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PL保険とは?化粧品製造業の事業リスクと保険の内容を解説

PL保険 化粧品製造者

化粧品を取り扱う場合に、加入した方が良い保険はどんなものがあるのかな?

PL保険は、どんな場合に補償されるのかよく分からない……

PL保険は、幅広い業種の方が加入している損害賠償責任をカバーする保険です。

今回は、化粧品に必要なPL保険に関する基礎知識を分かりやすく紹介します

この記事を読んだあなたは、PL保険について理解できるでしょう。

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目次

PL法とは?

PL法は、製造物の欠陥などにより人の身体や財産に損害を与えた場合の損害賠償責任について定められている法律です。

この法律は、製造物の欠陥が原因で生命、身体又は財産に損害を被った場合に、被害者が製造業者等に対して損害賠償を求めることができることを規定した法律です。この法律は、不法行為責任(民法第709条)の特則であり、不法行為責任に基づく損害賠償請求の場合には、加害者の過失を立証しなければならないところ、製造物責任については、製造物の欠陥を立証することが求められます。

引用:消費者庁_製造物責任法の概要Q&A

PL法は、商品が壊れたり不良品だった場合の修理費用や返品費用を補償する訳ではありません。

商品に安全性を欠く欠陥がありそれに伴い治療費などを請求された場合には、賠償責任が生じるということが定められています。

ここで記されている「欠陥」とは、どのようなことを指すかを紹介します。

設計上の欠陥

まずは、化粧品を作るために配合された成分の安全性が確認されていない場合です。

成分の配合率や効果などの安全が検証されていないにも関わらず、お客様に販売された場合は、化粧品製造会社または化粧品販売会社などが賠償責任を求められることになります。

製造上の欠陥

化粧品が設計されたとおりに製造されなかった場合です。

成分の配合率などの安全性を検証したにも関わらず、製造中に設計通りに作られなかったため、被害を与えてしまうことが考えられます。

指示通りに作らなかった化粧品製造会社か、依頼した化粧品販売会社が販売元として責任が問われるかは場合によるでしょう。

指示・警告上の欠陥

化粧品の危険に関する適切な情報表示をして販売しなかった場合の、取扱説明不足が挙げられます。

化粧品販売会社が、化粧品を販売する際に取扱上の注意などの情報を記載せずに販売した場合が考えられます。

それ以外にも、ドラッグストアなどで販売する場合に適切な保管方法を伝えたにも関わらず怠ったことでお客様に損害を与えた場合はドラッグストアの欠陥としてみなされます。

製造会社や販売会社が何かしらを怠った場合は、欠陥として責任を問われるため注意が必要です。

PL保険(生産物賠償責任保険)とは?

PL保険の補償内容について紹介します。

PL保険に加入することで、「モノを製造・販売する業者」として、賠償責任を補償するだけではなく、万が一の備えもしっかりしている会社として信頼を得られることがメリットです。

補償内容

PL保険に加入することで補償される内容は、下記の通りです。

損害賠償金損害を与えた被害者に対して支払う賠償金
損害防止・軽減費用被害拡大を防ぐための措置にかかる費用
争訟費用訴訟を受けた場合の訴訟費用・弁護士費用
緊急措置費用事故発生時の応急手当にかかった費用
権利保全行使費用他にも責任を負うべき会社がある場合、その会社に対して求償権を保全または行使するための費用
協力費用保険会社が事故解決のために行う要求に協力するために要した費用

補償される内容や金額は、保険会社や契約内容によって異なってくるため、確認が必要です。

補償対象外になるケース

・故意によって生じた損害賠償責任

・重過失の場合の損害賠償責任

・危険すぎるモノを取り扱った場合に起こった損害賠償責任

・被保険者と生計を共にする同居の親族に対する損害賠償責任

・従業員が業務中に被った身体の障害に起因する損害賠償責任

・地震、噴火、洪水、津波などの自然災害が原因で起こった損害賠償責任

・正当な理由がなく、リコールなどの措置を取らなかったために起こった損害賠償責任

その他にも各保険会社の「保険金をお支払いしない主な場合」に補償対象外のケースが公表されているため、確認が必要です。

PL保険の基礎知識などの詳細については、下記の記事をご確認ください。

化粧品製造者によるPL保険の損害事例

肌トラブル

カネボウ化粧品は4日、同社と子会社が製造販売する美白化粧品で「肌がまだらに白くなる」などの被害が報告されたため、化粧水や乳液など8ブランド54製品を自主回収すると発表した。現在約25万人が使用し、約45万個が家庭などにあるとみられる。消費者庁もこれらの製品の使用中止を呼び掛けた。

