フィリピンは、近年格安で英語を学べるということで留学先として人気が高まっています。
フィリピンといえば発展途上国のため、怪我をした場合の医療費は当然安いのではないかと思われている方も多いでしょう。
しかし、保険会社への保険料請求事例では500万円を超えるような高額請求も発生していますので、決して医療費が安いとはいえません。
それでは、フィリピンの医療費事情をまとめましてので、みていきましょう。
フィリピン留学保険の3つのポイント
・フィリピンは、医療費は他の国に比べると安め。ただ、治安や衛生状態の悪い国のため病院へ行かないといけなくなる確率は高いことが想定されます。
・クレジットカード付帯保険で留学することのリスクは、補償が足りない、キャッシュレスが対応できないなどのトラブルが発生する可能性があります。
・留学保険検討の際は、自身の健康状態などを加味しながら必要な補償をカスタマイズしていきましょう。
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フィリピンの医療水準
フィリピン東南アジアに位置するため、年間を通じて高温多湿の気候となります。
1年を通して日本のように四季があるわけではないですが、3つの気候に季節分けされています。
- 比較的雨の少ない乾期(12月から2月)
- 厳しい暑さが続く暑期(3月から5月)
- 蒸し暑くなる雨期(6月から11月)
毎年デング熱の流行も発生していたり、フィリピンの国土を構成する7,000の島それぞれで流行する疾病が異なるなど気候や地域にによって状況が異なります。
医療水準としては、都市部の方が近代的な私立病院が多いため高度な医療サービスを受けることができます。
しかし、地方だと医療施設の老朽化も進んでいるため、安心できるような医療水準には達していない1のが現状です。
フィリピンの医療事情
フィリピンというと、貧富の差が大きい、アジアの発展途上国というイメージがあるでしょう。
フィリピンに実際留学する際、現地でもし病院に通院することになったらどういった水準の治療が受けられるのかは皆さん気になる点だと思います。
まずはフィリピンの医療事情から見ていきましょう。
フィリピンでの医療機関の選択
日本人が通院しうるに耐える私立病院の多くでは、救急部(医師・看護師)と病棟(看護師)・検査部(含むX線)を備えており、これらの部門の職員は病院に帰属しています。
フィリピンでは、一般的に“オープンシステム”という仕組みをとっており、総合病院の中でそれぞれの医師が独立開業し、病院内の検査施設や入院部屋を共有するシステムを取っています。
ほとんどの病院では、私立の総合病院の近くに医師が個人でクリニックを開業しているため、クリニックと検査室は別棟にあったりするため病院内の構造は少し複雑になっています。
日本人がフィリピンで治療を受ける場合、日本人医師が常駐している日本人向け病院や、外国人向けの病院も存在するため、安心して治療を受けることが可能です。
ただ、渡航先の語学学校や大学の近くに日本人病院があるかは事前に確認が必要です。
外国人の対応に慣れている病院だと、保険の手続きなどもスムーズに行うことができますので渡航前に近くの病院の場所などは確認しておきたいですね。
フィリピンでの医療費の支払い
オープンシステムを取っているため、治療を受けた医師への支払いと、施設の利用料を別々に支払う必要があります。
検査をする場合は、各検査ごとの支払いをしないと検査を受けることができません。
フィリピンでの薬の購入
診療・病院などは、原則医薬分業です。
薬局は多く存在し、処方箋に指示された薬を購入することが出来ます。
フィリピンでかかりやすい病気
現地でかかりやすい病気を把握しておくことで、ある程度の予防策を取ることができます。
ここではフィリピンでかかりやすい病気について説明しますので渡航される方はぜひご一読の上予防に役立ててくださいね。
フィリピンの主要疾患上位は、感染症です。
日本とは水質など衛生面で異なる点が多いので、生水や不衛生な屋台の食べ物を通して体内に最近が入って感染することが多いです。
デング熱
デングウイルスを保有する蚊に刺されると感染します。
潜伏期間は約4〜7日程度で、主な症状は突然の高熱、頭痛、関節痛、発疹。
1週間から10日程度の入院が必要となるため、留学スケジュールに影響を与えることも。
予防策は、蚊に刺されないために肌の露出を控えた格好をして、虫除けを使用すること。
麻疹
ウイルス性の全身感染症で、感染すると肺炎や脳炎などの合併症を引き起こすこともある。
予防策はワクチン接種。
日本ではほとんどの人が幼少期に予防接種を受けていますが、1990年4月1日以前に生まれた人は予防接種を一回のみ、もしくは一度も受けていない人もいるので要注意です。
また、予防接種は海外旅行保険では免責となっているため、必ず渡航前に受けてくださいね。
