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妊娠したら加入しておきたい保険は?妊娠・出産に使える公的保障や民間保険の選び方のポイントを解説

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妊娠や出産を控えている方にとって、

  • 産休期間の収入減や、帝王切開や切迫早産になったときに追加でかかる入院・手術費用はどれくらいか?
  • 妊娠がわかった後からでも保険に入れるのか

など、お金や保障に関する疑問が次々と浮かんでくることでしょう。

妊娠から出産までにかかる費用は、公的な制度でまかなえる部分もあれば、自己負担として残る部分もあります。

この記事では、公的な制度でカバーされる範囲を整理したうえで、「妊婦さんやその家族にとって、本当に必要な民間保険は何か、どう選べばよいか」を解説していきます。

目次

出産にかかる費用と公的保障

厚生労働省の資料によると、令和6年度の正常分娩費用の全国平均は約52万円1です。これは出産育児一時金(原則50万円)を上回る水準であり、無痛分娩や個室の利用、入院期間の長期化が起きると、さらに費用がかかります。

なお、2026年5月に成立した改正健康保険法2により、正常分娩の費用を公的医療保険で賄う新制度が2028年度をめどに始まる予定です3。全国一律の分娩費用を設定したうえで自己負担をゼロにする方向性が示されていますが、個室利用などの追加オプション費用は対象外となる見込みです。

出産育児一時金・出産手当金・傷病手当金

こうした費用に対して、公的な給付金を受けられる制度が複数あります。

制度対象になる人受け取れる金額・内容
出産育児一時金公的医療保険の加入者・被扶養者子ども1人につき原則50万円4
出産手当金健康保険の被保険者(会社員など)で、産休中に給与の支払いがない人産前42日(多胎は98日)・産後56日の範囲で、標準報酬日額の3分の2相当を給付5
傷病手当金健康保険の被保険者(会社員など)で切迫早産などで働けず給与が出ない人通算1年6か月まで、標準報酬日額の3分の2を給付6
社会保険料の免除産前産後休業・育児休業を取得する被保険者休業期間中の健康保険・厚生年金保険料が免除7

出産育児一時金は、子ども1人につき原則50万円(産科医療補償制度未加入の医療機関では48万8,000円、多胎は人数分)が支給されます8

会社員などの場合、産休中は出産手当金、切迫早産などで働けない期間は傷病手当金がありますが、標準報酬月額30万円のケースで見ると、支給額は月額約20万円が目安です。通常の給与より約10万円の収入減が想定されるなど、公的保障だけでは完全にはカバーしきれない点に注意しましょう。

勤務先によっては、独自に給与の一部を補填する制度を設けている場合もあります。出産手当金に加えて勤務先の制度も確認したうえで、実際の収入減の見込みを把握しておくとよいでしょう。

妊婦健診の費用と自治体の助成

妊婦健診の費用も原則自己負担ですが、多くの自治体が受診票による助成を行っています(例:東京都青梅市では14回分の健診費用のうち、第1回上限11,280円、2〜14回目は1回あたり上限5,280円を助成)9

民間の保険は、こうした公的保障で足りない部分(差額ベッド代などの自己負担、無痛分娩の追加費用など)をカバーする役割を担います。

妊娠・出産で保険の備えが必要になるのはどんなとき?

妊娠・出産では、事前に備えておきたいリスクが主に3つあります。

①正常分娩の費用が自己負担になる
②帝王切開などの異常分娩や、切迫早産などによる入院・治療で、追加の医療費がかかる
③妊娠中の入院や休業により、収入が減る
※「異常分娩」とは、帝王切開や吸引分娩など、自然な経腟分娩(正常分娩)以外の分娩方法を指す医学・保険用語です。

正常分娩の費用と③収入の減少は、公的な給付制度である程度カバーできますが、②帝王切開などの異常分娩で医療費が高額になるケースは少なくないため、民間の保険で備えておきたいところです。

健康保険や高額療養費制度が適用されても、差額ベッド代や自由診療にあたる費用など自己負担として残る部分がある点にも備えられます。

また、医療保険は、その後の子育て期に起こりうる病気やケガも見据えて、早めに検討しておく価値がある点にも注目です。

妊娠してから医療保険を検討する場合、そもそも妊娠中でも加入できるのか、そして加入できた場合にどこまで保障されるのか、この2点が気になるところです。まずは加入の可否から確認していきましょう。

