キッチンカーを開業する上で、必要な保険はどんなものがあるのかな?
自動車保険以外に、どんな補償が必要なのか分からない……
キッチンカーでは、交通事故をはじめ食中毒などのリスクが考えられるでしょう。
今回は、食中毒などで賠償責任を求められた場合に備えるためのPL保険に関する基礎知識をキッチンカー向けに分かりやすく紹介します。
この記事を読んだあなたは、PL保険について理解できるでしょう。
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キッチンカーを取り巻くリスク
キッチンカーを運営するにあたっては、さまざまなリスクが潜んでいます。
そこでまずは、キッチンカーで考えられる主なリスク3つを紹介します。
食中毒のリスク
キッチンカーは、お客様に飲食物を提供する仕事のため、一番考えられるリスクは賠償リスクです。
食中毒が発生したことによりお客様から訴えられるケースや、お店の看板が倒れたことにより第三者にケガを負わせてしまったケースなどがあります。
特に、食中毒などの衛生管理に関するトラブルは、キッチンカーでは一番気をつけないといけないリスクです。
火災のリスク
キッチンカーでは、車内で揚げ物などをすると気付かない間に飛び火して火事が発生するリスクが潜んでいます。
従業員がケガを負うだけではなく、第三者の被害者がいる場合は、治療費などの賠償責任が発生します。
万が一、火事で死亡することも考えられるため、注意が必要です。
自動車事故のリスク
キッチンカーは飲食店に該当しますが、飲食店との違いは自動車事故が発生するリスクがあることです。
自動車事故は、従業員や第三者の人に死亡やケガの損害を負わせたり、モノを壊したりするリスクが高いです。
自動車事故は、損害賠償額が高額になる可能性が高いため、しっかりとリスクをカバーできる保険に加入する必要があるでしょう。
食中毒について
キッチンカーを経営する場合に致命的な食中毒のリスクについて紹介します。
食中毒とは?
食中毒とは、食中毒菌や食中毒菌が産生した毒素、ウイルスなどに汚染された食品を食べることにより起こる健康被害です。
主に下痢、腹痛、おう吐などを起こします。
食中毒を起こす主な細菌とウイルスの特徴を一覧にまとめました。
最近・ウイルス | 原因 | 例 |
---|---|---|
サルモネラ菌 | 十分に加熱していない卵・肉・魚が原因 | 生卵・オムレツ・牛肉のたたき・レバ刺し |
ノロウイルス | カキなどの二枚貝を生や十分加熱しないで食べた場合や、ウイルスに汚染された水道水や井戸水などを飲んで感染する | 十分に加熱されていないカキ、アサリ、シジミ |
腸炎ビブリオ菌 | 生の魚や貝などの魚介類 | さしみ・すし |
カンピロバクター | 十分に加熱されていない肉(特にとり肉)や、飲料水、生野菜などが原因 | 十分に火が通っていない焼鳥、十分に洗っていない野菜 |
E型肝炎ウイルス | 加熱不足のブタなどの肉や内臓を食べたことが原因 | 十分に火が通っていないブタの肉やレバー |
食中毒の発生数
発生数 | 飲食店での発生 | 患者数 | 死者 | |
---|---|---|---|---|
2023年 | 1,021件 | 489件 | 1,803名 | 4名 |
2022年 | 962件 | 380件 | 6,856名 | 5名 |
2021年 | 717件 | 283件 | 11,080名 | 2名 |
毎年、多くの食中毒が発生していることが分かります。
その中でも、飲食店で発生する食中毒の割合が非常に高いです。
そのため、キッチンカーを経営する場合は、必ず食中毒に備えた保険に加入することをおすすめします。
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キッチンカーに必要な保険
キッチンカーで考えられるリスクを紹介しましたが、次はリスクを踏まえてキッチンカーを経営するために必要な保険種類について紹介します。
・火災保険
・自動車保険
・施設所有者賠償責任保険
・PL保険(生産物賠償責任保険)
火災保険
火災保険は、火災により会社が所有する建物や財産に損害があった場合に補償される損害保険です。
台風などの自然災害時も補償される保険です。
キッチンカーでは火を使う場合が多いため、火災に備える保険には必ず加入することをおすすめします。
法人向けの火災保険の詳細については、下記の記事をご確認ください。
自動車保険
キッチンカーを経営するのであれば、自動車保険への加入は必須といえるでしょう。
