海外旅行から帰国後に治療を受けた場合の補償は？海外旅行保険の使い方を解説

海外旅行中に病気やケガをして、帰国後に受診した場合でも保険金は支払われるのかな？

帰国後に病院を受診して治療を受けた場合、保険金請求の手続きはどうしたら良いのか分からない。

海外旅行中に気をつけていても、病気やケガをしてしまう可能性は少なくありません。

海外旅行中に海外の医療機関を受診した場合には保険金は支払われるけど帰国後、日本の病院に通院する場合は保険金は支払われるのか疑問に思い困っている方も多いのではないでしょうか。

今回は、海外旅行保険は帰国後の受診や治療も補償されるかについて、海外旅行保険の使い方を解説します。

この記事を読んだあなたは、帰国後の治療について理解した上で、海外旅行保険へ加入するべきか検討ができるでしょう。

海外旅行保険の必要性

海外旅行保険とは、海外旅行中に病気やケガで病院を受診した場合や、第三者のモノを壊した場合など、あらゆるトラブルに対するリスクをカバーしてくれる保険です。

海外は日本国内と違いが多いため、海外旅行保険に加入することで安心で安全な旅行ができるでしょう。

海外旅行保険の必要性
・医療費が桁違いに高い
・予期せぬトラブルが発生する
・サポート対応がある

医療費が桁違いに高額

海外旅行保険に加入する一番のメリットは、高額になる医療費を補ってくれることです。

海外では、環境や食事が異なるため、旅行先で体調を崩すことも考えられます。

海外の医療機関を受診した場合、海外の医療費は日本とは桁違いに高額になる可能性が高いです。

海外での医療費にかかるリスクをカバーするためにも、海外旅行保険に加入することをおすすめします。

また、医療費を補うだけではなく病院の治療費をキャッシュレス対応してもらえるため、現地で現金を支払わなくて良いというメリットがあります。

予期せぬトラブルが発生する

海外では旅行先の地域にもよりますが、ホテルでの盗難や街中でスリに遭う恐れがあります。

また、日本でも考えられるトラブルとしてお土産店などでモノを壊したり、自分のスーツケースで第三者にケガを負わせるリスクも考えられるでしょう。

日本国内で旅行をするよりも海外旅行ではよりトラブルが発生する可能性が高いため、海外旅行保険で補償を持つ必要があります。

サポート対応がある

海外でトラブルが発生した場合、言葉や文化の違いから不安になりせっかくの旅行を楽しむことができない可能性が考えられます。

しかし、海外旅行保険に加入すると日本語対応をしてくれる24時間対応のサポート体制が整っています。

近くの病院の手配などアドバイスもしてくれるため、安心できるでしょう。

海外旅行保険が適応されるトラブルは？

海外旅行保険が適応されるトラブルは、主に4つあります。

1.病気やケガに対する補償
2.他人に対する補償
3.持ち物に対する補償
4.その他の補償

病気やケガに対する補償	治療費用	病気やケガで病院に行ったときの治療費
	傷害死亡、後遺傷害	ケガで死亡または後遺障害が生じた場合
	疾病死亡	病気で死亡または後遺障害が生じた場合
	救援費用	入院して日本から家族を読んだ場合の交通費や滞在費
他人に対する補償	賠償責任	ホテルの備品やお店の商品を壊したり、他人にケガをさせてしまった場合
持ち物に対する補償	携行品損害	携行品が盗まれたり、紛失した場合
その他の補償	航空機遅延費用	航空機の欠航や遅延により、宿泊費や食事代が発生した場合
	航空機寄託手荷物遅延等費用	航空会社に預けた荷物が、到着せず衣類や生活必需品を購入した場合
	弁護士費用	旅行中に被害に遭い、弁護士に法律相談を行った場合