妊娠中でも医療保険に加入できる?条件と注意点

妊娠中に加入すると、特定部位不担保などの条件が付くことがあり、その場合は今回の妊娠・出産に関する入院・手術が保障の対象外になります。

特定部位不担保とは、体の特定の部位や、今回の妊娠・出産に関わる入院・手術を、一定期間または今回に限り保障しないという条件です。

ただし、これはあくまで今回の妊娠・出産に限った制限です。

契約後の一定期間は給付の対象にならない免責期間(契約後の一定期間は給付の対象にならない期間)が設けられている商品も一般的ですが、免責期間を過ぎれば、それ以外の一般的な病気やケガは通常どおり保障の対象になります

タイミング加入のしやすさ追加される可能性がある加入条件今回以外の病気・ケガ
妊娠前入りやすい条件が付きにくい免責期間経過後は通常どおり保障
妊娠がわかったあと(〜27週ごろ)商品の選択肢はあるが、特定部位不担保などの条件が付きやすい特定部位不担保(今回の妊娠・出産に関する入院・手術が対象外になるなど)免責期間経過後は通常どおり保障
妊娠後期(27週以降)加入できる商品が限られる同上、または加入自体が難しくなる場合も免責期間経過後は通常どおり保障

※上の表は一般的な傾向です。加入できる週数や条件は商品ごとに異なります。実際の可否は、各商品の引受基準で確認しておきましょう。

健康状態は将来的に変わる可能性があるため、体調に問題がないうちに検討しておくと、子育て期に起こりうる病気やケガにも早い段階から備えられるというメリットがあります。

妊娠中に医療保険を検討する際は、次のポイントをチェックしておきましょう。

・現在の妊娠週数で加入できる商品があるかどうか
・特定部位不担保や免責期間などの条件が付いていないか
・すでに加入している場合は、今回の妊娠・出産が保障の対象になるか
・保障が始まる責任開始日が、今回の出産に間に合うか

特定部位不担保・免責期間ともに、条件の詳しい内容は商品ごとに異なるため、加入前に約款で確認しておくことが大切です。

妊娠・出産以外の女性特有のリスクにも厚く備えたい場合は、女性向け医療保険という選択肢もあります。

関連記事はこちら
【2026年最新】女性医療保険とは?普通の医療保険との違いや保障内容、選び方のポイントを徹底解説

失敗しない女性医療保険の選び方や、「損をしない」ための比較・検討のコツについても解説していますのでご参照ください。

妊娠中や出産時に民間の医療保険で備えられる範囲

公的な健康保険が医療費の自己負担を抑えるのに対し、民間の医療保険は入院日数や手術に応じて給付金を受け取れる点で、厳密にはそれぞれ役割が異なります。

場面公的保障でカバーされる部分民間の医療保険で備えられる部分
正常分娩の費用出産育児一時金として子ども1人につき原則50万円。健康保険は適用外原則給付の対象外
帝王切開など異常分娩健康保険が適用され窓口負担は原則3割。高額療養費で1か月の自己負担に上限あり手術給付金と入院給付金の対象になり得る
妊娠中の入院(切迫早産、切迫流産、重いつわりの妊娠悪阻、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病など)同上入院給付金の対象になり得る

正常分娩は原則として民間の医療保険では給付対象外ですが、分娩中に緊急帝王切開へ切り替わった場合や、妊娠糖尿病・妊娠高血圧症候群・重いつわりなどでの入院治療は、健康保険の適用となり、医療保険の給付対象にもなり得ます

帝王切開・切迫早産による入院は保険診療に該当

厚生労働省の医療施設調査によると、令和5年に病院で行われた分娩のうち帝王切開の割合は29.1%10で、平成23年の24.1%から増加傾向が続いています。

帝王切開などの異常分娩や切迫早産による入院は、健康保険の対象となる保険診療にあたるため、手術給付金や入院給付金など、民間の医療保険の給付対象になります。

高額療養費制度を使えば足りる?

妊娠・出産に限らない公的医療制度として代表的な高額療養費制度11でも、妊娠・出産期にかかる費用のすべてをカバーできるわけではありません

場面高額療養費制度民間の医療保険
帝王切開などの異常分娩
手術・入院の保険診療分
切迫早産などによる入院
治療目的の保険診療分
無痛分娩の費用
正常分娩に伴う自由診療
××
差額ベッド代(個室代)
保険外
×
入院中の食事代
保険外
×

※ 民間の医療保険の給付の有無や金額は、契約内容・加入時期によって異なります。妊娠が判明した後にご加入された場合、その妊娠にかかる入院・手術は保障の対象外となることがあります。

