海外旅行保険のレンタカー特約って？補償内容を徹底解説

海外旅行中にレンタカーを借りる時、保険に入った方が良いのかな……

海外でレンタカーを借りる時、どれぐらいの補償内容が必要？

海外旅行中に自由に行動するために、レンタカーを借りる方も少なくないでしょう。

しかし、慣れない土地で運転をするため不安になるのではないでしょうか。

今回は、海外旅行中のレンタカーの補償について紹介します。

この記事を読んだあなたは、海外旅行中のレンタカー特約について理解し、安心して海外旅行のドライブを楽しめるでしょう。

レンタカー特約の補償内容

海外旅行に行く時、日本とは違う国で万が一のことがあった場合に備えて海外旅行保険に加入する方も多いでしょう。

海外旅行保険は、旅行期間に合わせて自分の持ち物を盗まれた場合やケガをした場合などのトラブルを補償してくれる保険です。

海外旅行保険の主な補償内容

まずは、海外旅行保険に加入するとどのような補償を受けられるか解説します。

補償	内容
治療費用	病気やケガで病院に行ったときの治療費を補償
傷害死亡・後遺傷害	ケガで死亡または後遺障害が生じた場合の補償
疾病死亡	病気で死亡または後遺障害が生じた場合の補償
救援費用	入院して日本から家族を読んだ場合の交通費や滞在費を補償
賠償責任	他人の身体や物に損害を与えてしまった場合の補償
携行品損害	身の回りの物の、盗難や破損を補償
航空機遅延費用	航空機の欠航や遅延により、宿泊費や食事代が発生した場合の補償
航空機寄託手荷物遅延等費用	航空会社に預けた荷物が、到着せず衣類や生活必需品を購入した場合の補償
弁護士費用	旅行中に被害に遭い、弁護士に法律相談を行った場合の補償
テロ対応費用	第三者による不法な支配、テロ行為や公権力による拘束された場合の補償

