法人損保

海上保険とは?海上貨物輸送のリスク、保険加入の注意点などを解説

海運

今回は海上保険についてご説明していきたいと思います。海上保険とは、正式名称は「外航貨物海上保険」と呼びます。文字通りですが、海の上つまり、海外へ輸送中の貨物の損害を補償する保険になります。しかし、「海上保険というのだから海の上での航海中のみの補償なんでしょ?」と考えた方も多々いらっしゃるかと思います。実は、外航貨物海上保険は陸路・空路での損害も補償するものもあります。また、船上の火災や爆発等ヒューマンエラーによる事故や、沈没や転覆等の自然災害も補償内容に含まれるのです。よって外航貨物海上保険は海外との貿易を行う企業にとってはなくてはならない保険となっております。

今回の記事では、外航貨物海上保険の概要をご説明し、保険料率の計算もご説明させていただきます。是非最後までお読みいただければと思います。

ココがポイント

  1. 海上保険(外交貨物保険)は、海上・航空・陸上輸送にまつわるリスクをカバーする保険です。
  2. 海上保険の補償対象の詳細は、契約リスク、輸送中のリスク、代金回収リスクをカバーすることができます。
  3. 保険の内容を全て理解するのは難易度も高いですので、専門の保険エージェントに相談するようにしましょう。


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海上保険とは

上記でも述べたように、海上保険とは「外航貨物海上保険」が正式名称であり、国際間を輸送される貨物を対象に、海上・航空・陸上輸送中のさまざまな危険から生じる滅失・損傷による損害を補償する保険です。

海上貿易にはどのようなリスクがあるのか?

では、海上保険をかける必要が本当にあるのでしょうか。特に海外との貿易の取引に関しては、国内と異なり、輸送距離も長く途中で予期せぬアクシデントに見舞われる可能性も高いです。自然災害や、事故、破損等様々なリスクがあります。海上貿易に関するリスクは大きく分て3つに分類することができます。

海上保険で補償できるのは②の輸送中の損害のリスクです。その他のリスクも大きいものになりますので是非ご確認ください。

契約に関するリスク

貿易を行うにあたって契約に関することも当然大きなリスクと言えるでしょう。理由としては、貿易相手が外国であることです。国内と違い、外国の場合は「慣習」や「文化」の違いがございます。そのため、契約をいかにしっかり行ったとしても思ったような商品が届かなかったり、また相手先から苦情が入る可能性がございます。

また、必ず交わすであろう「契約書」も重要になります。海外は日本と異なり、契約書が非常に重要になります。そのため、自社の要求はしっかり契約書に記載する必要があります。それでも国内の常識が通用するとは限らないので、契約に関わることは大きなリスクと言えます。

輸送中の損害リスク

輸送中の損害のリスクは、上記に述べたように、予期せぬリスクが大きいです。海外の取引は国内とは違い輸送距離が長くなることがあり、自然災害に見舞われる可能性が高くなります。また、乗船員の誤操作により貨物の火災、爆発のリスクもございますし、波にゆられコンテナ同士のぶつかりで商品が破損する可能性もあります。そのような船上のリスクは非常に大きいと言えるでしょう。

代金回収のリスク

契約は商品を売買して全てではなく、代金が回収できて成立します。また、海外の取引に関しては、商品の輸送前に代金を支払う「前払い」と、輸送後に代金を支払う「後払い」がございます。「前払い」の場合買い手側にとっては商品が届く前のリスクがあり、「後払い」の場合は売り手側にとってリスクがあります。代金を回収できなかった、または代金を支払ったが商品が届かない等のリスクも大きいと言えます。

海上保険の適用範囲の種類それぞれの特徴比較(保険基本条件)

外航貨物海上保険の保険条件は3つに分られています。それぞれの損害内容については、イギリス、ロンドンの保険業者協会が制定した、I.C.C.約款(Institute Cargo Clausesの略/協会貨物約款)に基づいています。最新の改定は2009年であり、原則旧約款を使用することも可能です。日本でも年々最新版の2009年改定約款を適用する保険会社が増えてきています。

I.C.C(A)条件

3つの保険条件のうち、一番補償範囲が広いものになります。

貨物の火災・爆発・衝突をはじめとして自然災害も補償範囲に含まれます。

I.C.C(B)条件

Aとほぼ同じ補償範囲であるが、人為的な損害は補償されません。

I.C.C(C)条件

補償範囲が最も狭いものになっております。

火災、爆発、転覆等は補償されますが、自然災害や水漏れと等は補償の範囲外です。

なお、この3つの保険種類の他にI.C.C(Air)というものがあり、これは原則的にA条件にしか付加することができません。この条件が適用されると、航空時の運送もカバーされることになります。また、戦争やストライキによる損害については別途特約を付与することになります。(海上輸送のみ補償)このように保険条件によって補償範囲がそれぞれ異なりますので是非ご注意いただければと思います。3つの保険種類を下記にまとめましたので、ご参考にしていただければと思います。

事故の種類 保険条件
ICC(A)+

War & S.R.C.C.

