農業に必要な保険とは？保険の種類と選び方のポイント

保険の種類が多くて、どの保険に加入したら良いのか分からない……

農業に必要な保険はどんなものがあるのかな？

農業は、台風や水害などの自然災害や、価格の下落など常にリスクと隣合わせです。

今回は、農業で起こり得るリスクに備えるための保険について、種類や選び方を紹介します。

この記事を読んだあなたは、農業に必要な保険について理解できるでしょう。

農業に考えられるリスクは？

農業において考えられるリスクは、3つあります。

台風や水害などの自然災害

まず、農業といえば隣合わせなリスクは台風や水害などの自然災害です。

強風や台風、洪水によって農作物に被害を及ぼしたり、農地が浸水したり、倉庫が壊れる可能性があります。

せっかく育てた農作物が枯れてしまったり、病気にかかったり、収穫は出来たけれど生産量や品質が悪かったりすることも考えられるでしょう。

台風や洪水の影響で、収穫時期が大幅に遅れ、単価が暴落することもあります。

農家がどれだけ経営努力をしても、自然の猛威には敵わないのが現実でしょう。

原材料価格の高騰

近年、物価が高騰しており一般家庭に影響が出ていますが、農業にも深く関係しています。

下記の価格が高騰することで、経費は大幅に経費が上がります。

原材料価格の高騰に伴い、農作物も値上がりをすれば、そこまで利益に影響はありません。

しかし、販売価格を大幅に値上げすることで、取引先やお客様が離れるリスクもあるため、経費に比例して販売価格を上げることは難しいでしょう。

原材料価格の高騰は、農家にとってマイナスになる要因の一つです。

業務上の損害賠償

業務上の損害賠償は、経営努力でどうにか解決できる問題です。

このような問題が発生する可能性は高いですが、自然災害や物価高騰に比べると、まだ経営努力で解決ができるでしょう。

しかし、努力していたとしてもトラブルが発生する可能性はあるため、注意が必要です。

農業で発生する自然災害

農業で実際に発生した自然災害を紹介します。

台風

台風は、毎年3個が平均して上陸しています。

年	上陸数
2022年	3
2021年	3
2020年	0
2019年	5
2018年	5

参考：農林水産省

近年、台風が強い勢力を保ったまま上陸するため、観測史上1位となる最大瞬間風速や降水量が各地で記録されています。

竜巻

竜巻は、毎年19件が平均して発生しています。

年	件数
2022年	15
2021年	15
2020年	11
2019年	10
2018年	21

参考：農林水産省

農業において、日本でも竜巻による被害が発生しています。

大雪

近年、平年の2倍を超える積雪となる大雪や、短時間に降り積もる大雪が発生しています。

年	内容
2021年1月	全国6地点で150cmを超える降雪
2020年12月	全国11地点で200cmを超える降雪

参考：農林水産省

このように、自然災害による被害額の最近10年の平均は、約3,036億円となっています。

その中でも、2018年・2019年は2年連続で台風による甚大な被害が発生しています。

自然災害は防ぐことが出来ませんが、このような発生数を考慮し万が一の時を考えて、保険でリスクをカバーすることをおすすめします。

農業の保険種類

農業に関係する保険種類について紹介します。

農業で被害が発生する場合は、地域ごとに同じタイミングのことが多いため、民間の保険会社ではなかなか損害をカバーすることが難しいです。

そのため、公的な保険を農林水産省が用意して国が保険料の一部を補助してくれる仕組みがあります。

「農業共済」と「収入保険」は、公的な保険制度です。

農業共済

農業共済は、自然災害で生じた作物・家畜・園芸施設への損害をカバーする保険制度です。

共済の種類には、下記のように広い品目があります。

農作物共済	水稲・陸稲・麦
家畜共済	牛・馬・豚
果樹共済	果樹
畑作物共済	馬鈴薯・豆類・てん菜・さとうきび・茶・そば・スイートコーン・たまねぎ・かぼちゃ・ホップ・蚕繭
園芸施設共済	園芸施設
任意共済	建物・農機具

収入保険

収入保険は、農業共済よりも多くの品目に対し、収量ではなく収入に対して保険金を支払う制度です。

収入保険のポイントは下記の通りです。

幅広いリスクをカバーしてくれるため、これから農業をはじめる方におすすめの保険です。

民間の保険

農業者向けの保険プランを取り扱っている民間の保険会社もあります。

農業共済や収入保険が対応していない、第三者への賠償責任に対応する商品や、農家が抱えているリスクをカバーできるように複数の保険商品を組み合わせたプランを取り扱っています。

大規模農家であれば、考えられるトラブルも増えるため、民間の保険会社から加入して、手厚い補償を持つ方が良いでしょう。

ご自身の規模や経営状態によって、どの保険に加入するかを考えることをおすすめします。

JA共済とNOSAIの違い

次に、JA共済とNOSAIの違いについて下記の表で解説します。

	JA共済	NOSAI
名前	農業共同組合	農業共済組合
法律	農業共同組合法	農業保険法
団体の性質	補助を受けない団体	国庫補助を受ける非営利団体
保険種類	生命・建物・自動車・農機具	農作物・家畜・果樹・畑作物・園芸施設・建物・農機具
加入方法	任意加入	任意加入

JA共済とNASAIは全く別の団体が運営している保険です。

農業保険の選び方

農業保険を選ぶ際のポイントを2つ、紹介します。

経営状況を把握する

農業経営といっても、法人化している場合や、個人経営をしているなどさまざまです。

また、育てている作物によっても想定される被害に違いがあるでしょう。

そのため、ご自身の経営状態を把握した上で、見合った保険に加入することが大切です。

保険料が高額になる可能性がある

農業保険は、保険料が高額になる場合があります。

特に、大規模農園の場合は、規模が大きい分、万が一の時の損害額も大きくなるため保険料が高くなるでしょう。

ご自身の売上と保険料が、見合っているかを考えて補償プランを立てましょう。

農業者が保険に加入する方法

農業者が保険に加入する方法を紹介します。

農業共済組合・JAから加入

NOSAIやJAから加入する場合は、全国に設置されているそれぞれの窓口に行きましょう。

まずは、電話で相談するのも良いでしょう。

ご自身の地域にあるNOSAIやJAへ相談しましょう。

民間の保険会社を選んで加入

ご自身で保険会社を選び、直接加入する方法です。

民間の保険会社の場合、必要な補償をカスタマイズできる場合もあり、万が一の時に補償が足りないということを防げるでしょう。

農業者におすすめの保険会社

農業者におすすめの保険会社を紹介します。

保険会社によって、商品名や補償内容が多少異なる場合があります。

まずは、複数の保険会社の内容を比較して、ご自身のリスクに合った補償を受けられる保険会社を選びましょう。

まとめ

農業は自然災害や世の中の動きによって収入が左右される場合があるため、万が一の災害などに備えて保険に加入した方が良いでしょう。

自然災害は、農家がどれだけ経営努力をしたとしても避けては通れません。

万が一、トラブルが発生した場合でも保険に加入していると迅速に対応できるため、自社やお客様を守るためにも保険に加入することをおすすめします。

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