上記のように、帝王切開などの異常分娩や、切迫早産による入院で治療費が高額になった場合は高額療養費の対象となる一方、差額ベッド代・入院中の食事代・無痛分娩などの自由診療にあたる費用は保障対象外です。

また、高額療養費制度はあくまで治療費の自己負担を軽減する仕組みのため、入院中の収入減少や出産準備品の費用、家族の生活費の不足分までは補えません。

こうした差額ベッド代や自由診療費などの自己負担分に備えられるのが医療保険です。

例えば、帝王切開による入院が7日間程度だったとして、入院給付金が日額5,000円であれば、入院給付金は3万5,000円となり、さらに入院一時金や手術給付金が支払われる場合があります。

※差額ベッド代や入院中の食事代そのものを直接保障するものではなく、入院給付金(日額の現金給付)を充てることで、間接的に保障される形になります。医療保険の給付日額や手術給付金の金額、支払い条件は商品によって異なるため、加入前に約款と重要事項説明書で必ず確認しておきましょう。

高額療養費に関する記事はこちら
【2026年最新】医療保険は必要か?|公的医療保険で足りない金額とプロが教える選び方

出産後を見据えて家族のために入るべき生命保険は何か?

妊娠・出産時の医療保険以外にも、子育て期の収入の変動や教育費の負担に民間保険で備えることも検討しましょう。

ここでは出産後も見据えた備えとして、親の万一に備える保険と、養育費に備える保険を整理します。

項目死亡のリスク教育費のリスク
主に必要な保障遺族の生活費への備え子どもの教育資金の準備
主な保険生命保険(定期保険・収入保障保険)学資保険
特徴公的には遺族年金がありますが、それだけで生活費・教育費のすべてをまかなえるとは限りません契約時に決めた進学時期に合わせて祝金・満期保険金を受け取れます。親に万一があった場合は保険料の払込が免除される商品もあります

親のもしものときに備える生命保険

子育て期に合わせて手厚く備えられるのが、一定期間を保障する定期保険や、受取額が毎月の形になる収入保障保険です。

子どもが生まれると、家計を支える親に万一があったときの影響が大きくなります。家族の生活費に加えて、教育費が長期にわたって必要になるからです。こうした万一のときの生活費を備えるために、生命保険を検討しておきましょう。

必要な死亡保障額は、将来かかるお金から、公的保障と自分で用意できるお金を差し引いて考えます。

必要な死亡保障額の考え方

公的な給付制度には遺族年金がありますが、それだけで生活費と教育費のすべてをまかなえるとは限りません。不足する見込みに合わせて、死亡保障で補うことが鉄則です。

定期保険についての解説記事はこちら
定期保険とは?特徴とメリット・デメリット、ライフステージ別の選び方まで徹底解説

収入保障保険についての解説記事はこちら
収入保障保険とは?必要性から後悔しない選び方まで徹底解説

出産前から検討しておきたい学資保険

教育費をまとまった形で準備する方法として、学資保険も検討すると良いでしょう。

学資保険の主な特長

  • 契約時に決めた進学時期などに合わせて祝金満期保険金を受け取れる
  • 契約者(親など)が亡くなったり所定の高度障害状態になったりした場合は、その後の保険料の払込みが免除される

※具体的な保障内容は商品によって異なります。

出産前でも、出生予定日をもとに申し込める商品があります。早く始めるほど、毎月の保険料負担を抑えやすくなり、預貯金だけでは計画的に貯めにくい人や、親に万一のことがあっても進学資金を確実に残したい場合は検討すると良いでしょう。

ただし、途中で解約すると受取額が払込額を下回る場合があるため、満期まで続けられる、無理のない保険料に設定しましょう。

学資保険についての解説記事はこちら
【2026年最新】学資保険の仕組みを徹底解説!新NISAとの比較や損しない選び方
学資保険はいつから?何歳まで入れる?ベストな加入時期と早生まれの注意点を専門家が解説

このように、子どもが生まれたあとも保険は家計を支える大きな役割を果たします。出産直後は子育てに追われてゆっくり考える時間が取れないことも多いため、妊娠期間からライフプランを計画しておくのもひとつの方法です。

妊娠と出産の保険についてよくある質問

妊娠・出産に関する保険で、よく疑問に挙がる点をQ&Aで整理しました。

妊娠がわかってからでも医療保険に入れますか?

加入できる商品はあります。ただし、今回の妊娠・出産に関わる保障が対象外になるなど、条件が付くこともあります。加入できる週数の上限は商品で異なり、妊娠週数が進むほど選択肢は少なくなるため、妊娠前や初期の早いうちから検討しましょう。

正常分娩でも医療保険の給付金はもらえますか?