注意しておきたい点は、キッチンカーは軽トラックなどを改造していることがほとんどのため、加入できるすべての保険会社で取り扱いができる訳ではありません。
また、保険料が通常よりも高くなる可能性や、厨房設備が補償の対象外となることもあるため、加入時に確認する必要があります。
加入が義務付けられている自賠責保険だけではなく、任意の自動車保険へも必ず加入することをおすすめします。
施設所有者賠償責任保険
施設賠償責任保険は、損害賠償が発生した場合に賠償金をカバーしてくれる保険です。
お客様の洋服にコーヒーをこぼし、クリーニングが必要になった場合などのトラブルに対応してくれます。
クリーニング代だけならば少額ですが、場合によっては高額になる可能性も考えられるため補償をもっておいた方が良いでしょう。
PL保険(生産物賠償責任保険)
PL保険は、製造または販売した商品などが原因で、他人にケガをさせた場合などに、事業者が法律上の損害賠償責任を負担する場合の損害費用を補償する保険です。
「作った食事を提供するキッチンカー」にとって、必要な保険といえるでしょう。
PL保険については、後ほど補償内容などの詳細を説明します。
PL保険(生産物賠償責任保険)とは?
PL保険の補償内容について紹介します。
PL保険に加入することで、「料理を提供する飲食業者」として、賠償責任を補償するだけではなく、万が一の備えもしっかりしている会社として信頼を得られることがメリットです。
補償内容
PL保険に加入することで補償される内容は、下記の通りです。
損害賠償金 | 損害を与えた被害者に対して支払う賠償金 |
損害防止・軽減費用 | 被害拡大を防ぐための措置にかかる費用 |
争訟費用 | 訴訟を受けた場合の訴訟費用・弁護士費用 |
緊急措置費用 | 事故発生時の応急手当にかかった費用 |
権利保全行使費用 | 他にも責任を負うべき会社がある場合、その会社に対して求償権を保全または行使するための費用 |
協力費用 | 保険会社が事故解決のために行う要求に協力するために要した費用 |
補償される内容や金額は、保険会社や契約内容によって異なってくるため、確認が必要です。
補償対象外になるケース
・故意によって生じた損害賠償責任
・重過失の場合の損害賠償責任
・危険すぎるモノを取り扱った場合に起こった損害賠償責任
・被保険者と生計を共にする同居の親族に対する損害賠償責任
・従業員が業務中に被った身体の障害に起因する損害賠償責任
・地震、噴火、洪水、津波などの自然災害が原因で起こった損害賠償責任
・正当な理由がなく、リコールなどの措置を取らなかったために起こった損害賠償責任
その他にも各保険会社の「保険金をお支払いしない主な場合」に補償対象外のケースが公表されているため、確認が必要です。
PL保険の基礎知識などの詳細については、下記の記事をご確認ください。
個人事業主でもPL保険に加入できる?
個人事業主でキッチンカーを営んでいる方でもPL保険に加入することが可能です。
個人事業主の方が、万が一トラブルが発生した場合に被害が大きくなるでしょう。
食中毒が発生した場合、被害の大きさによっては店を畳まないといけないことになりかねません。
そのため、個人事業主でキッチンカーを営んでいる方ほど保険に加入することをおすすめします。
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キッチンカーで起こった損害事例
キッチンカーで発生した食中毒の事例
2021 年 8 月 29 日(日)、当社キッチンカー「D-kitchen」で商品を購入したお客様より、食中 毒症状がある旨のお申し出を受け、翌 8 月 30 日(月)に管轄保健所へ報告を行いました。同日、 保健所からの連絡により、2021 年 8 月 28 日(土)に東京都千代田区内で営業していたキッチン カー「D-kitchen」で商品を購入した 2 グループ 5 名様に食中毒の疑いの症状が発症しているこ とが判明いたしました。これを受けて、本日まで同キッチンカーの営業は休止しております。 その後の調査の結果、発症者 5 名のうち 4 名及び当社調理従業員 3 名のうち 2 名から黄色ブ ドウ球菌が検出されたこと等により、本日、港区より「D-kitchen」が提供した料理が原因であ ると判断されました。
引用:食中毒事故発生に関するお詫びとお知らせ
食品衛生法に基づき、 3 日間の営業停止処分を受けました。
キッチンカーの自動車事故の事例
