件を設けているということは、電気工事はそれだけ危険性が伴う作業と捉えることもできます。
今回は、電気工事のリスクを踏まえた上で、加入しておいた方が良い保険の種類について解説していきます。
電気工事で想定されるトラブル・事故例
まずは、電気工事で起こりうるトラブル事例からみていきましょう。
電気工事は、重大な事故が発生しやすい工事の代表格といわれています。
そのため、経営者は電気工事で起こり得る様々なリスクに備えておくことが重要です。
エアコンの据付工事中に起こるトラブル
- 据付工事中、持ち上げていたエアコンを脚立の上から落としてしまい、エアコン本体と床を傷つけてしまった。
- エアコン室外機の据付工事中に、工具を落下させてしまい、近くに停めてあった車に傷をつけてしまった。
エアコンの据付工事は、電気工事の中でも依頼されることが多いと思います。
慣れている作業であっても、ちょっとした不注意や不慮のトラブルで第三者へ損害を与えてしまう可能性はありますよね。
この場合は、賠償責任保険へ加入しておくことで、損害賠償金などをカバーすることが出来ます。
電気設備工事中に従業員がケガ・死亡してしまった
- 電気配線の工事中に、誤って活線に触れ感電死してしまった
- 高所でアンテナ設置の作業をしていたところ、従業員が落下して大ケガを負ってしまった
電気工事では、なんといっても「感電」という最大のリスクが伴いますよね。
また、高所で長時間細かい作業が必要になることもあるため、大きなケガや事故に繋がりやすいです。
仕事中に従業員がケガや事故に遭った場合は、政府労災の補償対象になります。
工事の不備が原因で施工後に漏電事故が起きた
- エアコン据付工事後、依頼主から漏水・漏電の報告が届いた
- 配線ミスにより、漏電してしまい家が火事になってしまった
施工が完了し、依頼主へ引き渡した後に設置ミスや配線ミスが発覚するケースです。
施工ミスで損害賠償を請求された場合、請負業者はPL法に基づいて支払いに応じる必要が出てきます。
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電気工事に必要な保険は主に3種類
続いて、電気工事に従事する際、加入しておくと安心な保険についてご紹介してきます。
- 資材類の損害に備える保険
- 第三者への賠償責任に備える保険
- 従業員のケガ・事故に備える保険
上記の保険に加入していなくても、電気工事を請け負うことは可能です。
しかし、もし施工ミスや工事中の事故で損害を出してしまった場合、高額な賠償金が発生するというリスクがあります。
また、保険に加入してしっかりとリスクに備えている事業主は、従業員にとっても依頼者にとっても安心できるポイントです。
自社が請け負う工事にはどのようなリスクが想定できるのか把握し、適切な保険への加入を検討していきましょう。
①資材類の損害に備える保険
工事で使用する機械や資材など、自社が保有する物に対する保険です。
組立保険
組立保険は、工事の目的物や工事に必要で持ち込んだ什器や備品に対して掛ける保険です。
火災によって資材が焼失してしまった、盗難被害に遭ったなど、不測の事態が起きた際の損害金をカバーできます。
「事故が発生する前の状態に戻す費用」「損害の拡大を防止・軽減するためにかかった費用」が保険金として受け取れるため、経済面で大きな安心材料になります。
また、組立保険はオプションで「損害にあった物を撤去するためにかかった費用」「片付け・搬出費用」などを補償する特約をつけることもできます。(※詳細は保険会社によって異なる。)
②第三者への賠償責任に備える保険
電気工事では、第三者への賠償責任に備える保険も加入しておいた方が安心です。
「第三者」には、例えば工事現場周辺を歩いている通行人などが該当します。
請負業者賠償責任保険
【保険の対象になる事故例】
・高所で電気設備工事中に、足場にしていた資材が落下して通行人にケガを負わせてしまった
・室外で作業中、近くに停めてあった車に傷をつけてしまった
など。
請負業者賠償責任保険は、工事中、他人に損害を与えてしまった場合の賠償金を補償する保険です。
「被害者への損害賠償金」「損害防止費用」「緊急措置費用」「争訟費用」などが保険金として受け取れます。
尚、請負業者賠償責任保険に関しては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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PL保険(生産物賠償責任保険)
【保険の対象になる事故例】
・配線工事に不備があり、施工完了後に漏電が発生。依頼主宅が全焼してしまった
・エアコンの設置ミスで、排水口から水漏れが発生して床や家具などを汚してしまった
PL保険(生産物賠償責任保険)は、工事が完了した後に起こる損害賠償を補償する保険です。
主に、工事に起因する事故や賠償責任が対象になります。
「被害者への損害賠償金」「損害防止費用」「緊急措置費用」「争訟費用」などが保険金として受け取れます。