旅行中の病気やケガは帰国後も補償される？　

旅行中に患った病気やケガは、帰国後でも補償されます。

なぜならば、海外旅行保険は海外旅行中に患った病気やケガの治療費がカバーされるからです。

帰国後に病院を受診・通院した場合

海外旅行中に病気やケガを患い、帰国後も治療が必要な場合は、基本的には海外旅行保険の補償範囲に含まれる可能性が高いです。

治療の内容や保険会社によって取り扱いが異なるため、詳細については加入した保険会社に問い合わせましょう。

事故発生から一定期間は補償される

海外旅行保険は、事故の発生日からその日を含めて180日以内に必要となった費用に限り保険金が支払われます。

また、補償の対象となる保険期間中、または期間終了後72時間以内に発病した病気で、期間終了後72時間を経過するまでに医師の治療を開始した場合に保険金が支払われます。

帰国後に通院せずに放置した場合、保険金が支払われない可能性があるため、注意が必要です。

帰国後に感染症が発症し病院を受診した場合

海外旅行中に感染した感染症が、帰国後に発症した場合も保険を適用することができます。

感染症は発病するまでに潜伏期間があるため、海外旅行中は異常がなかったにもかかわらず帰国後に発病することも少なくないでしょう。

感染症の種類によって、補償の対象が2パターンあります。

 参考
・旅行終了後72時間以内に治療を開始した場合(五類感染症)
・旅行終了後30日以内に治療を開始した場合(一類感染症から四類感染症)

感染病の種類

旅行終了後30日以内に治療を開始した場合に補償される	一類感染症	エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱
	二類感染症	急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群、中東呼吸器症候群、鳥インフルエンザ
	三類感染症	コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス
	四類感染症	E型肝炎、A型肝炎、黄熱、Q熱、狂犬病、炭疽、ボツリヌス症、マラリア、野兎(と)病
旅行終了後72時間以内に治療を開始した場合に補償される	五類感染症	インフルエンザ、ウイルス性肝炎、クリプトスポリジウム症、後天性免疫不全症候群、性器クラミジア感染症、梅毒、麻しん、新型コロナウィルス

旅行中にコロナに感染して、帰国後に発覚した場合は？

新型コロナウィルスは、2023年5月から「五類感染症」に位置づけられました。

そのため、帰国後72時間以内に医師の治療を受けた場合は補償の対象になります。

PCR検査の費用についても、医師の指示によって受けた場合は検査費用が対象となりますが、飛行機に乗るための検査や自己判断による検査は補償の対象にならない可能性が高いです。