6月11日午前、北海道苫小牧市の交差点で、キッチンカーと乗用車が衝突し、高齢の男女3人が病院に運ばれました。午前9時半ごろ、苫小牧市入船町の交差点で、右折しようとしたキッチンカーが直進してきた乗用車と衝突しました。消防によりますと、この事故で70代から80代の男女3人が胸などの痛みを訴え、病院に運ばれました。事故があった交差点に信号機はありませんでした。警察はキッチンカーを運転していた80代の男性の前方不注意が事故の原因とみて調べています。
引用:北海道ニュースUHB_キッチンカーと乗用車が衝突
飲食業の場合、注意していたとしてもこのような事故が発生する場合があります。
万が一、事故が発生した場合にお客様に迅速に謝罪の対応ができるように、PL保険に加入することをおすすめします。
PL保険(生産物賠償責任保険)の注意点
キッチンカー業者がPL保険に加入する場合に注意すべきポイントが2つあるため、紹介します。
・補償の対象外になるケースがある
・自己負担ゼロというわけではない
補償の対象外になるケースがある
PL保険に加入したからといって、どんな場合でも損害が補償される訳ではありません。
故意によって発生したトラブルや、重過失・危険な物を取り扱った場合の事故は、保険金支払いの対象外になります。
「お店側が分かっていながらも傷んだ食材を利用して料理を提供した」場合などは、補償対象外になる可能性が高いため、注意が必要です。
自己負担がゼロというわけではない
PL保険は、事故が発生した場合にすべて保険で対応する自己負担がない保険ではありません。
保険金には、免責金額といって一定額の自己負担しないといけない金額が存在します。
損害賠償額が300万円の場合で、免責金額を50万円に設定している保険の場合。
保険金として250万円が支払われるが、免責金額の50万円は自己負担額となる。
免責金額を高くするか低くするかは、ご自身で設定が可能です。
免責金額を高く設定すると、保険料は安くなります。
反対に、免責金額を低く設定すると、保険料は高くなります。
自己負担額をどのように設定するかは、自社の規模や状況によって考えましょう。
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キッチンカーは保険料が高くなる可能性がある
キッチンカーで自動車保険に加入する場合、保険料が高くなる可能性があります。
理由は、下記の3つです。
・業務用の取り扱いになる
・セカンドカー割引が適用外になる場合がある
・運転者の条件が設定できないため
業務用の取り扱いになる
自動車保険は主に、「日常用・通勤通学用・業務用」の3種類に分かれています。
業務用は、他の分類よりも運転する時間や走行距離や利用回数が多くなるため、交通事故のリスクが高いことから保険料が高くなります。
キッチンカーは、業務用とみなされるため、保険料が通常よりも高くなるでしょう。
セカンドカー割引が適用外になる場合がある
通常、自動車を複数所有する場合は、2台目以降の保険料が安くなるセカンドカー割引があります。
しかし、1台目が日常用で2台目が業務用の場合は、セカンドカー割引が適用外になります。
一定条件が満たされた場合、セカンドカー割引の対象になることもあるため、確認しましょう。
運転者の条件が設定できないため
自動車保険は、運転者を特定することで保険料が割り引かれる場合があります。
しかし、キッチンカーの場合は、運転者を指定できないため、保険料が割高になる可能性が高いです。
この3つの要因から、キッチンカーの自動車保険の保険料は通常よりも割高になると考えられます。
おすすめの保険会社
PL保険は、ほとんどの保険会社で取り扱いがあります。
・AIG損保
・東京海上日動
・三井住友海上
・日新火災
・損保ジャパン
保険会社によって、商品名や補償内容が多少異なる場合があります。
まずは、複数の保険会社の内容を比較して、ご自身のリスクに合った補償を受けられる保険会社を選びましょう。
まとめ
PL保険は、料理を提供するキッチンカーにとって必要な保険です。
注意していたとしても食中毒など提供した食事が原因でお客様の健康に被害を与える可能性があります。
万が一、トラブルが発生した場合でもPL保険に加入していると迅速に対応できるため、自社やお客様を守るためにもPL保険に加入することをおすすめします。
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本コンテンツは情報の提供を目的としており、保険加入その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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