東南アジアに位置するカンボジア。カンボジアと聞くと、アンコールワットをイメージする方が多いのではないでしょうか。アンコールワットは世界遺産なので、一度は見てみたいと思いますよね。また、カンボジアは日本からのアクセスも良いため、学生にも人気の国となっています。
今回は、そんな魅力あふれるカンボジアに渡航する際に、必要となる海外旅行保険について解説していきます。さらに、海外旅行保険を選ぶにあたって、重要な情報であるカンボジアの治安や医療制度についても見ていきます。カンボジアへの渡航を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
1.カンボジアの治安状況は、外務省の警戒レベルは1となっており世界的に見ると治安は安定しています。ただ、観光地などでよく発生する軽犯罪は日常的に発生していますので携行品などには十分注意して渡航するようにしましょう。
2.カンボジアでは、プノンペンやシェムリアップなど日本人観光客の多い地域であれば日本人医師の在籍するクリニックはありますが、それ以外の地域では現地の病院に通院することになります。医療レベルはそこまで高くないため、難易度の高い手術などはバンコクやシンガポールに搬送されて治療を受けることとなり、治療費用が高額になる傾向です。
3.カンボジアへの海外旅行保険を選ぶ上で、自身の健康状態や携行品の量などによって選ぶべきプランが異なります。プラン選びに悩む場合は海外旅行保険のアドバイザーに相談するようにしましょう。
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カンボジアへ渡航する目的や期間によって選ぶべき保険は異なる
海外旅行に行く際は、ほとんどの方が保険に加入するでしょう。しかし、カンボジアへ渡航する際に必要となる海外旅行保険は、渡航目的や滞在期間によって、適しているものが異なります。たとえば、2泊3日や1週間程度の短期旅行であれば、最低限の補償が付いている保険で足りるケースが多いです。ですが、留学やインターンシップ、そして駐在など、長期間滞在する場合は、それぞれの渡航形態に合わせた保険が必要になります。短期旅行でも、医療費や携帯品損害費の保険額が高い方が安心して旅行できますが、長期滞在の場合は、短期旅行と比べて、さまざまなリスクが高まるので、より手厚い保険を選ぶべきです。
そのため、ご自身の渡航目的と滞在期間に適切な海外旅行保険に加入してください。
今回は、短期~中期間カンボジアに渡航する際に、必要となる海外旅行保険について解説していきます。
カンボジアの治安
海外旅行に行く際、渡航先の治安が気になりますよね。観光プランを立てる時も、現地の治安を考えることが多いでしょう。カンボジアは東南アジアの国なので、治安をイメージしやすいのかなと思います。
結論、外務省の情報によると、カンボジアの治安は警戒レベル1となっています。警戒レベルは1であり、世界的に見ると危険な国ではありませんが、日本と比較すると治安は悪いと言えます。実際に、観光客を狙ったひったくりや置き引きなどの軽犯罪が発生しています。
カンボジアで発生しやすいトラブル
それでは、カンボジアではどのようなトラブルに注意すべきか見ていきましょう。以下がカンボジアで発生しやすいトラブルです。
まず、貴重品を盗まれないように注意してください。特にプノンペンでは、マーケットなどの人混みにおいて、財布や携帯、パスポートといった貴重品が盗まれやすいです。また、アンコールワットがあるシュムリアップでも、ひったくりが多発しています。カバンに入れていても、ファスナーを開けられるケースがあるので、なるべく必要以上の貴重品を持ち歩かないようにし、所持していることが分からないように、人混みで取り出すことは控えましょう。
次に、ホテルやその他の宿泊施設でも、軽犯罪に注意が必要です。部屋を留守にしている間に、金庫を荒らされていたり、施錠を忘れて金品を盗まれていたりする犯罪が発生しています。ホテルには警備員がいることが多いですが、安全だからと思い込んだり、油断したりすることは禁物です。金庫を過信しすぎないことや、滞在中でも必ず施錠をすることに注意しましょう。
続いて、単独行動や夜間の出歩きは避けるようにしてください。カンボジアでは銃器が出回っているため、これらを使用した強盗やその他犯罪が起きています。犯罪は、時間帯や場所に関係なく発生しますが、人通りが少ない夜間はより一層危険が増します。危険な目に合わないためにも、1人で外出することや夜に出歩くことはやめておきましょう。
最後に、詐欺やぼったくりに注意してください。観光客はお金を持っていると思われているので、被害に遭いやすいです。一見親切だなと思っても、詐欺であるケースがあります。また、特にタクシーでぼったくられるケースが多いので、タクシーに乗る時は、旅行会社が手配してくれたタクシーか、一度利用したことのある信頼できるタクシーを呼びましょう。