ただし、事故発生前の状態に戻す修繕費用などは補償対象外です。
PL保険に関する詳しい情報は、以下の記事も参考にしてみてください。
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③従業員のケガ・事故に備える保険
従業員を雇っている事業主は、政府が運営している政府労災保険へ加入する義務がありますよね。
作業中のケガや、死亡事故が発生した場合、会社側は従業員やその家族から賠償責任を問われる可能性が高いです。
もちろん、労災認定がおりれば政府労災から補償金が出ます。
しかし、政府が運営している労災保険は保険額が少額で、実際に必要な補償額をカバーしきれないケースが増えているのです。
そのため、事故リスクが高い電気工事を請け負う業者では、政府労災とは別に民間の労災保険に加入していた方が安心といえます。
労災上乗せ保険
労災上乗せ保険の対象者は、事故に遭った従業員です。
労災上乗せ保険には、大きく分けて2つの補償内容があります。
- 法定外補償保険|政府労災に、治療費などを上乗せできる
- 使用者賠償責任保険|従業員から損害賠償請求された場合の訴訟費用などをカバーできる
法定外補償保険には、従業員への福利厚生を手厚くできるというメリットがあり、使用者賠償責任保険には会社側の賠償リスクに備えられるというメリットがあります。
労災上乗せ保険に加入しておけば、アルバイトやパート、派遣、個人事業主に関わらず、指揮監督下で働く人は全員保険の対象になります。
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電気工事の保険は個人事業主・一人親方でも加入できる?
基本的に、電気工事に関する保険は法人・個人事業主が加入対象になっている商品です。
一人親方も個人事業主に該当するため、民間保険会社が販売している工事関連の保険に加入することが出来ます。
尚、電気工事を請け負う個人事業主の方が保険加入を検討する際は、補償範囲に注意してください。
個人事業主の場合、請け負う工事の種類は限られていると思います。
不要な補償を付けてしまうとムダな保険料を払うことになるので、請け負っている工事のリスクをきちんと把握して適切な補償を選択してください。
電気工事の保険に加入する方法は2パターンある
電気工事の保険に加入する方法は、主に2つのパターンがあります。
- 各都道府県に存在する団体組織の組合員になって、団体割で保険に加入する
- 自分で保険会社を探し、請け負う工事の種類にコミットした保険に加入する
団体組織の組合員になれば、団体割で保険に加入することが可能です。しかし、組合員になるためには加入費等が必要になります。
一方、自分で保険会社を探して加入する場合は、保険選びが大変かもしれませんが、支払うのは保険料のみ。
どちらもメリット、デメリットがあるので、自社の事業形態に合っている方法を選んでください。
おすすめの保険会社
尚、工事に関する保険商品は、ほとんどの保険会社で取り扱っています。
東京海上日動火災保険、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保、損保ジャパンなど。
上記の保険会社では、電気工事のリスクに備えられる基本的な補償内容は同じです。
ただし、細かい補償範囲や、付帯できる特約補償などは各社異なります。
補償内容を比較し、自社が請け負う電気工事に備えられる保険をしっかり吟味してください。
「保険のプロに意見を聞いた上で加入先を決めたい」
「見積もりを知りたいけど、保険会社に直接問い合わせたら加入しなきゃいけなくなりそう」
などの悩みがある方は、工事保険Timesへお気軽にご相談ください。
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まとめ
今回は、電気工事における事故リスクと、備えておきたい保険の種類についてご紹介してきました。
- 組立保険|工事の目的物に対する補償
- 損害賠償責任保険|第三者への損害賠償責任に対する補償
- 労災上乗せ保険|従業員のケガ・事故に対する補償
電気工事の種類によってリスクは異なりますが、少なくとも「損害賠償責任保険」「労災上乗せ保険」の2つは加入の検討をおすすめします。
請け負う電気工事のリスクを把握して備えておくことは、従業員にとっても依頼者にとっても「安心して任せられる」という高評価ポイントにつながります。
また、保険は万が一の時に会社を救うものです。
安心して従事するためにも、自社のリスクに備えた保険へ加入しておきましょう。
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本コンテンツは情報の提供を目的としており、保険加入その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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