家や建物の解体工事を依頼する際、近隣住宅への影響や万が一のトラブルを心配する方は多いです。
結論を先にお伝えしますが、解体工事は危険性が高い工事なので、様々なトラブルに備えた保険に加入しておいた方がいいです。
ただし、加入するのは発注者ではなく解体業者です。
今回は、解体工事に関する損害賠償保険の種類、工事を依頼する前に発注者がチェックしておくべき点などについて、分かりやすく解説していきます。
解体工事は事故・トラブルが起こりやすい
まずは、解体工事中に起こりうる事故・トラブル事例をみていきましょう。
- 隣家のブロック塀に亀裂が入ってしまった
- 破片や重機で近隣住宅を傷つけてしまった
- 騒音のクレームがきた
工事関連のなかでも、解体工事は特に事故が起きやすい工事といわれています。
危険が伴う工事だからこそ、いざという時のために適切な保険へ加入しておくことが大切です。
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事例1:隣家のブロック塀に亀裂が入ってしまった
解体工事では、大きな重機を使用したり、建物解体時の振動で近隣住宅の塀や壁にヒビが入ってしまうケースがあります。
例えば、築年数が古く、常々壁の崩落を心配していた家の住人が、工事中の作業員へ被害状況を抗議。
解体業者は、振動の少ない重機への変更を行い、解体作業完了後に被害者宅の修繕工事を行ったという事例もあります。
実際に工事が始まってみないと分からない課題点はあるものの、被害を防ぐためには施工前に近隣住宅の状態確認が必須です。
調査した上で、周辺環境に合わせた重機の使用や、工事方法を提案してくれる業者を選ぶようにしましょう。
事例2:解体時の破片や重機で近隣住宅を損壊してしまった
外壁や建物の破片が隣の家に落ちてしまい、家や車を傷つけてしまう事故も起きています。
また、解体作業に使用していた重機が外壁に接触し、崩壊させてしまったというトラブルもあります。
解体業者は万全の体制で工事に臨んでいるはずですが、建物が密集している場所などではちょっとした不注意で思わぬ事故に発展してしまうこともあるのです。
事例3:騒音によるご近所トラブル
解体工事中の騒音は避けられないものですが、近隣住民にとってはストレスでしかありません。
場合によっては、発注者が近隣住民から直接クレームを受けることもあります。
解体工事をスムーズに遂行するためにも、ご近所トラブルは回避しておきたいですよね。
工事する時間帯、近隣住宅への事前通知、防音シートなど、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。
解体工事業者の損害賠償に関する法律とガイドライン
「お隣さんの解体工事中に破片がとんできて車が傷ついたんだけど、これって弁償してもらえるの?」
「弁償するのは発注者?解体業者?」
解体工事中に起きた事故やトラブルに対して、被害者は損害賠償請求を行うことが出来ます。
損害賠償責任の有無については民法でしっかり規定されているので、内容を確認しておきましょう。
民法709条:故意または過失による損害賠償責任
民法第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
引用:WIKIBOOKS
故意や過失で損害を与えた場合、解体工事業者には損害賠償を支払う義務が生じます。
損害賠償保険に加入していなかった場合、全額自社負担で支払うことになるため、大きな損失になることは間違いありません。
民法716条:注文者責任
民法第716条
注文者の請負人に対する注文や指図について過失があったときは、注文者は、請負人が第三者に加えた損害を賠償しなければならない
引用:国土交通省:請負契約とその規律
民法716条は、注文者の責任に対する規定です。
基本的に、解体工事で第三者へ損害を与えてしまった場合の責任は、解体業者が負うことになります。
ただし、「注文者が解体業者に悪天候時の工事を指示していた」など、事故につながる過失があったと認められれば注文者も賠償責任の対象になります。
国土交通省のガイドライン
平成15年3月、静岡県で解体工事中の痛ましい大事故が発生したことを受け、国土交通省は「外壁の崩落等による公衆災害防止対策に関するガイドライン」を作成しました。
建設業者向けのガイドラインで、解体工事の事故防止策に関する決まりが書かれています。
解体業者はもちろんのこと、これから解体工事を依頼する方も一読しておいて損はないでしょう。
また、解体工事は各自治体によって事故防止のための指導基準が異なります。現地の基準を遵守して万全の体制で作業にあたりましょう。
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依頼主が損害賠償保険に加入する必要はない
既述していますが、解体工事の依頼主が損害賠償保険に加入する必要はありません。
損害賠償保険に加入する必要があるのは、解体工事を行う業者です。
しかし、保険に未加入の業者も存在します。
ヒアリングの際に保険加入の状況を確認し、未加入であれば他の業者を検討するか、保険への加入を打診してみましょう。
解体工事に関する損害賠償保険の種類
解体工事関する損害賠償保険は、加入方法や種類が複数あります。
- 年間単位の保険
