黒ナンバーに必要な任意保険とは？補償内容や保険料を解説

黒ナンバーの車に必要な任意保険はどんなものがあるのかな？

黒ナンバーの保険料って高いイメージがある……

軽貨物運送事業で使用する黒ナンバーですが、自賠責保険があるため任意保険には加入しなくても良いと思っている方は少なくないでしょう。

しかし運送事業を行っている場合、事故のリスクも高いため、万が一のトラブルを考えると任意保険は加入すべき保険です。

今回は、軽貨物運送業者に必要な黒ナンバーに必要な任意保険について解説します。

この記事を読んだあなたは、保険の必要性や保険料について理解できるでしょう。

黒ナンバーに任意保険が必要な理由

軽貨物運送業者が使用する黒ナンバーの車に、任意保険が必要な理由を3つ紹介します。

自賠責だけでは補償が不十分

加入が義務付けられている自賠責保険があるから、任意保険は必要ないと考える方も少なくないでしょう。

しかし、自賠責保険だけでは補償が不十分です。

黒ナンバーを取得して軽貨物車で運送事業を行っている場合、走行距離も長くなるため、通常の車よりも事故のリスクが高くなります。

自賠責保険では、補償範囲が限定されているため、自己負担しないといけない損害賠償金が出てくるでしょう。

自動車事故の場合、損害賠償金は高額になることが考えられるため、そうなった場合に経営が傾く可能性もあります。

そのため、自賠責保険だけではなく、任意保険に加入して手厚い補償を持つことをおすすめします。

黒ナンバーを取得する時に有利

黒ナンバーを取得する場合に、経営届出が必要になります。

経営届出の受理される基準の中に、損害賠償能力の項目があります。

また、運輸支局に提出しないといけない書類の中にある宣誓書欄にも、損害賠償の支払い能力があることを宣誓する項目があるのです。

高額な資金がなくても、任意保険に加入していれば項目を満たしていると考えられるでしょう。

黒ナンバーを取得する時にも加入、任意保険に加入していることで信頼を得られるため、任意保険に加入した方が良いでしょう。

仕事を取る時に任意保険の加入が求められる

軽貨物車での仕事を取る時に、任意保険に加入していないと契約してもらえないケースがあります。

大手企業の荷物の配達を受け持つ場合には、自賠責保険だけでは補償が不十分だと判断されて、任意保険に加入していないと仕事をもらえない可能性が高いです。

任意保険に加入することで安心して仕事を任せてもらえるでしょう。

そのため、黒ナンバー車で仕事をする場合、任意保険への加入は必須だと言えます。

黒ナンバーが加入すべき保険は？

保険と言っても種類がたくさんあるため、どの保険に加入したら良いのか分からない方も多いでしょう。

黒ナンバーが加入すべき保険種類3つについて、紹介します。

自賠責保険

自賠責保険は、黒ナンバーを含め車両を購入した全員に加入が義務付けられている強制保険です。

自賠責保険に加入していないと、車検を受けることができません。

そのため、黒ナンバー車の場合も加入が必須の保険です。

自賠責保険の補償内容は、下記の通りです。

死亡による損害	慰謝料・過失利益	最高3,000万円
後遺障害による損害	慰謝料・治療費	最高4,000万円
傷害による損害	慰謝料・治療費	最高120万円

自賠責保険の補償範囲は対人事故のみで、被害者の身体への損害費用のみと限られています。

そのため、下記の損害は補償されません。

必要最低限しか補償されないため、自賠責保険に加入しているからと言って安心できないということを理解する必要があります。

任意保険

任意保険は、自賠責保険で足りない補償を補う自動車保険です。

補償内容は、必要に応じて選択することができます。

保険	補償	詳細
賠償責任保険	対人賠償保険	他人を死傷させた場合、自賠責保険の限度額を上回った部分を補償。
	対物賠償保険	他人に物的損害を与えた損害を補償。
車両保険	自分の車両の損害を補償。 補償範囲には交通事故、車の盗難以外にも、自然災害で車が傷ついた場合でも補償される。
傷害保険	人身傷害保険	自分及び同乗者のケガを補償。 相手の有無や自身の過失割合に関係なく保険金を上限として、実際の損害額を受け取ることが可能。
	搭乗者傷害保険	人身傷害補償と同じく、自分及び同乗者のケガを補償。 人身傷害との違いは、受け取れる保険金があらかじめ決められた金額であること。
	自損事故保険	相手がいないドライバーの単独事故によって、自分や同乗者が死傷した場合に補償。 人身傷害補償と併せて加入している場合は、人身傷害補償が優先的に適用され自損事故保険の保険金は支払われません。
	無担保車傷害保険	対人賠償保険に加入していない無保険車との事故によって死傷し、十分な補償が得られない場合の保険。

