クリーニング業者は加入必須！クリーニング業者賠償責任保険とは？

クリーニング品を破いてしまった場合、保険は適応されるのかな？お客様からクレームが入ったけど、どうしよう……

クリーニング業界は、クレームが入りやすい業界だと言われています。

自分たちのミスだから保険が適応されないと困るケースも少なくないでしょう。

今回は、クリーニング業者が加入すべき賠償責任保険について解説します。

この記事を読んだあなたは、クリーニング業者賠償責任保険について理解し不安が解消されるでしょう。

クリーニング業者がカバーすべきリスクとは？

お客様の衣類を預かりキレイにするクリーニング店には、さまざまなリスクが存在します。

些細なトラブルから経営にダメージを与えるほどのトラブルまで、幅広いリスクがあるでしょう。

クリーニング業者に考えられるリスクを3つ紹介します。

お客様の衣服を破損するリスク

クリーニング業者で一番考えられるリスクが、お客様の衣類を破損してしまうことです。

機械の操作トラブルなどで破れてしまったり、洋服のボタンが取れることが考えられます。

1枚ぐらい破損しても大きな損害になりませんが、家庭で洗濯するのではなくクリーニング店では1度に大量の衣類を洗濯するためミスをすると大きな損害に繋がる可能性が高いでしょう。

お客様の衣服を紛失・盗難するリスク

クリーニングに出す衣類は、低価格な衣類ではなく高額な衣類が多い傾向にあるため、泥棒に狙われやすいといえるでしょう。

店舗の施錠や監視カメラでの防犯をしっかり行っていたとしても、お客様から預かった衣類が失くなった場合は責任を負わなければいけません。

災害などで店舗が被害を受けるリスク

クリーニング業者に限らないですが、火事や地震などの災害により、お客様からお預かりしている衣類が被害に遭う可能性が考えられます。

火災が発生し、お客様の衣類が全焼してしまう可能性があります。

建物の被害だけではなく、お客様に賠償責任を支払う必要があるため、保険に加入していないと経営が傾くほどの被害も考えられるでしょう。

クリーニング業者賠償責任保険とは？

クリーニング業者賠償責任保険とは、クリーニング業者または取次業者が、お客様からお預かりした洗濯物を破損したり盗まれた場合に、損害賠償責任を補償してくれる保険です。

クリーニング業者賠償責任保険に加入したけれど、保険金を受け取れなければ意味がありません。

補償を受けられるケース・受けられないケースや、そもそも賠償責任を負わなくて良いケースについて紹介します。

補償を受けられるケース

・誤って預かった衣類に穴を空けてしまった
・アイロンがけをしている際に、衣類を焦がしてしまった
・配達の最中に、衣類が盗まれた
・工場で火事が発生し、衣類が焼失してしまった

些細なトラブルですが、お客様から預かった衣類に損害を与えることはよく考えられます。

万が一、お客様から賠償責任を求められた場合は補償されるため、保険に加入していることで従業員も安心して仕事ができるでしょう。

また、すぐに対応できるため、お客様からの信頼を失わずに済みます。

補償を受けられないケース

・クリーニング業者が衣類に穴が空くと分かりながらも洗濯した場合
・従業員や家族の衣類を自分のお店でクリーニングした場合

あまりにひどいミスであれば故意や重過失と判断され、保険金を受け取れない場合があります。

また、家族や従業員の衣類が破損や色落ちをした場合は自己責任とされるため、保険の対象外となるので注意が必要です。

賠償責任を負わなくても良いケース

・お客様がクリーニング済の衣類を確認して受け取り、書類を交わした
・お客様にクリーニング済の衣類を返却し、6ヶ月が経過した
・クリーニング業者がお客様から衣類を預かった日から1年が経過した