食中毒
フィリピンで最も多く見られる疾患で、主に細菌やウイルスに汚染された飲食物を摂取することで発症します。
主な症状は腹痛、嘔吐、下痢。
ショッピングモールにある一般的なレストランや語学学校の食堂では特に心配する必要はありませんが、屋台や食堂などでは生水を飲まない、火の通ってない料理を食べないなど対策が必要です。
また、フィリピンに限らず食事前には手を洗うことを徹底しましょう。
マラリア
マラリア原虫を有する蚊に刺されることで感染します。
潜伏期間は2週間程度で、主な症状はデング熱と似て高熱や頭痛、関節痛。
ここ数年セブ島では発生例が報告されていませんが、パワラン島などのリゾート地では感染が確認されていますので、滞在中にフィリピン国内各国を回る予定のある方は注意が必要です。
A型肝炎
感染者の排泄物で汚染された飲食物で感染します。
主な症状は発熱、全身倦怠感、食欲不振。
予防策は食中毒と同様で、不衛生な環境での食事を避けて食前の手洗いは徹底しましょう。
狂犬病
セブの街では、路上でのんびりしている犬を見かけることがありますが、可愛いからといってむやみに近寄ると噛まれて狂犬病になる恐れがあります。
犬だけでなく、コウモリ、ネズミに噛まれた場合でも狂犬病のリスクがあるので注意しましょう。
もし噛まれてしまったら、たとえ浅い傷でもすぐに石鹸水で傷口を洗いましょう。
国内で狂犬病予防接種を受けて渡航することをおすすめします。
上記のように、衛生状態に関連する病気に感染することが多いようですが、大気汚染による健康被害にも気をつけましょう。
フィリピンでは最近まで有鉛ガソリンが流通していたため、大気中の鉛濃度が極めて高い状況にあります。
外出時にマスクをするなどして、喘息や肺炎の予防も行いましょう。
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フィリピンの医療費って高いの?
フィリピンは、国民所得は低いのですが物価が高額な国です。
特に、食品と薬品は物価の変動が大きいにもかかわらず、公的医療保険制度が不十分なため診療費や薬代は全額自己負担のため、通院・入院の治療費や処方薬代はもちろん、市販の薬を買うことさえ、現地の人には難しくなっています。
そのため、あえて病院には行かず自分自身で解決しようとするものの、病気が重症化したりするケースがあとをたちません。
フィリピンで盲腸に感染した場合の治療費
日本の盲腸に感染した場合の治療費は、健康保険に加入していない10割負担の場合の費用を記載しています。
一般的には医療費は3割負担ですので、日本で治療を受ける場合は20万円となります。
フィリピンと比較すると、フィリピンの方が治療費は安い傾向にありますが、海外では健康保険を利用するにも非常に手間がかかりますので、単純比較すると日本で治療を受けるより高額な支払いとなる可能性が高いです。2
国名 | 日本 | フィリピン | アメリカ | 中国 | イギリス |
医療費 | 60万円 | 40万円 | 300万円 | 150万円 | 110万円 |
フィリピンで救急車を呼んだ場合の費用
海外では一般的に有料のケースが多いのですが、フィリピンで救急車を利用した場合は無料となっています。
国名 | 日本 | フィリピン | アメリカ | 中国 | イギリス |
救急車費用 | 無料 | 無料 | 8万円 | 3万円 | 無料 |
フィリピンの保険金請求事例
実際にフィリピンに渡航した方で保険を請求した方の支払い事例3をまとめました。
現地での入院や手術、家族の救援、医師や看護師が付き添いでの医療搬送などが高額支払い事例にあがっています。
こちらも一部を抜粋したものですので、現地での高額支払いリスクを回避する観点でも余裕を持った治療救援費用を設定しておきましょう。
国 | 事故事例 | 保険金 |
フィリピン | 頭痛を訴え意識を失う。くも膜下出血と診断され34日間入院・手術。 | 531万円 |
フィリピン | 大雨のため語学学校の敷地内で滑り転倒。恥骨下枝・寛骨臼骨折と診断され74日間入院。家族が駆けつける。 | 303万円 |
フィリピン | 胸の痛みを訴え受診。心筋梗塞と診断され22日間入院・手術。家族が駆けつける。 | 406万円 |
フィリピン | 風邪の症状を訴え受診。敗血症・心筋症と診断され14日間入院。家族が駆けつける。 | 345万円 |
フィリピン | マニラ空港で吐血し意識を失う。食道静脈瘤破裂と診断され10日間入院。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。 | 300万円 |
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クレジットカードの付帯保険でフィリピン留学するのはあり?なし?
