一人親方は労働者ではないため、そのままでは政府の労災保険の対象になりません。仕事中のけがに備えるには、特別加入団体を通じて労災保険に「特別加入」します[1]。保険料は自分で選ぶ給付基礎日額で決まり、いちばん低い日額3,500円なら年2万1,709円、日額1万2,000円なら年7万4,460円です[2][3]。そのうえで、現場で他人に損害を与えたときの賠償や、労災で足りない休業中の収入は、民間の保険で備えます。

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一人親方が入るべき保険

このほか、病気やけがの医療費に備える健康保険は、国民健康保険か、建設業の同業者でつくる国民健康保険組合(建設国保)に入ります。老後の年金は国民年金です。
労災保険の特別加入の入り方と保険料
一人親方は、国から承認を受けた特別加入団体の構成員になり、その団体を通じて労災保険に特別加入します[1]。対象は、労働者を使わずに仕事をしている方で、労働者を使う日が年間100日未満の場合も含まれます[1]。元請けの現場の労災保険は、元請けが下請けの分もまとめて保険料を納めますが[4]、補償されるのは労働者で、一人親方ご本人は特別加入していなければ対象外です。
保険料は「給付基礎日額×365日×保険料率」で計算します。建設業の一人親方の保険料率は、2024年4月から1,000分の17です[3]。給付基礎日額は、ご自身の収入に合わせて3,500円から最大2万5,000円までの中から選べます[5]。
| 給付基礎日額 | 年間の保険料(12か月加入) |
|---|---|
| 3,500円 | 2万1,709円 |
| 5,000円 | 3万1,025円 |
| 1万円 | 6万2,050円 |
| 1万2,000円 | 7万4,460円 |
| 1万5,000円 | 9万3,075円 |
| 2万円 | 12万4,100円 |
| 2万5,000円 | 15万5,125円 |
保険料率1,000分の17で計算(給付基礎日額×365日の1,000円未満は切り捨て)[3]。日額1万2,000円の例は、岩手労働局の計算例と同じ金額です[2]。加入する団体や地域によって、選べる日額の下限が3,500円より高い場合があります。このほかに、加入する団体の入会金や会費がかかります。
特別加入をすると、仕事中や通勤中のけが・病気について、治療・休業・障害などの給付を受けられます[1]。休業したときの給付は、この給付基礎日額をもとに計算されます。日額を低くすると保険料は安くなりますが、けがで働けないときに受け取る額も少なくなります。
労災の特別加入だけでは足りない補償
他人に与えた損害の賠償:請負業者賠償責任保険
労災保険は、ご自身のけがへの補償です。工事中に資材を落として通行人にけがをさせた、施主の家の壁を壊したといった、他人に与えた損害の賠償は補償されません。こうした事故には、請負業者賠償責任保険で備えます。工事保険Timesの契約では、個人事業主の年間保険料の中央値は約7.0万円です(集計の条件は次の記事に記載)。

休業中の収入の上乗せ:民間の傷害保険・所得補償保険
労災の休業の給付だけでは、働けない間の収入をすべては埋められません。民間の傷害保険や所得補償保険、労災上乗せ保険には、労災の認定を待たずに保険金が支払われるものや、告知なしで入れる休業の補償もあります。

工事中の建物や資材の損害:工事保険
ご自身で工事を請け負う場合、工事中の建物や資材が台風・火災・盗難で壊れたときの修理費は、工事保険で備えます。


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一人親方の保険の選び方
- 元請けの条件を確かめる:現場に入るときに、労災の特別加入の証明書や、賠償責任保険の加入を求められるか
- 給付基礎日額を収入に合わせる:保険料だけで選ばず、働けなくなったときに必要な額から決める
- 賠償の支払限度額を決める:元請けの条件と、扱う工事の規模に合わせる
よくある質問(FAQ)
- 一人親方の労災保険は、どの団体がいちばん安いですか?
-
労災保険の保険料そのものは、国が決めた保険料率と、選んだ給付基礎日額で決まるため、どの団体で入っても同じです。団体によって違うのは、入会金や月会費・年会費、証明書の発行の早さなどです。
- 一人親方が入る建設国保の保険料はいくらですか?
-
建設国保(建設業の国民健康保険組合)の保険料は、組合や地域、家族の人数などで違います。加入を考えている組合の案内で、ご自身の条件の保険料を確かめてください。
まとめ:一人親方は労災の特別加入と賠償責任保険から
一人親方は、労災保険に特別加入しなければ、仕事中のけがの補償を受けられません。保険料は給付基礎日額で決まり、年約2.2万円(日額3,500円)からです。そのうえで、他人への賠償は請負業者賠償責任保険、休業中の収入の上乗せは民間の保険で備えます。元請けの条件を確かめ、日額と支払限度額を決めてから見積もりを取ってください。
一人親方の保険の見積もり・相談先
扱う工事の内容と年間の売上、元請けから求められている条件を用意して相談すると、賠償責任保険や上乗せの補償の見積もりまで一度に進められます。
保険相談Times編集部工事保険Timesでは、一人親方の方の工事の内容や元請けの条件をうかがって、賠償責任保険や上乗せの補償の見積もりをご案内しています。まずはお気軽にご相談ください。




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出典
- 厚生労働省「労災保険の特別加入制度の概要」(2026年10月29日確認)
- 岩手労働局「年度更新手続きのしおり(一人親方等・特定作業従事者団体用)」令和6年4月改定(2026年10月29日確認)
- 神奈川労働局「第2種特別加入保険料率(令和6年4月1日改定)」(2026年10月29日確認)
- 厚生労働省「建設の事業の労災保険料の算定方法」(2026年10月29日確認)
- 長崎労働局「特別加入者の給付基礎日額の選択の幅が広がります」(2026年10月29日確認)
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