ICC(B)+

War & S.R.C.C.

ICC(C)+

War & S.R.C.C.

火災・爆発
船舶または艀の沈没・座礁
陸上輸送用具の転覆・脱線
輸送用具の衝突
積込・荷卸の際の水没または落下による梱包1個毎の全損
海・湖・河川の水の輸送用具・保管場所等への浸入
地震・噴火・雷
共同海損(分担額)・救助料
その他の損害
戦争(宣戦の有無を問わない)、内乱、捕獲、だ捕
ストライキ(職場閉鎖を受けている労働者・労働紛争・暴動に加わっている者によるもの等)

海上保険を付保するのは誰?契約するタイミングは?保険期間は?

ではここで気になることが、海上保険は買い手か売り手どちらが付加するべきなのでしょうか。また、売主の補償範囲は商品が船上輸送完了した時点までなのか、それとも相手先の倉庫まで輸送完了したときなのか、一体どこまでなのでしょうか。このような貿易取引の危険範囲について取り決めた世界共通のルールをインターコームズ(Incoterms/貿易条件)と呼びます。中でも貿易取引の用いられているのは「FOB」「CFR」「CIF」の3つです。これら3つのルールを「どの範囲」まで「誰が保険を負担するのか」ということに着目すると以下のようになります。

FOB 輸入者がリスクを負い保険も加入する。

CFR 輸入者がリスクを負い保険も加入する

CIF     輸入者がリスクを負うが保険は輸出者が負担する

この3つの条件では基本的に貨物の積み込み〜船への積み込みまでが輸出者が負担し、船上輸送〜荷物積み下ろしと倉庫への輸送までは輸入者が負担することになります。

いかに図でまとめましたのでご確認ください。

FOB/CFR「輸入者・輸出者双方が保険負担」

貨物輸送〜船への積込 海上 船からの積み下ろし〜倉庫への輸送
売り手(輸出者)のリスク 買い手(輸入者)のリスク 買い手(輸入者)のリスク
売り手(輸出者)が保険契約 買い手(輸出者)が保険負担 買い手(輸入者)が保険負担

CIF「輸出者のみが保険負担」

貨物輸送〜船への積込 海上 船からの積み下ろし〜倉庫への輸送
売り手(輸出者)のリスク 買い手(輸入者)のリスク 買い手(輸入者)のリスク
売り手(輸出者)が保険契約 買い手(輸出者)が保険負担 売り手(輸出者)のリスク

海上保険の保険期間

海上保険の保険期間は、○月○日〜○月○日までという期間ではなく、A地点からB地点までという区間で保険期間を設定しています。ただし、以下2点の場合は輸送途中であっても保険期間が終了しますのでご注意願います。

  • 船からの荷降ろしが完了してから最終保管場所へ運ばれないまま60日を過ぎた場合
  • 貨物の仕分けのために一旦倉庫で保管した場合

海上保険の保険料率・保険金額計算方法

では肝心な外航貨物海上保険の負担額ですが、どのように計算されるのでしょうか。

保険金額

保険金額は保険会社が1回の保険事故について支払う金額の最高限度額のことを言います。無事に届いた貨物を売却したときの期待利益10%を加えた金額で設定されています。これは世界的慣習であります。

一般的に(商品価格+輸入地までの運賃+貨物保険料)×110%として計算されます。保険会社から発行されている保険証券には、保険金額のみが記載されていますので、計算式は覚えておき、各自で計算する必要があります。

保険料の計算方法

では保険料の計算方法はどのようなものでしょうか。こちらも一般的には保険金額×保険料率で計算されます。

保険料率につきましては、貨物の質、輸送方法、輸送距離、輸送区間、治安状況、過去の実績等により変動します。そのため保険会社によって多少差がつくでしょう。また、上記に記載の保険条件A,B,Cですが、補償内容も異なりますので、Aが保険料率が高くなり、Cが保険料率が低くなります。各保険会社により最低保険料が決まっていることもございますので、最低保険料の設定金額等は一度保険会社に聞いてみるのが良いでしょう。

まとめ

いかがでしょうか、外航貨物海上保険についてはABCの補償範囲の違いや、輸入者、輸出者の負担の種類などそれぞれ違いがございますので、見積もりの際は保険会社や海上保険専門の保険エージェントに相談するのも良いでしょう。

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保険Times Magazine編集部

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