運送業の「貨物保険」は、一般に、軽貨物やトラックの運送業者が、預かった荷物を壊したり無くしたりして荷主に賠償するときに備える「運送業者貨物賠償責任保険(運賠)」を指します。荷主が自分の荷物にかける「運送保険」とは、入る人が違う保険です。運送保険Timesの契約では、個人事業主の年間保険料の中央値は約3.2万円(月あたり約2,700円)でした。

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貨物保険(運送業者貨物賠償責任保険)とは?
運送業者貨物賠償責任保険は、運送業者が運送のために預かった荷物(受託貨物)が、事故などで壊れたり無くなったりして、荷主に損害賠償をするときの賠償金などを補償する保険です。軽貨物の個人事業主から、トラックの運送会社まで加入します。
運送業者に賠償の責任がある理由
商法では、運送人は、荷物を受け取ってから引き渡すまでの間に起きた荷物の滅失・損傷などの損害を賠償する責任を負います。運送人が荷物の受け取り・運送・保管・引き渡しについて注意を怠らなかったことを証明したときだけ、責任を免れます[1]。
トラック事業者の多くが使う国土交通大臣の標準貨物自動車運送約款では、荷物が全部無くなったときの賠償額は、引き渡すはずだった場所と時の荷物の価額で決まります[2]。高価な荷物を運ぶほど、1回の事故の賠償額が大きくなります。
補償される事故の例
| 場面 | 事故の例(想定例) |
|---|---|
| 運送中 | 交通事故で荷台の家電が壊れた |
| 積み込み・積み下ろし | 台車から落として精密機器を壊した |
| 仮置き・保管中 | 荷物を一時的に置いていた間に盗まれた、火災で焼けた |
一方で、地震・噴火・津波による損害や、現金・有価証券・美術品・生き物などは、補償の対象外としたり特約を必要としたりする契約があります。運ぶ荷物が補償の対象になるかは、契約前に確かめましょう。
補償範囲の型(オールリスク型と特定危険型)
「オールリスク型」は、対象外として決められたもの以外の偶然な事故を補償する型で、「特定危険型」は、火災・衝突・転覆など契約で決めた事故だけを補償する型です。補償の範囲は契約で決まるため、運送業者貨物賠償責任保険でどちらの型になるかと、対象外の事故を見積もりで確かめてください。
貨物保険の種類と運送保険との違い
荷物の事故に備える保険は、運送する側と荷物を預ける側で、入る保険が分かれます。

海上輸送の貨物保険
貿易や国内の船の輸送の荷物には、海上輸送の貨物保険を使います。
| 種類 | 入る人 | 備えること | 対象の輸送 |
|---|---|---|---|
| 外航貨物海上保険 | 貿易をする事業者 | 輸出入の荷物が受けた損害 | 国と国の間の輸送 |
| 内航貨物海上保険 | 荷主など | 国内の海上輸送の荷物が受けた損害 | 国内の船の輸送 |


貨物保険の保険料はどう決まる?
運送保険Timesで運送業者貨物賠償責任保険を契約した事業者の年間保険料の中央値は、個人事業主で約3.2万円、法人で約9.4万円です。
| 区分 | 年間保険料の中央値 | 金額順で真ん中の半分の契約が入る範囲 |
|---|---|---|
| 全体 | 約3.2万円 | 約2.7万〜3.4万円 |
| 個人事業主 | 約3.2万円(月あたり約2,700円) | 約2.3万〜3.2万円 |
| 法人 | 約9.4万円 | 約4.3万〜16.1万円 |
運送保険Timesの調べ(2023年10月以降に契約した運送業者貨物賠償責任保険。2026年10月時点で契約済みの、始期が先のものを含む。更新・解約・失効した契約を含め、同じ事業者は最新の1件に集計。保険料は年額。個人事業主は同じ金額の契約が多く、範囲の上端が中央値と同じ。支払限度額・免責金額・運ぶ荷物はそろえておらず、軽貨物とトラックも分けていない。件数は非公開)
個人事業主は金額の幅が小さく、法人は車両の台数や運賃収入によって大きく変わります。保険料に一律の定価はなく、主に次の4つの条件をもとに見積もりで決まります。
| 条件 | 中身 | 見積もりで伝えること |
|---|---|---|
| 支払限度額 | 1回の事故で支払われる上限 | 運ぶ荷物の価額、荷主から求められている限度額 |
| 免責金額(自己負担額) | 事故のときに自分で負担する額 | 少額の損害を自分で払うか |
| 荷物の種類 | 壊れやすさ・盗まれやすさ | 主に運ぶ荷物(雑貨・家電・精密機器・冷凍冷蔵品など) |
| 事業の規模 | 保険料の計算のもとになる規模 | 軽貨物なら車両の台数、トラックなら年間の運賃収入 |
契約の形には、車両1台ごとに契約する形と、年間の運賃収入などをもとに会社全体をまとめて契約する形があり、どちらになるかで比べ方も変わります。
保険相談Times編集部元請や荷主から「支払限度額は1事故〇〇万円以上」と条件が出ていることがあります。見積もりの前に、取引先の条件を手元にそろえておくと、条件に合うプランを選びやすくなります。
支払限度額は、運ぶ荷物の価額と取引先の条件で決める
限度額が運ぶ荷物の価額に足りないと、事故のときに不足分を自分で払うことになります。反対に、安い荷物が中心なのに高い限度額を付けると、保険料が無駄になります。主に運ぶ荷物の価額と、取引先が求める限度額の両方を満たす額にしましょう。
免責金額を、手元資金に合わせて設定する
免責金額を設定すると、保険料を抑えられる場合があります。ただし、事故のたびにその額は自分で払うため、事故の件数と手元資金に合わせて決めます。
台数が増えたら、契約の形を見直す
車両が増えてきたら、1台ごとの契約を続けるか、会社全体をまとめる契約にするかで保険料と管理の手間が変わります。台数が増えた時点で、両方の見積もりを比べましょう。


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- 貨物保険は必要ですか?自動車保険に入っていれば不要ですか?
-
自動車保険の対物賠償は事故の相手の車や物の損害に備えるもので、運んでいる荷物の損害を補償するかは契約によって違います。荷物への賠償に備えるなら、運送業者貨物賠償責任保険を確かめましょう。
まとめ:運送業者は運賠、荷主は運送保険で備える
運送業の貨物保険は、預かった荷物の事故で荷主に負う賠償に備える運送業者貨物賠償責任保険を指し、荷主が入る運送保険とは別の保険です。運送人は注意を怠らなかったと証明できなければ賠償責任を負うため、運ぶ荷物の価額と取引先の条件に合う支払限度額で備えましょう。運送保険Timesの契約では、個人事業主の年間保険料の中央値は約3.2万円でした。保険料は支払限度額・免責金額・荷物の種類・事業の規模をもとに決まるので、まずは条件をそろえて見積もりを取ってください。
貨物保険の見積もり・相談先
運ぶ荷物や取引先の条件に合う支払限度額が分からないときは、主に運ぶ荷物と車両の台数を伝えて相談すると、見積もりまで一度に進められます。



運送保険Timesでは、運ぶ荷物や取引先の条件をうかがって、運送業者貨物賠償責任保険の見積もりをご案内しています。まずはお気軽にご相談ください。


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出典
- e-Gov法令検索「商法」(第575条 運送人の責任。2026年10月28日確認)
- 国土交通省自動車局貨物課「飲料配送中に発生した貨物の毀損等に関する取扱いについて(標準貨物自動車運送約款の適用細則)」(令和元年7月時点の標準貨物自動車運送約款の規定。2026年10月28日確認)
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