組立保険はどんな工事に関する保険なのか、いまいちよく分からない……
建設工事保険と組立保険はどう違うの?
建設業を営んでいる場合、工事中や資材保管中など幅広いリスクをカバーするために保険に加入する方が多いでしょう。
しかし、工事に関係する保険の種類がたくさんあるため、どの名前の保険に加入すれば良いか混乱する方もいると思います。
今回は、組立保険の基礎知識や他の保険種類との違いを解説します。
この記事を読んだあなたは、組立保険の内容を理解できるでしょう。
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組立保険とは?
組立保険は、機械や設備などの組み立てや据付工事の際に、事故により持ち込んだ機材や資材などに損害があった場合に補償を受けられる保険です。
工事に関係する物の損害に備える保険のため、人に被害があった場合は補償対象外となります。
そんな組立保険の補償内容などについて紹介します。
対象となる工事
組立保険は、すべての工事作業中における損害が補償される訳ではありません。
組立保険の補償対象となる工事は、建物以外の電気設備の設置や空調機の取り付けなど、機械や設備などの組立や据付工事が対象となります。
組立保険の対象となる工事の例 | |
---|---|
建物の内装工事 | – |
建物の外装工事 | – |
付帯設備の工事 | 冷蔵庫・給排水・電気・ガスなど |
鋼構造物の建設工事 | アンテナ・鉄塔・アーケード・歩道橋・煙突など |
各種の機械、機械設備、装置の据付や組立工事 | 化学機械・ポンプ・溶接機・乾燥機・発電機・通信機・ケーブル・エレベーター・立体駐車場など |
複数の機械、機械設備、装置が集まった設備一式の工事 | 発電設備・冷凍冷却設備など |
工場、プラント、発電所などの建設における設備一式の工事 | 製造工場・加工工場・発電所・鉄鋼所など |
・建設工事
・土木工事
機械や設備などの組立や据付工事以外の工事は、組立保険では補償されないため、別の保険に加入する必要があるため、注意が必要です。
補償期間
組立保険の補償期間は、一般的には着工の日から引き渡しまたは工事が完了した日までです。
工事開始日であっても、自社の物をトラックから荷下ろしした時点から補償が開始されます。
運搬中は、補償対象外になるため、運搬中の補償も必要な場合は別途保険に加入する必要があります。
また、保険プランによっては、運搬中も補償対象になる場合もあるため、保険会社に確認しましょう。
補償内容
組立保険が補償する損害は、作業の目的物や持ち込んだ機材や資材の損害です。
下記のような損害の費用が補償されます。
・作業の目的物の損害
・持ち込んだ機材や資材の損害
・損害が拡大するのを防ぐためにかかった費用
・事故の前の状態に戻すためにかかった修理費用
その他の費用をカバーしたい場合は、他の保険に加入してカバーしないといけません。
その場合、他の保険に加入するケースと、組立保険に特約として追加できるケースがあります。
付帯できる特約
付帯できる特約について紹介します。
特約名 | 内容 |
---|---|
特別費用補償特約 | 損害が生じた保険対象の復旧に要する急行貨物割増運賃(航空貨物輸送運賃を除く)および残業・休日勤務または夜間勤務による割増賃金を復旧費に算入する |
損害賠償責任補償特約 | 第三者の身体の障害、または財物の損壊につき、 法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害を補償 |
荷卸危険補償特約 | 輸送機関からの保険対象の荷卸作業中に、不測かつ突発的な事故によって保険の対象に生じた損害を補償 |
残存物の解体及び取片づけ費用補償特約 | 損害の生じた保険対象の残存物を取片づける時に必要な費用を復旧費に算入する |
保険会社によって、特約の種類や内容に多少の違いがあるため、加入する保険会社にどのような特約があるのかを確認しましょう。
組立保険の保険金
組立保険の保険金が支払われるケースや支払われないケースなどを紹介します。
保険金支払い対象の事故
組立保険が適用されるのは、不測かつ突発的な事故による損害に対してです。
・組立作業の欠陥
・設計、材質などの欠陥
・火災、爆発、破裂
・台風、防風、落雷、洪水などの自然災害
・土砂崩れ、地盤沈下、隆起
・電気のショート
・作業員の過失
・盗難
保険金が支払われない場合
逆に、組立保険の保険金が支払われないケースを紹介します。
・保険契約者、被保険者、工事現場責任者の故意もしくは重大な過失や法令違反によって生じた損害
・保険の対象が工事以外の用途に使用された場合において、その使用によってその部分に生じた損害
・保険の対象の性質もしくは欠陥またはその自然の消耗(さび、スケール等を含みます。)もしくは劣化の損害
・残材の調査によって発見された紛失または不足の損害
