PL保険の費用は？PL保険の保険料相場を解説

PL保険は、トラブル発生時にどんな費用が補償されるのかな？

幅広いリスクをカバーするPL保険は、保険料も高いのでは？

PL保険は、幅広い業種の方が加入している損害賠償責任をカバーする保険です。

そのため、どんな費用がカバーされるのか範囲が分からなかったり、保険料が高額になったりするのではないかと思う方も少なくないでしょう。

今回は、PL保険の保険料の相場や費用について分かりやすく紹介します。

この記事を読んだあなたは、PL保険について理解できるでしょう。

PL保険とは？

PL保険は、製造または販売した商品などが原因で、他人にケガをさせた場合などに、事業者が法律上の損害賠償責任を負担する場合の損害費用を補償する保険です。

国内で発生した事故が対象となるため、海外でのリスクをカバーしたい場合は海外PL保険への加入が必要となります。

補償内容

PL保険に加入することで補償される内容は、下記の通りです。

補償される内容や金額は、保険会社や契約内容によって異なってくるため、確認が必要です。

補償対象外になるケース

その他にも各保険会社の「保険金をお支払いしない主な場合」に補償対象外のケースが公表されているため、確認が必要です。

PL保険の基礎知識などの詳細については、下記の記事をご確認ください。

PL保険で補償される費用

補償内容で費用について触れましたが、どんな場合に補償されるのかを紹介します。

事故発生後に生じる費用

損害防止費用	損害の発生や拡大を防止した際に支出した費用
緊急措置費用	損害の発生や拡大の防止の手段を講じたあとに賠償責任がないことが判明した場合で あっても、被害者に対する応急手当、緊急処 置のために支出した費用
権利保全行使費用	第三者に損害賠償請求で きる場合に、その権利を保全・行使するため に支出した費用

訴訟等に発展した場合の費用

争訟費用	事前に保険会社の承認を得て支出した訴訟費用、弁護士報酬等の費用
協力費用	損害賠償請求を受け、保険会社が必要に応じて貴社代わりに解決に向けた対応を行う場合に保険会社に協力するために支出した費用

和解・判決による損害賠償金費用　

損害賠償金

被害者に支払うべき法律上の損害賠償金 (身体賠償事故の場合)治療費、医療費、慰謝料など (財物賠償事故の場合)修理費、再調達に要する費用など ※法律上の賠償責任が生じないにもか かわらず、被害者に支払われた見舞金等は、お支払いの対象となりません

オプション費用

被害者対応費用	対人事故が発生した場合に、慣習として支出した見舞 金または見舞品の購入費用や、対物事故が発生した 場合に臨時に必要とした費用を補償
事故対応特別費用	基本補償の対象となるような損害賠償請求がなされた場合、あるい は損害賠償請求が発生するおそれがあることを貴社（被保険者）が知った場合において、貴社（被保険者）がその対処のために支出した費用（文 書作成費用、交通費、事故現場の調 査費用、記録費用・通信費などを補償

オプションの補償を追加することで、基本的な補償では対象となっていた費用が対象となるため、手厚い補償を受けたい方は、特約を追加することをおすすめします。

支払われる保険金

基本的には全額が保険金支払いの対象となります。

しかし、保険金の限度額を設定して契約している場合や、自己負担額を設定している場合は、契約内容通り支払限度額の範囲で保険金が支払われるため確認が必要です。

また、損害賠償額が支払限度額を超えた場合は、争訟費用は下記の計算式で計算されます。

争訟費用=争訟額の総額×(支払限度額÷損害賠償額)

保険会社によって、内容が多少異なるため、確認が必要です。

PL保険の保険金支払い事例

次に、どのような場合にPL保険の保険金支払い対象になるか事例を紹介します。

飲食店の事例

料亭でお客様に提供したイシガキダイの刺身に、シガテラ毒素が含まれていたために複数のお客様が食中毒を起こした事件。原告の中には25日間にわたって休業した人もいたため、休業補償など多額の損害賠償を請求された。

引用：会社経営のリスクに立ち向かうには

飲食店で最も気をつけないといけないことは、食中毒です。

しかし、気をつけていたとしてもトラブルが発生する可能性が考えられるため、お客様の身体に被害を与えた場合を補償するPL保険に加入した方が良いでしょう。

製造業の事例

カラオケボックスで従業員が立体駐車装置を操作した際に事故が発生。カラオケボックス経営者が装置の製造販売元に対し、損害賠償請求訴訟を起こした。結果、製品に欠陥は認められなかったものの、販売時の説明が不十分として約1,400万円の支払い命令が下った。

引用：会社経営のリスクに立ち向かうには

欠陥がなかった場合でも、販売時の説明不足が原因で賠償責任を求められるケースも発生しています。

製造業は幅広い製品を扱うため、万が一のトラブルに対応できる保険に加入することをおすすめします。

販売業の事例

ショッピングセンターの床に落ちていたアイスで、高齢者が足を滑らせて転倒。ショッピングセンターがアイスの販売に伴う事故の予防対策を怠っていたとして、原告の請求の8割が認められる判決が下った。

引用：会社経営のリスクに立ち向かうには

アイスが落ちていたり、ジュースがこぼれていたり、雨で床が濡れていたりして転倒した場合は、お客様の不注意ではなく、業者に責任が問われるケースがあります。

何がトラブルや事故に繋がるか分からないため、万が一の事故に備えることが大切です。

PL保険の保険料の相場は？

PL保険の保険料は、下記の情報によって保険料が算出されます。

保険料の相場が一概にいくらであるかは、言えません。

業種や会社の規模、補償内容によって年間保険料が数万円～数十万円になる場合があり、さまざまです。

また、特約を追加することによって、補償内容をさらに充実させることも可能ですが、その分保険料は高額になります。

まずは、PL保険を取り扱っている保険会社を探して見積もりを作ってもらい、複数を比較検討することをおすすめします。

PL保険(生産物賠償責任保険)の注意点

PL保険に加入する場合に注意すべきポイントが2つあるため、紹介します。

補償の対象外になるケースがある

PL保険に加入したからといって、どんな場合でも損害が補償される訳ではありません。

故意によって発生したトラブルや、重過失・危険な物を取り扱った場合の事故は、保険金支払いの対象外になります。

また、PL保険には国内向けと海外向けと保険が別で存在します。

国内向けのPL保険に加入していた場合に、海外でトラブルが発生した場合は保険が適用されないため注意が必要です。

自己負担がゼロというわけではない

PL保険は、事故が発生した場合にすべて保険で対応する自己負担がない保険ではありません。

保険金には、免責金額といって一定額の自己負担しないといけない金額が存在します。

免責金額を高くするか低くするかは、ご自身で設定が可能です。

免責金額を高く設定すると、保険料は安くなります。

反対に、免責金額を低く設定すると、保険料は高くなります。

自己負担額をどのように設定するかは、自社の規模や状況によって考えましょう。

おすすめの保険会社

PL保険は、ほとんどの保険会社で取り扱いがあります。

保険会社によって、商品名や補償内容が多少異なる場合があります。

まずは、複数の保険会社の内容を比較して、ご自身のリスクに合った補償を受けられる保険会社を選びましょう。

まとめ

PL保険は、事故発生後から訴訟に発展した場合まで、幅広いリスクを補償してくれる保険です。

業種に関係なく、加入をおすすめする法人保険です。

万が一、トラブルが発生した場合でもPL保険に加入していると迅速に対応できるため、自社やお客様を守るためにもPL保険に加入することをおすすめします。

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