- 工事単位の保険
- 車両単位の保険
1つずつ、詳しく解説していきます。
年間単位の保険
年間単位の保険は、包括契約とも呼ばれています。
年間に受注する解体工事がすべて保険の対象になるため、加入し忘れを防ぐことが出来ます。
保険料は会社の年間の売り上げに応じて決定されます。
年間の売り上げが多ければ保険料は高くなり、売り上げが少なければ安くなります。
工事単位の保険
工事単位の保険は、請け負う工事ごとに都度加入するタイプです。
加入した工事に対してのみ保険が適用される仕組みで、リスクの高い工事を請け負う時にだけ加入するという使い方が出来ます。
保険料は、工事の請負い金額によって決定されます。
別の工事を請け負う際は、再度保険に加入する必要があるので注意してください。
車両単位の保険
車両単位の保険は、工事で使用する車両・重機に対してかける年間保険です。
加入しておくことで、重機のトラブルや誤作動で生じた損害賠償もカバーできます。
先に紹介している年間単位の保険、あるいは工事単位の保険と併用しておくことで幅広い補償が可能になります。
ちなみに、工事関連の保険商品は複数ありますが、解体工事専用の保険というものは存在しません。
様々な工事の種類を包括的にカバーする東京海上日動の『超ビジネス保険』や、損保ジャパンの『ビジネスマスタープラス』では、解体工事も補償対象になっています。
騒音や粉塵トラブルは補償対象外
解体工事において、騒音や粉塵が飛散することは想定内の事象です。
損害賠償保険は、想定外の事故を補償するものなので、想定内の騒音や粉塵トラブルは補償対象に含まれていません。
しっかり養生する、防音シートで建物を囲うなどの対策をしてトラブルのリスクを回避しましょう。
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解体工事の安全対策とトラブル防止策
ここまで、解体工事業者が加入しておくべき保険について見てきましたが、安全対策・トラブル防止策は他にもあります。
解体業者を選ぶ際のポイントにもなるので、ぜひ確認しておいてください。
・保険の加入状況を確認する
・工期など無茶な要望をしない
・近隣への配慮を怠らない
保険の加入状況を確認する
解体工事の業者を選ぶ際、必ず保険の加入状況を確認しておきましょう。
万が一事故が起きた際、損害賠償保険に加入していないと解体業者だけでは対応しきれず、矛先が依頼主に向いてしまうかもしれません。
そのようなリスクを回避するためにも、解体業者の保険加入は必須といえます。
また、
「そこまでしなくても……」
と思うかもしれませんが、適切な保険に加入していると言う業者であれば、保険証券のコピーを提示してもらうとより確実です。
- 損害賠償保険への加入状況
- 賠償金額の支払い限度額
- 保険で補償される範囲(補償内容)
もし未加入の業者に頼むのであれば、保険への加入を促してみてください。
業者によっては、保険料が高いという理由で未加入な場合もあります。
「保険料を見積もりに入れてもらって構わないから、加入してほしい」
と伝えれば、応じてくれる業者がほとんどだと思います。
いずれにせよ、保険に加入している(加入してくれる)業者へ依頼するようにしましょう。
工事期間の短縮など無理な注文はしない
解体工事は、特に慎重に行う必要がある工事です。
工期の短縮や、見積もりの過度な減額、悪天候時の工事を指示するなど、無理な要望をしてはいけません。
発注者の無謀な注文が要因で事故が発生したと認められた場合、損害賠償責任が生じます。
無理のない範囲で工事を進めてもらうよう、解体業者に依頼しましょう。
近隣への配慮も忘れずに
ご近所トラブルを防ぐためにも、解体工事を始める前に近隣へ挨拶しておくことも大切なポイントです。
騒音や粉塵をゼロにすることは恐らく不可能ですし、もし事故が発生した場合、事前に挨拶しておくことで被害者のリアクションが変わることもあります。
極力迷惑をかけずに工事を進めることが最も重要ですが、近隣住民への理解を求めておくことも大切です。
また、近隣の方たちは作業員のマナーや対応も意外と見ています。
悪い印象を与えてしまわないよう、工事の責任者は従業員のマナー指導も徹底しておきましょう。
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まとめ
今回は、解体工事の業者が加入しておいた方が良い損害賠償保険の種類をご紹介しました。
解体工事は、他の工事よりも事故やトラブルが起きやすいといわれています。
場合によっては多額の損害賠償請金を請求される可能性もあるため、解体業者によっては支払いに応じられないということも考えられます。
そんなとき、役に立つのが損害賠償保険です。
保険への加入は義務ではありませんが、発注者・業者の両方を守るためにも、解体工事に関する保険は加入しておくことをおすすめします。
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本コンテンツは情報の提供を目的としており、保険加入その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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