商社に必要な保険とは？実際に発生している事故を元に解説

商社はどのようなリスクを抱えているのかな？

商社に必要な保険って何かな？

商社では、輸入した商品などに欠陥があり損害賠償を求められる可能性が少なくありません。

今回は、商社で起こり得るリスクに備えるための保険について紹介します。

この記事を読んだあなたは、商社に必要な保険について理解できるでしょう。

商社を取り巻くリスクとは？

まず、商社を取り巻く3つのリスクを紹介します。

商品に欠陥があった場合のリスク

商社が輸入して販売した商品に欠陥があり、お客様に損害を与えるリスクが考えられます。

例えば、商社が海外から商品を輸入し、国内の流通業者を通じて販売した結果、商品の欠陥が原因でお客様がケガをした場合は商社はPL法により責任を負うことになります。

欠陥のない商品を輸入することが一番ですが、海外製品で絶対に欠陥がない商品を輸入することは不可能に近いでしょう。

そのため、万が一トラブルが発生した場合に、すぐに対応できる体制を整えるべきです。

サイバー攻撃を受けるリスク

近年、サイバー攻撃による企業の被害が増加しています。

サイバー攻撃を受けるとシステム障害が生じて受発注に被害が出たり、ランサムウエア感染により業務内容や顧客データが流出する可能性が考えられます。

サイバー攻撃を受けると、社会的信用の低下に繋がります。

セキュリティ対策をしっかりとするだけではなく、保険に加入して金銭的な損害に備えることをおすすめします。

個人情報が漏えいするリスク

サイバー攻撃を受けるリスクと同様に、個人情報が漏洩するリスクが考えられます。

大手商社になればなるほど、顧客情報の数が多くなるでしょう。

そのため、数万件単位で個人情報が漏洩すると、社会的信用だけではなく損害賠償金額も高額になり信頼を取り戻すために時間がかかります。

商社で実際に発生した事故例

商社に関わる実際に発生したトラブル事例を紹介します。

情報漏えい

ハーモニックは7月13日、カタログギフト販売ECサイト「カタログギフトのハーモニック」に対する第三者からの不正アクセスにより、顧客のクレジットカード情報（最大2万8700件）および個人情報（最大15万236件）が漏えいした可能性があることがわかったと発表し、謝罪の意を表明した。クレジットカード情報および個人情報が漏洩した可能性がある顧客には、個別の連絡を行っている。また、同社が運営する他サイトは、不正アクセスの対象にはなっておらず、情報漏洩の心配はないとした。システムのセキュリティ対策、監視体制を強化し、再発の防止を図る。

引用：日本ネット経済新聞

商社だけではなく、どの業界でも起こり得るトラブルです。

クレジットカード情報や個人情報が漏えいすると、お客様に大変な迷惑をかけることになるため、注意が必要です。

代金回収不能

北米のB国のバイヤー向けに大型建設機械を輸出したが、バイヤーはリーマンショック等の影響を受け、業績が悪化。決済期日前に破産手続きが開始したため、決済期日には代金の支払いがなされなかった。被保険者は保険会社から約10億円の保険金を受領。

引用：NEXI_保険金支払事例紹介

海外取引で代金が回収不能となった場合に、損害金額は高額になります。

そのため、必ず保険に加入して万が一に備えることをおすすめします。

商社に必要な保険の種類は？

商社に必要な保険の種類を紹介します。

生産物賠償責任保険(PL保険)

PL保険は、製造または販売した商品などが原因で、他人にケガをさせた場合などに、事業者が法律上の損害賠償責任を負担する場合の損害費用を補償する保険です。

加入を義務付けられている保険ではありませんが、商社の多くが加入している保険です。

PL保険の詳細については、下記の記事をご確認ください。

生産物賠償責任保険(PL保険)は、国内PL保険と海外PL保険があります。

海外PL保険も国内PL保険と同様に、海外で自社の商品によって第三者の人やモノに損害を与え、法律上の賠償責任を負った場合に補償を受けられます。

海外PL保険の詳細については、下記の記事をご確認ください。

サイバー保険

サイバー保険は、サイバー事故によって発生する損害を包括的にカバーする保険です。

近年、サイバー攻撃の被害が増加しています。

サイバー攻撃の被害に遭った場合、新たにサーバーを構築しないといけなかったり、個人情報が漏れてしまったりして被害が拡大することが考えられるでしょう。

そのようなリスクに備えるために、サイバー保険に加入することをおすすめします。

サイバー保険の詳細については、下記の記事をご確認ください。

個人情報漏えい保険

個人情報漏えい保険は、個人情報が漏れた場合に発生する損害賠償や費用を補償する保険です。

商社の場合、お客様の個人情報を大量に所持しているため、情報漏洩が発生すると大変なトラブルに発展することが考えられます。

そのため、会社の体制を整えていたり、社員教育をしっかりとしたりしている場合が多いでしょう。

しかし、思いもよらないところで個人情報を漏えいする可能性も考えられます。

万が一、大量の個人情報が流出した場合、莫大な被害額になる恐れがあるため、保険に加入しておくと安心です。

サイバー保険と個人情報漏洩保険の違いについては、下記の記事をご確認ください。

雇用慣行賠償責任保険(パワハラ保険)

雇用慣行賠償責任保険(Employment Practice Liability Insurance)は、EPLI保険やパワハラ保険、ハラスメント保険とも呼ばれている法人向けの損害保険です。

不当解雇やセクハラ、パワハラなどが原因で会社と従業員が職場環境や業務上をめぐりトラブルになり、会社が従業員から訴えられて損害賠償を負った時に保険金が支払われる保険です。

これぐらい大丈夫だと思うことでも、パワハラとして訴えられる可能性があるため、従業員を守るためにも必要な保険と言えます。

パワハラ保険の詳細については、下記の記事をご確認ください。

貿易保険

貿易保険は、日本の企業が行う海外取引の輸出不能や代金回収不能をカバーする保険です。

海外取引では、為替取引の制限や禁止・輸入の制限や禁止などにより貨物を船積できないことにより損失が発生する場合があります。

また、取引先の破損や決済後の不払いにより、貨物代金が回収できない場合も考えられます。

このようなトラブルをカバーするのが貿易保険です。

商社は海外と取引することも多いため、必ず加入すべき保険と言えるでしょう。

商社におすすめの保険

商社におすすめの保険会社を紹介します。

リスクを包括的にカバーする総合的な保険プランがある場合もあれば、部分的なリスクをカバーするプランなど保険会社によってそれぞれです。

まずは、複数の保険会社の内容を比較して、ご自身のリスクに合った補償を受けられる保険会社を選びましょう。

まとめ

商社では、輸入した商品などに欠陥があり損害賠償を求められる可能性があることやトラブルが発生した場合に損害賠償金額が高額になる可能性があるため、保険に加入して万が一に備えましょう。

トラブルが発生した場合でも保険に加入していると迅速に対応できるため、保険に加入することをおすすめします。

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