カンボジアの医療事情
カンボジアで旅行中に病気になったり、怪我をしたりしたら、不安ですよね。どこの病院に行くべきか、治療はちゃんと受けられるかも心配でしょう。そこで、カンボジアの医療事情について解説していきます。
結論から言うと、外国人向けの私立病院では、日本と同等の治療を受けることができます。しかし、プノンペンやシュムリアップ以外の場所には、こういった病院がないので注意してください。そして、入院や高度な治療が必要となる場合は、バンコクやシンガポール、日本に医療搬送されるケースもあります。カンボジアで万が一、病院に行くことになった場合を想定して、受診できる病院や手続きを事前に確認しておきましょう。
カンボジア(プノンペン・シュムリアップ)の医療費
海外で病院に行く場合、どのくらいの医療費がかかるのは気になりますよね。どの海外旅行保険に加入すべきかを考える際にも、医療費が目安になると思います。そこで、プノンペンやシュムリアップの病院でかかる一般的な医療費を解説します。
項目 | カンボジア | 日本 |
救急車 | 公営:通常利用しない民営:7,200円 | 公営:無料民営:通常利用しない |
初診料 | 8,200円 | 2,820円 |
1日あたりの部屋代 | 個室:10,200円ICU:15,400円 | 個室:30,000円~100,000円 ICU:80,000円~100,000円 |
中耳炎の手術代 | 総費用:707,000円~768,500円 平均入院日数:3日 | 総費用:600,000円 平均入院日数:4日 |
骨折の治療費 | 56,400円~61,500円 | 20,000円 |
ファミリードクター制度の有無 | 無し | 基本無し |
1000人あたりの乳児死亡率 | 33人 | 2人 |
上記のカンボジアでの医療費には、日本人旅行客が利用することが多い私立病院での費用を記載しています。また、実際にカンボジア・シュムリアップで発生した事故事例をご紹介します。
事故状況 | 治療・救援費用 保険金支払額 |
アンコールワット観光中に階段から転落。脳挫傷、硬膜下血腫、頭蓋骨・肩甲骨・肋骨骨折と診断され、現地病院からチャーター機でバンコクまで医師・看護師が付き添い医療搬送。38日間入院・手術。家族が駆けつける。 | 1,8745,052円 |
上記の事例では、バンコクへ医療搬送が必要となったケースなので、高額な費用がかかっています。日本と同等レベルの治療が受けられる病院があると述べましたが、重症の場合は医療搬送される可能性が高いので、医療搬送費をカバーできる海外旅行保険に加入しておくと安心です。
カンボジアの医療機関でよくあるトラブル
カンボジアには日本と同等レベルの治療を受けられる病院もありますが、日本では起こりにくいトラブルが発生しやすいです。特に以下のトラブルに注意しましょう。
まず、プノンペンやシュムリアップ以外のカンボジアの病院では、日本語を話せる医師や看護師はなかなかいません。また、英語を話せるスタッフも少ないです。そのため、病気や怪我の症状を適切に伝えるためには、通訳が必要となります。ですので、カンボジアの公用語であるクメール語が話せる同行者がいない場合は、海外旅行保険に付随している通訳サービスを利用しましょう。
続いて、カンボジアで救急車を呼ぶ場合は、一般的に民営の救急車を呼びます。日本では、公営の救急車を呼びますが、カンボジアでは公営の救急車は通常利用しません。
カンボジアの民営の救急車は、公営とは違い、もちろん料金がかかります。日本とカンボジアでは、救急車に違いがあることを理解しておきましょう。
カンボジアで日本人が受診しやすい病院一覧
カンボジアで病気や怪我をした際に、日本人が受診しやすい病院をご紹介します。ここでご紹介する病院は、日本が話せる医師やその他スタッフがいる病院もしくは、通訳を利用できる病院ですので、コミュニケーションに不安がある方はぜひ以下に挙げる病院をおすすめします。
病院名:Ken Clinic 場所:プノンペン 住所:No.14A, St.370, Sangkat Boeng Keng Kang 1, Khan Chamkarmon, Phnom Penh, Cambodia 電話番号:023-223843、023-223844、078-579060、012-865039/日本語:012-957-205 診療時間:(月)-(土):8:30-13:00、15:00-19:00 (日)(祝):休診 診療科目:内科、外科、小児科 備考:予約不要・日本語可 |