対象製品はカネボウが製造した「カネボウブランシール スペリア」ブランドの「ホワイトディープ」シリーズや、「トワニー」ブランドの「エスティチュードホワイト」シリーズなど。子会社のリサージ、エキップの製品も含まれる。

いずれもカネボウが開発した医薬部外品の美白成分「ロドデノール」を配合。2008年から13年4月にかけて、全国の百貨店や量販店など約1万5千店で販売された。累計で436万個が出荷されている。

カネボウによると、今年5月、製品を使って被害を受けた利用者がいるとの報告が皮膚科医から寄せられた。同社が調べたところ、同様の症状が出たケースが計39例あった。首や手に症状が出る事例が多かったという。

東京都内で記者会見した夏坂真澄社長は「ご迷惑とご心配をおかけし、心よりおわび申し上げます」と謝罪。「万全の基準でやってきたという過信があった。自主基準を再点検したい」と話した。回収で約50億円の費用が発生する見通し。

引用:日本経済新聞_2013年7月4日

上記の例は、有名な美白化粧品で問題になった事例です。

こちらは大手化粧品会社の事例ですが、化粧品による皮膚トラブルは消費者センターや国民生活センターに寄せられる最も多い相談です。

それだけに、問題に発展する可能性も高いため、万が一の時に備えて化粧品業者は必ず保険に加入することをおすすめします

PL保険(生産物賠償責任保険)の注意点

化粧品を製造・販売する業者がPL保険に加入する場合に注意すべきポイントが2つあるため、紹介します。

・補償の対象外になるケースがある

・自己負担ゼロというわけではない

補償の対象外になるケースがある

PL保険に加入したからといって、どんな場合でも損害が補償される訳ではありません。

故意によって発生したトラブルや、重過失・危険な物を取り扱った場合の事故は、保険金支払いの対象外になります。

また、PL保険には国内向けと海外向けと保険が別で存在します。

国内向けのPL保険に加入していた場合に、海外でトラブルが発生した場合は保険が適用されないため注意が必要です。

自己負担がゼロというわけではない

PL保険は、事故が発生した場合にすべて保険で対応する自己負担がない保険ではありません。

保険金には、免責金額といって一定額の自己負担しないといけない金額が存在します。

損害賠償額が1,000万円の場合で、免責金額を100万円に設定している保険の場合。

保険金として900万円が支払われるが、免責金額の100万円は自己負担額となる。

免責金額を高くするか低くするかは、ご自身で設定が可能です。

免責金額を高く設定すると、保険料は安くなります。

反対に、免責金額を低く設定すると、保険料は高くなります。

自己負担額をどのように設定するかは、自社の規模や状況によって考えましょう。

おすすめの保険会社

PL保険は、ほとんどの保険会社で取り扱いがあります。

おすすめの保険会社一覧

・AIG損保

・東京海上日動

・三井住友海上

・日新火災

・損保ジャパン

保険会社によって、商品名や補償内容が多少異なる場合があります。

まずは、複数の保険会社の内容を比較して、ご自身のリスクに合った補償を受けられる保険会社を選びましょう

まとめ

PL保険は、化粧品を取り扱う業者の方は万が一のリスクに備えて加入した方が良い保険です。

皮膚トラブルに関する相談が多く、お客様から損害賠償責任を求められることが考えられます。

万が一、トラブルが発生した場合でもPL保険に加入していると迅速に対応できるため、自社やお客様を守るためにもPL保険に加入することをおすすめします

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この記事を書いた人

保険相談Times(株式会社インシュアランスブレーン)では、海外旅行保険(留学・ワーホリ・駐在・海外長期渡航など)・火災保険・法人損保に関するお問い合わせを日々多数いただいています。その中で、お客様からのご質問・やり取りの中から「この情報は保険加入前に知っておいた方がいいな」といった内容を記事にまとめて保険の選び方を発信しています。
スタッフの詳細なご紹介:https://hokentimes.com/oversea/staff

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