留学ワーキングホリデーなどで海外長期滞在中に、日本にいる家族や親族が大きな事故に巻き込まれたり、突然病気で亡くなってしまうことは想像したくないですが、可能性としてゼロではないと思います。
もしそういった事態になってしまった時は、急遽日本へ一時帰国することになるでしょう。
その場合の往復の交通費などが海外旅行保険で補償されたら助かります。
今回は日本にいる家族や親族に、もしものことがあった時に補償してくれる「緊急一時帰国費用補償」について詳しく解説していきます。
・緊急一時帰国補償は家族や親族の身にもしものことがあった場合に急きょ日本へ帰国するために備える保険です。
・渡航先から日本に帰国する期限や、再び滞在先へ戻る期限が定められています
・補償対象となる費用や補償対象とならないケースを確認しておきましょう
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緊急一時帰国補償とは?
一般的に海外旅行保険は自分の身に何かあった場合に補償してくれる保険です。
例えば、自分が病気になった場合の治療費(治療救援費用)や自分の物が壊れた場合の修理費(携行品損害)があります。
しかし、緊急一時帰国補償は、皆様が海外に滞在中に、家族や親族の身に不幸があった場合に補償してくれる保険です。
事前に予定していた帰国ではなく、急きょ日本に帰国へ帰国しなければならなくなった場合、航空機代など予期せぬ出費が想定されます。
特に出発間際の航空券は一般的に値段が高く設定されています。
このような事態に備えるのが緊急一時帰国補償です。
緊急一時帰国補償の特徴について
緊急一時帰国補償の特徴は主に2つです。
オプションの特約
緊急一時帰国補償はオプションとして付帯するかどうかを選択できる特約です。
海外旅行保険の加入時に自分に見合った契約タイプを決めた後に、緊急一時帰国補償を付けるかどうかを選択する流れとなります。
オプションとして付帯する場合は別途保険料がかかりますが、オプションなので、付帯するかどうかを自由に選ぶことができます。
加入できるのは保険期間3か月以上の方
緊急一時帰国補償に加入できる方は保険期間3か月以上の海外旅行保険に加入している方のみです。
留学・ワーキングホリデー・駐在などで長期間海外に滞在する方限定の特約となります。
保険期間3か月以内の方は似たような特約で「旅行中断費用特約」「旅行変更費用特約」がありますので、そちらをご検討してみてください。
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緊急一時帰国補償の補償対象になる場合
緊急一時帰国補償はどんな状況でも補償対象となるわけではありません。
補償対象になる状況は決まっています。
補償対象になる条件
補償対象となる場合の条件は以下の2つです。
①配偶者または2親等内の親族が死亡・危篤状態になってしまった場合
②配偶者または2親等内の親族が搭乗する航空機や船が行方不明・遭難になった場合
2親等とは本人または配偶者から数えて二世を隔てた関係にある人です。
2親等内の親族で該当する人は、下記の通りです。
1親等:本人及び配偶者の両親、本人及び配偶者の子供
2親等:本人及び配偶者の祖父母、本人及び配偶者の兄弟姉妹、本人及び配偶者の孫
つまり、甥っ子姪っ子や叔父叔母は該当せず、甥っ子姪っ子や叔父叔母が死亡・危篤状態になった場合は、補償の対象とはなりません。
必要書類を提出する
また、保険金請求手続きをする場合、保険会社は補償対象の状況になったことが客観的に確認できる書類の提出を求めます。
死亡の場合は死亡診断書または死亡検案書、危篤の場合は危篤と証明する医師の診断書、行方不明・遭難の場合は公的機関(警察等)の事故証明書 などが一般的な提出書類になります。
緊急一時帰国補償の補償対象となる費用
急遽日本に一時帰国する場合だと、予想もしなかった費用がかかることもあります。
しかし、どんな費用でも補償の対象となるわけではありません。
補償対象となる費用
補償対象となる費用は以下の3つです。
- 一時帰国にするための往復の航空運賃等の交通費
- 一時帰国の行程および日本での宿泊施設等客室料※ただし14日分限度
- 通信費、渡航手続費および日本で支出した交通費
※②と③は合計で20万円限度
※治療のようなキャッシュレス対応はないので、一時的にご自身で費用を立て替える必要があります。
補償対象となる主な費用は帰国~再渡航の往復交通費、日本での宿泊費や交通費です。