病院名:Sun International Clinic 場所:プノンペン 住所:No18, St.302, Sangkat Boeng Keng Kong 1, Khan Chamkamorn, Phnom Penh, Cambodia 電話番号:英語、中国語、クメール語:023-956-777、012-485-088/日本語:069-268-060、092-116-613 診療時間:(月)-(土):9:00-18:00 (日):9:00-15:00 診療科目:総合診療、皮膚科、形成外科、アレルギー科、泌尿器科、小児科、婦人科、心療内科、眼科 備考:予約要・日本語可 |
病院名:Raffles Medical Phnom Penh 場所:プノンペン 住所:No.161, Street 51, Sang-Kat Boeung Raing, Khan Daun Penh, 12211, Phnom Penh 電話番号:日本語Tel:023-216-911 診療時間:(月)-(金):8:00-17:30 (土):8:00-12:00 (日)(祝):休診/救急外来24時間 診療科目:総合診療科、小児科*、皮膚科、耳鼻咽喉科、産婦人科、放射線科、熱帯医学 *は日本人医師(女性) 備考:予約優先・日本語可 |
病院名:ホテルドクターサービス (UN SOVANTHAN Clinic) 場所:シュムリアップ 住所:N;320gruop1, Stung tmei village, Svaydangkhom commune, SiemReap, Cambodia 電話番号:日本語:017-713-690 診療科目:総合内科 診療時間:24時間 ※不定期に休診する場合がありますので、事前に診療時間をご確認ください 備考:日本語可・予約不要 日本人看護師は24時間対応 |
病院名:Royal Angkor International Hospita¥ 場所:シュムリアップ 住所:National Route #6, Phum Kasekam, Khum Sra Ngea, Siem Reap, Cambodia 電話番号:063-761-888/救急:012-235-888 診療科目:総合内科、総合外科、整形外科、小児科、耳鼻咽喉科、婦人科、産科 診療時間:24時間 備考:予約不要 通訳8:00-17:00 通訳時間外電話通訳あり 専門医予約要確認 |
病院名:Angkor Japan Friendship International Hospital(アンコール共生病院) 場所:シュムリアップ 住所:Street Bun Rany Hun Sen, Chanlong Village, Borey Seang Nam 2, Siem Reap, Cambodia 電話番号:076-677-7879、087-789-150/日本語:01240-8314、01686-6874 診療科目:総合病院 診療時間:24時間 年中無休 備考:予約不要、日本語可 |
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カンボジアへ渡航する際の海外旅行保険加入は”推奨”
カンボジアへ渡航する際の入国条件として、2021年11月時点で在カンボジア日本大使館より以下の内容が発表されています。現地ではCOVID19に感染した場合に備えた保険の加入が推奨されており、大使館からも医療保険に加入して渡航することが推奨されておりますので、渡航前に準備しておくことを保険Timesとしても推奨しております。
カンボジアでは,11月14日付けの保健省発表により,同15日より,ワクチン接種済でそのことを証明する書類及びPCR陰性証明書がある場合の入国時の隔離が撤廃されたところです(ご参考:11月16日付領事メール)。同発表では,これまで必要であったCOVID-19健康保険の加入要否が明らかではありませんでしたが,16日,保健省はCOVID-19健康保険への加入を推奨するとの内容を含む新たな決定(No.504)を発表しました。
同決定では,外国人はCOVID-19を含む全ての疾病にかかる治療費を負担することとされており,この点を踏まえ,COVID-19健康保険(https://www.forteinsurance.com/covid-19-insurance)に加入することが推奨されております。なお,当館から関係当局に問い合わせたところ,本発表はワクチン未接種者にも適用されるため,今後はCOVID-19健康保険への加入はワクチン未接種者に対しても入国時の要件とならないとの回答を得ているところですが,現場への周知が徹底されていないなどの可能性がありますのでご留意下さい。
また,当館では従来より,海外滞在中における万一の事態に備え,海外旅行保険への加入を強く推奨しているところですので,当地滞在中の疾病治療等をカバーする保険に未加入の方は,ワクチンの接種状況にかかわらず,カンボジア政府が推奨するCOVID-19健康保険への加入も含め,何らかの健康保険に加入されることを強く推奨します。