フィリピンへの留学を検討される方は、1週間などの短い期間から、1年や二カ国留学などの長期間の留学を検討される方まで幅広くいらっしゃるかと思います。
短期留学の方に関しては、クレジットカード付帯保険の適用期間が90日となりますので、3ヶ月未満の渡航の方はクレカ付帯の保険でもいいのではとお考えになられる方も海外保険Timesにも多くご相談をいただきます。
期間が短くなればなるほど、確かに事故発生率も低くなりますので、クレカの保険を使うリスクを考えて利用するようにしましょう。
長期滞在の方は、90日以降から留学保険に加入したいという要望を多くいただきますが、留学保険は出発日から家に帰る日までの加入が必要となります。
また、長期になればなるほど事故発生率や疾病率も上がりますので、留学保険を検討されるのが良いでしょう。
フィリピンの留学保険の選び方
フィリピンへ留学する際の保険選びの考え方としては、補償充実プラン、補償通常プラン、補償少ないプランの3つに切り分けてどこまでの補償を入れ込むか・削減するかを考えることが重要です。
ご自身の健康状態や渡航期間などを加味しながら、最終的にどのプランにすることがいいか決定していくプロセスがいいでしょう。
AIG損保に掲載のある海外で実際に多いトラブル上位4では、下記の3つが挙げられています。
1.健康にまつわるもの
2.手荷物にまつわるもの
3.航空機にまつわるもの
フィリピンへの留学保険のプランを選んでいく上でも、まずは上記の3トラブルを抑えつつ、その他の補償をどの程度つけるのか、削るのかを検討しておくのが良いでしょう。
フィリピン3ヶ月の留学保険プラン例
補償面 | Aプラン | Bプラン | Cプラン |
傷害死亡 | 1,000万円 | 1,000万円 | 1,000万円 |
傷害後遺障害 | 1,000万円 | 1,000万円 | 1,000万円 |
治療・救援費用 | 2,000万円 | 3,000万円 | 無制限 |
緊急歯科治療費用 | - | - | - |
疾病死亡 | 500万円 | 1,000万円 | 1,000万円 |
賠償責任 | 1億円 | 1億円 | 1億円 |
携行品損害 | - | 10万円 | - |
生活用動産 | 30万円 | - | 30万円 |
航空機寄託手荷物遅延等費用 | - | 3万円 | 10万円 |
航空機遅延 | - | あり | 2万円 |
テロ等対応費用 | - | - | - |
弁護士費用 | - | - | - |
保険料 | 50,620円 | 56,340円 | 58,520円 |
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フィリピン6ヶ月の留学保険プラン例
補償面 | Aプラン | Bプラン | Cプラン |
傷害死亡 | 1,000万円 | 1,000万円 | 1,000万円 |
傷害後遺障害 | 1,000万円 | 1,000万円 | 1,000万円 |
治療・救援費用 | 2,000万円 | 3,000万円 | 無制限 |
緊急歯科治療費用 | - | - | - |
疾病死亡 | 500万円 | 1,000万円 | 1,000万円 |
賠償責任 | 1億円 | 1億円 | 1億円 |
携行品損害 | - | 10万円 | - |
生活用動産 | 30万円 | - | 30万円 |
航空機寄託手荷物遅延等費用 | - | 3万円 | 10万円 |
航空機遅延 | - | あり | 2万円 |
テロ等対応費用 | - | - | - |
弁護士費用 | - | - | - |
保険料 | 110,690円 | 121,440円 | 127,870円 |
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フィリピン1年の留学保険プラン例
補償面 | Aプラン | Bプラン | Cプラン |
傷害死亡 | 1,000万円 | 1,000万円 | 1,000万円 |
傷害後遺障害 | 1,000万円 | 1,000万円 | 1,000万円 |
治療・救援費用 | 2,000万円 | 3,000万円 | 無制限 |
緊急歯科治療費用 | - | - | - |
疾病死亡 | 500万円 | 1,000万円 | 1,000万円 |
賠償責任 | 1億円 | 1億円 | 1億円 |
