出版社はどのようなリスクを抱えているのかな？
出版業界に必要な保険って何かな？
プライバシーなどの個人の権利意識が高くなったことにより、出版社では名誉毀損などで損害賠償請求をされる可能性も少なくありません。。
今回は、出版社で起こり得るリスクに備えるための保険について紹介します。
この記事を読んだあなたは、出版社に必要な保険について理解できるでしょう。
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出版業界を取り巻くリスクとは？
まず、出版業界を取り巻く3つのリスクを紹介します。
・著作権侵害のリスク
・報道被害のリスク
・従業員のリスク
著作権侵害のリスク
広告宣伝活動による、名誉毀損やプライバシーの侵害、著作権の侵害のリスクが考えられます。
出版した本に用いた絵や写真が著作権を侵害しているとして損害賠償を受ける可能性があるでしょう。
万が一、著作権を侵害して損害賠償を求められた場合には、すぐに対応して損害賠償金も支払わなければいけません。
内容によっては、損害賠償金額が高額になることも考えられます。
報道被害のリスク
出版社のようなコンテンツ業界では、報道被害で損害賠償を求められるリスクが考えられます。
掲載した記事が原因で、該当会社から会社のブランドイメージを傷つけられたと損害賠償請求をされることは珍しくありません。
インターネットが急速に発展したことによって、一度ブランドイメージが傷つくと信頼を取り戻すために時間がかかります。
出版社では、ミスがないように厳しくチェックが入ると思いますが、トラブルがないとは言い切れないためしっかりと対策を取る必要があります。
従業員のリスク
出版社では、従業員が仕事中にケガや死亡するリスクは少ないでしょう。
しかし、通勤中や営業活動の途中に転んで骨折などのケガをする可能性は少なからずあります。
それだけではなく、過労により心身が疲労し働けなくなることもあるかもしれません。
また、パワハラやセクハラ、マタハラなどのハラスメント好意によるトラブルも考えられます。
従業員に万が一のことが起きた場合のリスクに備えることも大切です。
出版社で実際に発生した事故例
出版社に関わる実際に発生したトラブル事例を紹介します。
書籍無断掲載
執筆者Ｂ氏がある人物Ｄ氏の活動を 紹介する書籍を執筆し出版社Ｃ社がこれを出版しました。同 書籍には、Ｄ氏のスナップ写真（本件写真）が使われていまし た。
本件は，このスナップ写真の撮影者Ａ氏が，この書籍について， Ａ氏が著作権を有する写真（本件写真）が無断使用されており， 著作権（著作財産権及び著作者人格権）を侵害されているとし て，Ｃ社に対し同書籍の印刷，頒布の差止と在庫の廃棄を，Ｃ 社とＢ氏に対し損害賠償を求めました。
引用：弁護士法人クラフトマン
裁判所は、著作権侵害を認め書籍の出版差止等を認容するとともに、出版社Ｃ社の過失も認め損害賠償請求を認めました。
この事例は、注意深く権利処理の必要性を再認識させるトラブルだと言えます。
セクシュアル・ハラスメント
原告は、フリーランスの編集者を経て出版社に入社した女性。
上司である被告Aから、「原告はおかしい」「原告は毎晩電話をかけてくる」「原告はストーカー」と言ったり、原告が他の同僚と話していると周囲に「二人はできているから気をつけろ」と言ったりして噂をした。
その後も、さまざまな問題があり、社長や取締役に相談した。
原告は退職したが、その後会社が破産宣告を受けたことから原告は被告Aに対して、その不法行為により精神的苦痛を受けたとして、被告管財人Bに対しては被告の監督責任を果たしていないとの使用者責任、又は就業環境調整義務違反による債務不履行責任を負うとして慰謝料及び弁護士費用の損害賠償を請求した。更に、名誉回復のために被告Aに対して謝罪文の交付を求めた
引用：一般財団法人_女性労働協会
この事例は、出版社だから発生するトラブルではなく、どの業界でも起こり得る可能性があります。
特に、ハラスメントについては近年トラブルも多いため、管理職や社員が高い意識を持てるような取り組みを行いましょう。
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出版社に必要な保険の種類は？
出版社に必要な保険の種類を紹介します。
業務過誤賠償責任保険
コンテンツ事業者向けの業務過誤賠償責任保険は、出版社が提供したサービスが原因で取引先などから損害賠償を求められた場合に対応する保険です。
コンテンツサービスに含まれている映像や写真などの著作権や商標権侵害のリスクに対応します。
損害賠償金の他に、弁護士費用などの争訟費用や復元費用が保険金として支払われます。
また、会社だけではなく役員や従業員などの個人が損害賠償請求を求められた場合も補償の対象となるため、幅広いリスクをカバーできる保険です。
雇用慣行保険(パワハラ保険)
雇用慣行賠償責任保険(Employment Practice Liability Insurance)は、EPLI保険やパワハラ保険、ハラスメント保険とも呼ばれている法人向けの損害保険です。
不当解雇やセクハラ、パワハラなどが原因で会社と従業員が職場環境や業務上をめぐりトラブルになり、会社が従業員から訴えられて損害賠償を負った時に保険金が支払われる保険です。
これぐらい大丈夫だと思うことでも、パワハラとして訴えられる可能性があるため、従業員を守るためにも必要な保険でしょう。
パワハラ保険の詳細については、下記の記事をご確認ください。
出版健康保険組合とは？
出版健康保険組合は、出版業界で働く方とその家族が加入できる健康保険組合です。
出版健康保険組合では、下記の内容を提供しています。
・医療費の負担
・各種給付金の支給
・健康情報の提供
・病気の予防を目的とした各種健診
・運動設備や保養施設の利用機会の提供
また、保険料の計算方法は下記の通りです。
ボーナス支給月以外の月：標準報酬月額×保険料率＝保険料
ボーナス支給月：標準報酬月額×保険料率＝保険料(ボーナス分)
標準賞与額×保険料率＝保険料
また、40歳以上65歳未満の被保険者は、健康保険料に加えて介護保険料についても徴収されます。
出版健康保険組合は、医療費の一部負担や各種健診などのサービスが充実しているため、必要に応じて加入しましょう。
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出版社におすすめの保険
出版社におすすめの保険会社を紹介します。
| 保険会社 | プラン |
|---|---|
| 東京海上日動 | 超ビジネス保険 |
| 三井住友海上 | ビジネスプロテクター |
| 損保ジャパン | ビジネスマスタープラス |
| AIG損保 | コンテンツ事業者向け業務過誤賠償責任保険 |
リスクを包括的にカバーする総合的な保険プランがある場合もあれば、部分的なリスクをカバーするプランなど保険会社によってそれぞれです。
まずは、複数の保険会社の内容を比較して、ご自身のリスクに合った補償を受けられる保険会社を選びましょう。
まとめ
出版社は、著作権の侵害や名誉毀損などが原因で損害賠償を求められる可能性があることやトラブルが発生した場合に損害賠償金額が高額になる可能性があるため、保険に加入して万が一に備えましょう。
トラブルが発生した場合でも保険に加入していると迅速に対応できるため、保険に加入することをおすすめします。
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