任意保険では、対人賠償保険・対物賠償保険に加入して、保険金額は無制限で設定することをおすすめします。

また、任意保険は補償を選択でき、手厚い補償を持つことが可能ですが、その分保険料が高くなります。

そのため、補償内容と保険料を比較しながら無理のない範囲で加入しましょう。

貨物保険

自賠責保険や任意保険は車の事故に備える保険です。

軽貨物運送事業の場合は運転中だけではなく、荷物の積み込み中や車上仮置中などに荷物に損害が発生する可能性があります。

軽貨物運送事業の場合は、交通事故以外にもさまざまなトラブルにより荷物を破損させる可能性が考えられるため、任意保険と併せて貨物保険に加入することで安心して業務を遂行できるでしょう。

黒ナンバーの保険料はいくら？安い？

自賠責保険以外にも、保険の加入が必要である黒ナンバーですが、任意保険に加入する場合の保険料はどれぐらいなのでしょうか。

黒ナンバーの保険料の相場について紹介します。

黒ナンバーの保険料は、一般的な車と比べると保険料が高いです。

原因として考えられるのは、黒ナンバーの車には割引がない場合が多く、交通事故のリスクが高いからでしょう。

また、ネットで契約できる格安の保険会社では取り扱っていないケースが多いです。

保険料は保険会社や加入する補償内容によって変わるため、「◯◯円です」と断言はできませんが、自家用車と比べると保険料は高くなることを覚えておきましょう。

黒ナンバーの任意保険の選び方

黒ナンバーの任意保険は、提供している保険会社が限られています。

しかし、その中でも複数の自動車を所有している場合に割引が適応される場合があるため紹介します。

保険料を安くする方法

軽貨物運送事業を営んでいる場合、複数の自動車を所有している方も多いのではないでしょうか。

その場合、事業の規模によりますが、2つの契約方法によって保険料が割り引かれます。

フリート契約	・10台以上の車を保有している場合に契約が可能 ・無事故で契約台数が多いほど、保険料が割り引かれる ・条件が整えば最大70％～80％の割引率が適用される
ミニフリート契約	・2～9台の車を保有している場合に契約が可能 ・契約台数に合わせて割引率が変動する

割引がなく保険料が割高になる黒ナンバーの任意保険ですが、契約方法によっては保険料を少しでも安くすることも可能です。

複数の保険会社に相談して、比較検討しましょう。

黒ナンバーの任意保険の特徴

黒ナンバーの任意保険の特徴を紹介します。

保険料が高い

先ほどもお伝えしましたが、黒ナンバーの任意保険は交通事故のリスクが高いため、保険料が高くなります。

また、適用される割引も少ないのが現状です。

少しでも保険料を安く抑えたい方は、複数の保険会社に相談して補償内容と保険料を比較して決めることをおすすめします。

年齢条件の設定ができない

黒ナンバーの任意保険は、運転者年齢条件を設定することが出来ません。

自家用車であれば、「26歳以上補償」「31歳以上補償」「全年齢補償」などと、運転者の年齢を制限することで、年齢が高いほど保険料が安くなります。

しかし、黒ナンバーの任意保険にはこの制度がないため、保険料が高く感じるでしょう。

取り扱い保険会社が少ない

黒ナンバーの任意保険の特徴として、取り扱いがある保険会社が少ないことが挙げられます。

インターネットで契約が完結する格安の保険が普及していますが、黒ナンバーの任意保険に関してはあまり取り扱いがありません。

大手保険会社では取り扱っている場合もありますが、取り扱っている保険会社が少ないため、他の保険と比べると選択肢が少ないです。

個人事業主でも黒ナンバーの任意保険に加入できる？

個人事業主でも、黒ナンバーの任意保険に加入することは可能です。

万が一、荷物を運送中に事故が発生すると損害金額も高額になることが考えられます。

そのため、損害賠償額によっては経営に大きく影響を与える可能性が高いため、個人事業主の方が保険に加入する必要があるでしょう。

黒ナンバーの任意保険はフリート契約やミニフリート契約で車両を複数台所有していないと割引がほとんどない状態で保険料が高いです。

しかし、個人事業主の方はご自身や家族のためにも、必ず保険に加入して万が一のリスクをカバーすることをおすすめします。

黒ナンバーの任意保険にネット申し込みできるおすすめの保険会社

黒ナンバーの任意保険にネット申し込みが可能なおすすめの保険会社を紹介します。

代理店型ですが、インターネットから申し込みが可能です。

まとめ

軽貨物運送事業で使用する黒ナンバーですが、自家用車よりも事故のリスクが高いです。

任意保険の加入は自由ですが、軽貨物運送事業を営む場合は、万が一事故が起きた場合に経営困難に陥る可能性もあるため、必ず任意保険に加入することをおすすめします。

まずは、複数の保険会社に相談して補償内容や保険料からご自身に合ったプランを探しましょう。

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