お客様に返却する際に、確認してもらい書類を交わした場合は、了承済みとされるため賠償責任は負わなくても良いです。

また、引き渡してから一定期間が経過した場合も賠償責任を負う必要はありません。

なぜならば、時間が経つと破損の原因がクリーニングということが証明できないため、責任の所在が分からないからです。

悪質なクレームの場合もあるため、お客様からクレームが入った場合、お店に落ち度があるか確認して対応するようにしましょう。

その他に必要な賠償責任保険

クリーニング業者に考えられるリスクから、必要な賠償責任保険を2つ紹介します。

生産物賠償責任保険

生産物賠償責任保険は、衣類をお客様に引き渡した後に、クリーニングの結果が原因で、他人をケガさせたり、他人の物を壊した場合の賠償責任を補償する保険です。

・ドライクリーニングをした衣類により、お客様がやけどをした
・タグのホチキス留めがきちんとされていなかったため、お客様がケガをした

預かった衣類だけではなく、その他の人や物に被害を与えるリスクをカバーしてくれるため、万が一があった場合に安心できるでしょう。

施設賠償責任保険

施設賠償責任保険は、施設・設備・用具などの管理不足または業務中の事故により他人をケガさせたり、他人の物を壊した場合の賠償責任を補償する保険です。

・雨の日にお店の床が濡れており、お客様が転倒して腕の骨を骨折した
・お店の看板が風で飛び、通行人がケガをした
・配送中にハンガーラックを近くの車にぶつけて傷がついた

クリーニング業者だけではなく、すべての業種に考えられるリスクのため、加入しておくことをおすすめします。

クリーニング業者賠償責任保険に「施設危険担保特約」を追加することも可能です。

クレームは減らせる？

クリーニング業界は、無茶なクレームも多く発生することからクレーム業界とも呼ばれています。

責任がクリーニング店にあるか判断がつきにくいため、クレームを減らすために事前に対策をとることをおすすめします。

・賠償基準をお客様に分かってもらう
・徹底した対応マニュアルを作成する

賠償基準をお客様に分かってもらう

全国クリーニング生活衛生同業組合連合会では、クリーニング事故賠償基準(運用マニュアル)に、どのような場合に賠償責任が発生するか明記しています。

お客様から無茶なクレームを要求されないように、あらかじめ店内に掲示したり、すぐに提示できるような状態にすることをおすすめします。

店内に掲示することで、悪質な要求をしてくるお客様であっても、自分の要求が通らないと考え無茶な要求はしてこないでしょう。

まずは、賠償基準を明確に掲示することが大切です。

徹底した対応マニュアルを作成する

お客様への対応マニュアルを作成しておくことをおすすめします。

衣類をお預かりする際の発言には細心の注意が必要です。

例えば、「この汚れは落ちるかな？」と聞かれた場合に、「キレイに落ちると思います」と言うと、仕上がった時にキレイになっていなければクレームになるからです。

曖昧な言葉がクレームに繋がるため、マニュアルを確認して従業員の教育を徹底することでクレームを減らせるでしょう。

保険に加入するメリットは？

クリーニング業者賠償責任に加入するメリットを2つ、紹介します。

万が一の時に、素早い対応ができる

万が一、お客様の衣類を破損したり失くした場合に、保険に加入していることですぐに弁償することが可能です。

ブランド物のコートなど何十万円もする衣類が何点もあった場合、経営が傾いたり最悪の場合は店を畳まないといけないぐらいの状態になるかもしれません。

しかし、保険に加入していることで、謝罪とともにすぐに弁償できるでしょう。

素早く誠実な対応をすることで、お客様の信用を失わずに済みます。

従業員が安心して仕事をできる

保険に加入していることで、従業員が安心して仕事をすることができます。

もし、保険に加入していない場合は、クレームが入らないように消極的な仕事をする可能性もあるでしょう。

安心して仕事ができる環境を整えるのも、経営する上でとても重要です。

まとめ

クリーニング業者はお客様とトラブルが多い業界のため、保険に加入することでトラブルをカバーできる状態にしておくことをおすすめします。

また、保険に加入した場合に、補償を受けられるケースと受けられないケースをしっかり理解しておくことで安心して仕事に取り組めるでしょう。

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