必ず自己判断ではなく、保険会社に確認するように注意しましょう。

海外旅行中にトラブルが発生した場合やるべきこと

万が一、海外旅行中に事故やトラブルが発生した場合、旅行中にやるべきことを紹介します。

旅行中にやるべきこと
・会社の保険サポートデスクに連絡
・病院で必要な書類を集める

保険会社のサポートデスクに連絡

まず第一に、保険会社のサポートデスクに連絡をして、保険が適用されるかを確認しましょう。

保険金の支払い対象ではない場合でも、サポートデスクに電話をすることで通訳サービスや病院の手配をしてくれる場合があります。

見知らぬ土地でパニックにならないように、保険会社の電話番号は必ず控えておき、いつでも連絡を取れるようにしましょう。

病院で必要な書を集める

海外旅行保険の保険金を受け取るには、さまざまな書類が必要になります。

帰国後に国内で用意する書類もあれば、旅行先の現地で発行してもらわないといけない書類もあります。

旅行先で取得する書類
・医師の診断書
・治療費の領収書、明細書

帰国後に海外から必要な書類を取り寄せると、時間も手間もかかってしまいます。

そのため、旅行中にできる限り必要な書類を集めておくと帰国後スムーズに保険金請求が行なえます。

帰国後の保険金請求の流れ

海外旅行保険が適用される場合、帰国後に行う保険金請求の流れについて紹介します。

保険会社によって多少異なる場合があるため、ご自身が加入している保険会社に手順を確認することをおすすめします。

保険会社へ連絡する

まず、保険会社へ連絡しましょう。

電話やインターネットから報告ができるため、忘れない内に早めに連絡することをおすすめします。

必要書類を準備する

保険金を受け取るためには、必ず保険金請求書類が必要になります。

保険金の種類によっても必要書類は異なるため、どういった書類が必要なのか保険会社に確認して洩れのないようにしましょう。

保険会社から手続きについて連絡が来る

保険会社から電話かメールで事故内容の確認や手続きについて連絡が来るのを待ちましょう。

必要書類を提出する

保険金請求書と必要書類を用意して、保険会社の指定する送付先に送りましょう。

不備があった場合は、すぐに保険金の支払いがされない場合があるため、用意でき次第早めに提出することをおすすめします。

保険金が支払われる

保険会社に必要書類が届き不備がなければ、保険金が支払われます。

海外旅行保険の加入方法

海外旅行保険の加入方法は下記の方法があります。

〈加入方法〉
・保険会社・旅行代理店で加入
・空港のカウンターで加入
・インターネットで加入

保険会社・旅行代理店で加入

保険会社や旅行代理店で、海外旅行保険に加入することが可能です。

旅行代理店では、海外旅行の申込時に一緒に保険に加入できるため、加入洩れを防げるでしょう。

保険の種類も多く、販売員に気になることについて質問できるため、保険のことはよく分からないという方におすすめです。

空港のカウンターで加入

国際空港では、保険に加入し忘れていた方が出発直前でも加入できるように海外旅行保険のカウンターが設置されています。

その場ですぐに申し込みができるため、保険のことをうっかり忘れていた方にとって嬉しいサービスです。

しかし、早朝や深夜のフライトの場合は営業時間外の可能性が高いため注意が必要でしょう。

インターネットで加入

窓口に行かなくても家やどこでも申し込みが可能なインターネットでの加入も可能です。

インターネットで加入すると、保険会社や旅行代理店で加入するよりも保険料が安くなるでしょう。

自分の好きなタイミングで気軽に保険に加入でき、分からないこともチャット機能などで聞けるため、インターネットから加入する方法をおすすめします。

クレジットカード付帯の補償は？

お持ちのクレジットカードに海外旅行保険が付帯されていることも多いです。

一般の海外旅行保険と多少異なるクレジットカード付帯の海外旅行保険について紹介します。

また、クレジットカードの種類によっても補償内容は異なるため、ご自身が持っているカード会社に必ず確認しましょう。

帰国後すぐに通院・治療を開始

クレジットカード付帯の保険を適用させるには、帰国後48時間以内に治療を開始する必要があります。

カードによっては72時間以内の場合もあるため、確認しましょう。

帰国後忙しくて治療を開始するのが遅れた場合は、保険金が支払われない可能性が高いため早めに通院・治療を開始しましょう。

特定の伝染病で治療する場合

約款で指定された特定の伝染病にかかっていた場合、旅行終了後14日から30日以内に医師の治療を受けた場合が補償対象となります。

補償対象となる期間はクレジットカード会社により異なるため、注意が必要です。

通院・治療の補償のみ

クレジットカード付帯の海外旅行は、病気やケガが原因で死亡した場合は補償対象外の場合が多いでしょう。

病気やケガで治療する際の補償は備わっていますが、死亡補償に関しては別の保険に加入して補わないといけません。

幼い子どもや家族がいる方は、クレジットカード付帯の補償のみでは不十分と言えるでしょう。

おすすめの保険会社を比較

各保険会社の旅行中の対応と帰国後の保険金請求方法についてまとめました。

保険会社	旅行中の対応	帰国後の保険請求方法
損保ジャパン	24時間年中無休のサポートデスク	インターネット・フリーダイヤルに電話
三井住友海上	24時間年中無休のサポートデスク	フリーダイヤルに電話
東京海上日動	24時間年中無休のサポートデスク	フリーダイヤルに電話

まとめ

海外旅行中に病気やケガ、感染症に罹り帰国後に病院を受診する場合も保険金は支払われます。

しかし、補償の対象となるためには条件があるため注意が必要です。

帰国後に国内で治療を受けた場合、治療開始日が重要になるため、帰国後はすぐに病院を受診することをおすすめします。