引用;在カンボジア日本大使館
カンボジアへ渡航する上での海外旅行保険の選び方
これまでの解説で、カンボジアの治安や医療事情を理解していただけたでしょうか。
カンボジアでは、ひったくりや窃盗などの軽犯罪が観光地、特に人混みで多発しています。また、重症の場合は、バンコクやシンガポール、日本に医療搬送されるケースがあります。従って、これらのリスクをカバーできる海外旅行保険に加入することが重要です。では、具体的にどのような海外旅行保険に加入すべきなのでしょうか。そこでここからは、カンボジアへ渡航する際の海外旅行保険の選び方を解説していきます。まず最初に、補償内容について見てきましょう。
海外旅行保険の補償内容
まずは、海外旅行保険の補償内容を1項目ごとに見ていきます。
・傷害死亡:怪我、不慮の事故で亡くなった場合の定額補償
・傷害後遺障害:怪我、不慮の事故で後遺障害が残った場合に等級ごとの補償
・治療・救援費:現地で怪我や病気をした時の治療費、移送費、遺体搬送費、被保険者が死亡・入院した場合にご家族が駆けつける費用
・疾病死亡:病気で亡くなった場合に定額で補償
・携行品損害:持参物が盗難、破損した時の補償
・飛行機遅延:飛行機が遅延した際にかかった宿泊費などの補償
・飛行機手荷物遅延:飛行機に搭乗し手荷物が届かなかった時、生活必需品にかかった費用の補償
海外旅行保険の補償を大きく分類すると、①医療費、②携帯品、③飛行機遅延、④その他に分けられます。
カンボジアに渡航する際は、ひったくりや置き引きといった軽犯罪、医療搬送を伴う医療費を考慮して、治療・救援費と携行品損害の補償額が高いものを選ぶと良いでしょう。
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海外旅行保険の選び方・比較のポイント
カンボジアに渡航する際の海外旅行保険を選びで、特に重視すべきなのは、医療費と携帯品損害費です。ひったくりや置き引き、窃盗といった貴重品を盗まれる犯罪が観光地や人混みで多発しているため、観光に行く際は携帯品損害費の補償額が高いほど安心できるでしょう。また、カンボジアで病気や怪我をした際、重症な場合には、国外緊急搬送される可能性があります。
ですので、医療費のなかでも救援費や搬送費の補償額が高い海外旅行保険を選ぶことをおすすめします。チャーター機で医療スタッフ同行のもとバンコクに医療搬送した場合、費用が1800万円を超えたという事例があります。
加えて、プノンペンやシュムリアップ以外では日本語や英語が通じる病院が少ないため、通訳サービスがあるとより安心できるでしょう。以上のことから海外旅行保険は、現地での不安や心配事をできるだけカバーできる補償内容のものを選んでください。
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カンボジアへ渡航する場合の海外旅行保険プラン例
カンボジアへ渡航する場合の海外旅行保険プラン例を以下にまとめました。海外旅行保険を選ぶ際、補償内容や補償金額がそこまで変わらない場合でも保険会社ごとに保険料は大きく変わってきます。また、自分自身の健康状態や現地へ携行する物の量などによっても加入すべきプランは変わってきますので、もしプラン選びで迷われる場合はプロの海外旅行保険アドバイザーへ相談することをお勧めします。
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まとめ
今回は、カンボジアへ渡航する際に加入すべき海外旅行保険について解説してきました。
どの海外旅行保険に加入するか検討する上で、考慮すべきカンボジアの治安や医療事情についても理解していただけたと思います。カンボジアでは、観光地などの人混みで軽犯罪が多発していたり、病気や怪我で重症な場合は医療搬送されるケースがあったりします。そのため、携帯品損害費や医療費、特に搬送費や救援費の補償額が十分にあるか補償内容を確認してください。そして、カンボジアに旅行へ行く際は、渡航の目的と滞在期間に応じた海外旅行保険に加入しましょう。
カンボジアへの渡航を検討している方は、ぜひ本記事を参考にして、旅行プランに合った海外旅行保険を選んでください。
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本コンテンツは情報の提供を目的としており、保険加入その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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