・完成期限または納期の遅延、能力不足その他の債務不履行により、損害賠償責任を負担することにより 被った損害
・保険の対象である土木工事に生じた、土木工事の設計の欠陥によって生じた損害
・風、雨、雹 ひょうなどが吹込み、漏入によって生じた損害
・戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱
・ 暴動、テロ
・地震もしくは噴火またはこれらによる津波
上記のような場合は、保険金が支払われないため注意が必要です。
支払われる保険金
組立保険の保険金の計算式は、下記の通りです。
支払われる保険金=(復旧費-免責金額)✕(保険金額÷請負金額)
復旧費 | 損害発生直前の状態に復旧するためにかかる修理費・修理に必要な点検や検査の費用 |
免責金額 | 被保険者が負担する金額 |
特約を追加すると、割増賃金・残存物の解体や取片付け費用を復旧費に含むことも可能です。
免責金額の設定は、保険会社によって工事内容ごとに上限や金額が定められている場合もあるため確認しましょう。
自己負担額(免責金額)を高く設定することで、保険料を安く抑えることも可能です。
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組立保険の保険料の計算式
組立保険の保険料は、下記の内容によって変わります。
・工事内容
・工事の場所
・工事期間
・過去の損害
組立保険の保険料例
例えば、個別契約の場合の保険料例は下記の通りです。
・工事内容:ビルの冷暖房設備の設置工事
・工事の場所:東京都
・工事期間:2ヶ月間
・請負金額:5,000万円
・保険金額:5,000万円
・免責金額:2万円
・付加する特約:損害賠償責任特約
この条件の場合の保険料は、約10万円です。
参考:三井住友海上_公式HP
契約パターン
組立保険には2種類の契約方式があります。
・個別契約(工事ごとに契約)
・包括契約(保険期間内の工事をまとめて契約)
包括契約の場合、工事の規模に関係なくすべての工事が補償対象になるため、加入漏れが防げる上に手続きの手間も省けるためおすすめです。
組立保険との違いは?
組立保険と似ている保険に、建設工事保険や火災保険が挙げられます。
組立保険との違いについて知りたい方も少なくないでしょう。
それぞれの違いについて解説します。
組立保険と建設工事保険の違い
建設工事保険は、物の損害に備える保険としては組立保険と同様です。
しかし、建設工事保険は新築工事や増築、改装なども含めた住宅、建物の建築工事が対象となります。
組立保険は、工事に使用する機械や設備などが対象のため、工事の目的が違います。
組立保険と火災保険の違い
火災保険は、火災により会社が所有する建物や企業財産に損害があった場合に活躍する保険です。
組立保険とは、補償内容が大きく異なります。
異なる点は、下記の表の通り大きく2つあります。
補償内容 | 組立保険 | 火災保険 |
---|---|---|
施工ミス | 補償される | 火災に関係する場合のみ補償される |
台風や豪雨など | 補償される | 補償されない |
工事のリスクをカバーしたい場合は、火災保険の補償内容では不十分と言えます。
組立保険の方が火災保険よりも、工事中の幅広いリスクをカバーしてくれる保険でしょう。
法人向けの火災保険について詳しく知りたい方は、下記の記事をご確認ください。
公共工事の場合は加入が必須
組立工事保険は、必ず加入しないといけない保険ではありません。
任意で加入が必要な保険のため、加入しない方もいるでしょう。
しかし、工事中の事故は高額な損害賠償を伴うことが考えられます。
従業員や会社を守るためにも、必ず保険に加入することをおすすめします。
また、公共工事の場合は、保険に加入していないと引き受けられない場合もあるため、注意が必要です。
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おすすめの保険会社
組立保険に加入する場合のおすすめの保険会社を紹介します。
・損保ジャパン
・三井住友海上
・AIG損保
・あいおいニッセイ
保険会社によって、補償内容や保険料が多少違います。
まずは、保険会社や代理店に相談して、複数の保険会社を比較し検討しましょう。
まとめ
組立保険は、機械や設備の設置や取付け工事の際に対象物に損害が発生した場合の費用を補償してくれる保険です。
公共工事の場合には加入が必須なケースも多く、幅広いリスクをカバーしてくれる保険のため加入することをおすすめします。
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本コンテンツは情報の提供を目的としており、保険加入その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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