携行品損害 | - | 10万円 | - |
生活用動産 | 30万円 | - | 30万円 |
航空機寄託手荷物遅延等費用 | - | 3万円 | 10万円 |
航空機遅延 | - | あり | 2万円 |
テロ等対応費用 | - | - | - |
弁護士費用 | - | - | - |
保険料 | 213,970円 | 240,570円 | 247,260円 |
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フィリピン留学保険に最適な保険会社の選び方
AIG損保、ジェイアイ傷害火災、東京海上日動、三井住友海上など、海外留学保険を扱う会社は日本で多数あります。
各社扱う保険資料を集めてプランを探すのは非常に手間がかかるでしょう。
そんな時に利用したいのが保険代理店です。
複数社のプランや、その代理店独自のプランを扱っていたりするため保険探しに役立てたいサービスです。
どの保険会社が自分にとっていいか分からない、申し込みの手続きも手間をかけたくないと考える方は代理店を利用してみましょう。
海外保険Timesも海外留学保険の代理店のため、LINEでご相談・お見積もり・申し込みまでしていただけて、お忙しい方にはおすすめです。
留学保険加入のメリット
キャッシュレス対応ができる
日本で病院に行く際、医療費の3割負担なので治療を受けたら一定金額を支払うことが普通ですが、留学保険は治療を受けた金額全額を保険会社が病院に直接支払ってもらえます。
アメリカは、治療費用が高いため立替払いをすることがそもそも難しいくらいの金額を請求されるケースもあります。
高額な支払いをしなくて良いという点が、最も大きなメリットとなります。
フィリピンでキャッシュレス支払いが可能な病院は?
フィリピン渡航者に限った話ではありませんが、保険Timesにはよく「私が住む予定の住所の近くにはキャッシュレス提携病院はありますか?」というお問い合わせをいただきます。
その時は各社の提携病院一覧を見ていただく事が多いですが、ご覧になると、少ないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
フィリピンだと、マニラで1つの病院としかキャッシュレス提携していない保険会社もあります。
いくらサービスや補償内容が良くても、提携病院が少ない保険会社のプランに加入したら意味が無いのではと思われる方もいらっしゃるでしょう。
結論を言うと、提携をしているかしていないかでキャッシュレス対応が決まるということではありません。
病院側の事情もあり保険会社は全ての提携病院を載せていない場合もあり、病院にかかるためにサポートデスクに連絡をすると、対応していない病院でもキャッシュレスにしてもらえるように保険会社が交渉してくれるのです。
病院にかかる際は、まずサポートデスクに電話してキャッシュレス対応病院を紹介してもらうようにしましょう。
通院の際の医療通訳サポート
海外旅行保険では各社24時間日本語サポートのサービスがあり、病院にかかる際に通訳をつけることも可能です。
いくら英語が身についてきた時期であっても、慣れない土地の病院に行くということは非常に不安があります。
そこで病院にかかる際はまずはじめにサポートデスクに電話していただきますと、日本語対応のスタッフが近くのキャッシュレス対応病院を紹介してくれます。
通訳サポートがついていれば、医師が説明する治療内容をより正確に理解できるため安心を得ることができます。
申し込みが日本語でできる
前の項目と少し重なる部分がありますが、保険料を抑えるために現地の保険に加入しようとすると、現地の保険システムを英語で理解する必要性があり、なかなかハードルが高いのです。
日本の海外旅行保険に加入しておく方が、トラブル発生時に日本語で慌てず対処できるため安心です。
フィリピン留学する上で、注意しておきたいポイント
フィリピンでは、食生活の違いなどによる食あたりでの治療が非常に多くなっています。
自分は大丈夫だと過信していると、渡航後に病気にかかってしまい医療費の安い現地の人向けの病院や診療所に通って、治療内容は大丈夫かなとヒヤヒヤしなければならない事態に直面します。
現地で安心して治療を受けられるよう、事前に留学保険への加入をおすすめします。
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