原則としてもらえません。正常分娩は病気やケガではないため、給付の対象外です。分娩中に帝王切開に切り替えた場合など、異常分娩では、対象になることがあります。

帝王切開は健康保険と医療保険のどちらが使えますか?

両方とも使える場合があります。
民間の医療保険に加入していれば手術給付金や入院給付金を受け取れる場合がありますので、契約内容を確認の上で活用しましょう。

出産育児一時金はいくらもらえますか?

子ども1人につき原則50万円です(2026年7月時点)。産科医療補償制度に加入していない医療機関などでの出産は、48万8,000円です。多胎の場合は人数分が支給されます。制度の見直しがされる可能性もあるため、厚生労働省などの情報を事前に確認しておくと安心です。

双子など多胎の場合は出産育児一時金が増えますか?

出産育児一時金は子ども1人につき原則50万円ですが、多胎の場合は人数分が支給されます。双子なら100万円です。多胎は管理入院などで費用がかさみやすいため、まずは公的給付の確認をおすすめします。

切迫早産で入院したら保険はおりますか?

切迫早産の入院は治療として扱われるため、健康保険が使えます。民間の医療保険でも、入院給付金の対象になることがあります。給付の条件は商品で異なるため、加入している保険商品の約款で確認しておきましょう。

出産手当金と傷病手当金は両方もらえますか?

期間が重なる場合は、出産手当金が優先されます12。両方を同時に満額受け取ることはできません。ただし、傷病手当金の額のほうが多いときは、その差額が支給されます。

出産費用が出産育児一時金より安いと差額はもらえますか?

出産費用が一時金を下回った場合は、その差額を申請して受け取れます。また、多くの医療機関では、一時金が医療機関へ直接支払われる仕組みが使えます。手続きの方法は加入先の公的医療保険で確認しておきましょう。

妊娠中の里帰りや旅行の保険はどうすればいいですか?

国内であれば、里帰りや旅行先でも健康保険を利用できます。加入中の医療保険も、保障内容によっては給付の対象となる場合があります。一方、海外旅行保険は妊娠・出産に関する治療が補償対象外となる商品が多いため、妊娠中に海外へ渡航する際は、事前に補償内容を確認しておくことが大切です。

妊娠と出産の保険は保障内容を確認して早めの検討を

まとめると、妊娠・出産時には

  • 妊娠~出産前後・・・医療保険など
  • 出産後~子育て期間・・・定期保険、学資保険など

あたりを長い目で見て検討することをおすすめします。

あくまでも公的な保障や給付制度を最大限活用し、余計なコストを掛けないうえで生命保険への加入をすることで家計へのダメージなく安心して妊娠・出産期に備えることができます。

また、妊娠中は保険の加入のハードルが高くなることもあるため、妊娠前や初期段階で、割安で十分な保障を得られる保険を早めに検討しましょう。

本コンテンツは情報の提供を目的としており、保険加入その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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出典・参考文献

  1. 厚生労働省 保険局「出産費用の状況等について↩︎
  2. 厚生労働省「医療保険制度改正法が成立しました↩︎
  3. 厚生労働省 保険局「医療保険制度における出産に対する支援の強化について」(同部会 資料1) ↩︎
  4. 厚生労働省「出産育児一時金等について↩︎
  5. 全国健康保険協会(協会けんぽ)「出産で会社を休んだとき(出産手当金)↩︎
  6. 全国健康保険協会(協会けんぽ)「傷病手当金↩︎
  7. 日本年金機構「厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)↩︎
  8. 生命保険文化センター「出産や育児への公的な経済支援を知りたい↩︎
  9. 東京都青梅市「妊婦健康診査等↩︎
  10. 厚生労働省「令和5(2023)年医療施設調査・病院報告の概況」表14 ↩︎
  11. 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ↩︎
  12. 協会けんぽ「出産で会社を休んだとき(出産手当金)↩︎
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この記事を書いた人

保険相談Times(株式会社インシュアランスブレーン)では、海外旅行保険(留学・ワーホリ・駐在・海外長期渡航など)・火災保険・法人損保、生命保険に関するお問い合わせを日々多数いただいています。その中で、お客様からのご質問・やり取りの中から「この情報は保険加入前に知っておいた方がいいな」といった内容を記事にまとめて保険の選び方を発信しています。
スタッフの詳細なご紹介:https://hokentimes.com/oversea/staff

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