急遽日本に帰るために必要になった日用品や洋服などは保険の対象外ですので注意が必要です。
また、補償対象となる費用については社会通念上妥当な費用が補償対象となるので、飛行機のビジネスクラスなどは補償の対象外もしくは、社会通念上妥当な費用としてエコノミークラスの費用分しか補償の対象になりませんので、注意してください。
保険金の限度額に注意
緊急一時帰国補償の保険金額(補償限度額)も注意が必要です。
緊急一時帰国費用は①②③の費用のみ補償対象です。
②③は合計で20万円ですので、保険金額(補償限度額)-20万円=①の補償限度額となります。
したがって、渡航される国や地域に見合った保険金額(補償限度額)を設定することがポイントになります。
例えば、日本に比較的近いアジア圏の場合、出発間際の航空券の値段が高いとはいえ、100万円はおそらくかからないでしょう。
このような考え方で、保険金額(補償限度額)をご自身の渡航条件に合わせて設定しないと無駄な保険料を支払うことになってしまいます。
保険会社によっては、推奨する保険金額(補償限度額)を記載していることもありますので、それらの情報を参考にしてもよいでしょう。(多くの場合は、アジア:40万円、北米・オセアニア:70万円、ヨーロッパ:100万円)
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緊急一時帰国補償の補償対象とならない場合
海外旅行保険に限らず度の保険も補償対象とならない場合を設けています。
緊急一時帰国補償も補償対象とならない場合があるのですが、覚えていただきたい項目が2つあります。
保険期間開始前にすでに死亡・危篤する原因が発生している場合
保険が始まる前にすでに家族は親族の具合が悪く、それが原因で渡航中に死亡・危篤になってしまった場合は、補償の対象となりません。
補償対象となる方が渡航前にすでに入院していた場合や治療を受けている病気が原因で死亡・危篤になった場合は補償の対象とならないので、覚えておきましょう。
同一の家族・親族について同じ理由により複数回一時帰国した場合
この場合は2回目以降の費用は補償の対象となりません。
ただし、例外として以下の状況であれば補償の対象となります。
・危篤で一時帰国し再び海外に戻った後、危篤となった人が死亡し一時帰国した場合は、別の原因とみなされるので、2回目の一時帰国も補償の対象となります。
・危篤で一時帰国し再び海外に戻った後、同じ人が再び危篤となったため一時帰国したところ、帰国後30日以内に危篤となった人が死亡した場合は、2回目の一時帰国も補償の対象となります。
緊急一時帰国補償の注意事項
緊急一時帰国補償の補償対象となる場合でポイントや注意事項は以下の2つです。
補償対象となるのは海外に滞在中に発生した場合のみ
補償対象となる条件が発生した時、ご自身が海外に滞在した場合のみ対象となります。
例えば、休暇などで日本に一時帰国中に親族が死亡し、いったん海外に戻った後その死亡した親族の葬儀や四十九日のため改めて日本に一時帰国したとしても補償の対象とはなりません。
あくまで海外に滞在中に補償対象となる条件が発生した場合のみ補償の対象となります。
帰国と再渡航の日数制限について
補償対象となる条件が発生した日から、10日以内に日本に帰国して、かつ帰国後30日以内に再び海外の滞在地に戻ることが補償対象となる条件となります。
例外として、例えば海外の僻地に滞在していて、交通事情で10日以内の帰国が極めて難しい場合や、一時帰国中にパスポートをなくしてしまい、再取得に時間を要する場合など、保険会社との要相談で期間を延長できる可能性はあります。
しかし、基本的には10日以内に帰国し、かつ帰国後30日以内に出国の条件に満たさなかった場合は補償の対象とはなりませんので、帰国と出国の日数制限についてはしっかり覚えておきましょう。
まとめ
緊急一時帰国補償は帰国~再渡航の日数の制限があることや、対象となる費用が限られているなど、少し使い勝手が悪いと思われている方もいるかもしれません。
しかし、いざ渡航中に家族や親族が死亡・危篤になった際に経済的に急きょ日本に帰国したくても帰国できない状況には絶対なりたくないですよね。
使用する機会がこないことが一番ですが、このような状況で役に立つのは緊急一時帰国補償です。
是非加入をご検討してみてはいかがでしょうか。
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