海外旅行保険は、日本と違い莫大な金額がかかる可能性がある治療費や、お土産店で商品を壊してしまった場合の補償を受けられます。

自動車の使用や管理中の賠償責任は補償対象外

しかし、運転中に事故を起こした場合の、レンタカーの修理費用や事故で相手に損害を与えた場合の賠償責任は補償内容に入っていません。

レンタカーを借りる方は、海外旅行保険の補償内容だけでは不十分といえるでしょう。

運転中の事故に備えたい場合は、特約を付加する必要がある

海外旅行保険だけでは、運転中の事故に備えた補償はプランに含まれていないため、別途特約として追加する必要があります。

オプションとして「自動車運転者損害賠償責任」を追加することにより、補償が受けられます。

1回の事故に対する限度額
・対人1億円
・対物500万円

ただし、海外旅行保険の特約以外に、他のレンタカー保険に加入されている場合は、レンタカー保険の補償が優先となります。

レンタカー保険で支払われる保険金額を超えた場合は、オプションとして追加した特約からも保険金が支払われる仕組みです。

治療救援費用から車の運転で怪我をした際の補償はカバーされる

海外旅行保険に加入して海外に渡航した場合、基本的にどのプランにもついている治療救援費用補償でも一部車の運転に関連する内容が補償されます。

それは、車の運転をして怪我をした場合の治療費用です。

補償が重複することにはなりますが、海外で車を運転して自分が怪我をした場合は海外旅行保険でも担保されるという件を覚えておきましょう。

海外旅行保険に加入して渡航している場合は、レンタカー保険を現地で加入する際に補償のカスタマイズができる場合は、搭乗者の補償を外すことも検討しましょう。

レンタカー特約の注意点

海外旅行保険にレンタカー特約を付ける場合に注意したい点が2点あります。

国やレンタカーを借りる時に、制限がかかってしまうことです。

国が限定される

どこの国や地域でも、補償を受けられるわけではありません。

対象になる国は米国とカナダの2ヶ国のみとなっています。

米国には、下記の地域も含まれています。

・ハワイ
・グアム
・サイパン
・プエルトリコ

旅行先が米国とカナダ以外の場合は、レンタカー特約は適応されていないため注意が必要です。

レンタカー会社が指定される

ご自身で探したレンタカー会社からレンタカーを借りて、海外旅行保険のレンタカー特約を付けたからといって対象になるわけではありません。

保険会社が指定したレンタカー会社で借りた場合のみ、補償の対象となります。

レンタカーの車種も限られています。

・自家用乗車
・自家用乗貨兼用車
・二輪自動車
・原動機付自転車

キャンピングカーで旅行をしたい場合などは、あらかじめ保険会社に確認することをおすすめします。

ここまででレンタカー特約の注意点を挙げました。

基本的に海外旅行保険にレンタカー特約をつけても補償対象が限定されているため、いざ保険を使うときになって使えないといったトラブルにもなりかねません。

結論としては、海外でレンタカーを借りる際はレンタカー会社で保険をかける方が良いです。

海外旅行保険のレンタカー特約を付加した場合のプラン例

	プランA	プランB	プランC
傷害死亡	5,000万円	3,000万円	1,000万円
傷害後遺傷害	5,000万円	3,000万円	1,000万円
治療・救援費用	無制限	無制限	無制限
応急治療・救援費用	300万円	300万円	300万円
疾病死亡	2,000万円	1,000万円	1,000万円
賠償責任	1億円	1億円	1億円
携行品損害	30万円	30万円	30万円
盗難等による携行品損害	30万円	30万円	30万円
旅行中の事故による緊急費用	5万円	5万円	5万円
5日間の保険料	7,980円	6,680円	5,820円
10日間の保険料	11,960円	10,490円	9,510円
15日間の保険料	15,900円	14,150円	12,910円
レンタカー賠償責任(オプション)	対人：1億円　対物：500万円	対人：1億円　対物：500万円	対人：1億円　対物：500万円
レンタカー賠償責任を付けた5日間の保険料	12,010円	10,710円	9,850円
レンタカー賠償責任を付けた10日間の保険料	18,290円	16,820円	15,840円
レンタカー賠償責任を付けた15日間の保険料	23,390円	21,640円	20,400円

レンタカー特約を付けた場合、1日あたり500円～800円保険料がかかります。

海外のレンタカー保険に加入することもできる

海外旅行保険にレンタカー特約を付ける以外にも、レンタカー保険に加入する方法もあります。

海外のレンタカー保険について解説します。

海外のレンタカー保険の内容

海外レンタカー保険の内容は、保険会社や国・地域によって異なりますが、主な保険内容を紹介します。

自動車損害賠償保険	第三者（対人及び対物）に対する補償
車両保険・車両盗難保険	車両に対する補償
搭乗者保険	ご自身または搭乗者に対する医療費の補償
手荷物保険	手荷物の紛失に対する補償

自動車損害賠償保険は、レンタカー保険に加入すると必ずついてくる強制保険です。

自動車賠償責任保険以外は、自分のために必要な補償を選ぶ、オプションの保険です。

自動車損害賠償保険

海外でレンタカー保険に加入した場合、一般的に「自動車損害賠償保険」が含まれます。

「自動車損害賠償保険」は日本の自動車保険と同様、運転中の事故による対人・対物の賠償責任金額を補償する保険です。

相手の治療費、建物や相手の車両を壊した場合の修理費などの一部が保険金で補償されます。

ご自身の怪我や盗難の被害は補償されません。

車両保険・車両盗難保険 

レンタルした車両に盗難、破損などの被害が発生した場合に損害金額の負担を免除してくれる制度です。

搭乗者保険 

運転者や同乗者が事故により負傷した場合に、保険金が支払われます。

手荷物保険

車内の荷物（現金、航空券、眼鏡、携帯電話、カメラ、等は対象外）が盗難や 破損に遭った場合に補償してくれる保険です。

海外のレンタカー保険に加入すると、海外旅行保険のレンタカー特約では加入できないオプションの保険を追加することが可能です。

海外のレンタカー保険が適応されない場合

保険に加入していても、保険が適応されない場合もあります。

・登録していない人が運転して、事故を起こした場合
・交通法規に違反して事故を起こした場合
・契約書に記載されている条項に違反した場合

登録していない人が運転して、事故を起こした場合

レンタカーを借りて、レンタカー保険に加入する場合は運転する人の登録が必要になります。

そのため、運転者として登録をしていない人が運転中に事故を起こした場合は、保険の適用が受けられない場合があるため、必ず運転者全員を申請することをおすすめします。

交通法規に違反して事故を起こした場合

飲酒運転や、速度超過・定員超過などの交通法規に違反した場合は保険は適応されません。

ルールを守って安全運転を心がけましょう。

契約書に記載されている条項に違反した場合

保険会社の契約によりますが、例えばサーキットを走行した場合など契約書のルールを破ると保険は適応されません。

サーキットで走行して事故等があった場合は、レンタカー保険に加入していても全額自己負担になります。

また、保険の適用には警察の証明が必要となるため、事故にあった場合は必ず警察に届けるようにしましょう。

各国の補償限度額

国	対人(1人につき)	対人(1事故につき)	対物(1事故につき)
アメリカ	各州の定まる補償額		ー
カナダ	1事故につき最大C＄1,000,000
ベルギー	無制限	無制限	無制限
フランス	無制限	無制限	無制限
フィンランド	無制限	無制限	無制限
ドイツ	無制限	無制限	無制限
アイルランド	無制限	無制限	無制限
イタリア	EUR100～500万	ー	最大EUR100万
オーストリア	1事故につき最大EUR15,000,000
オランダ	1事故につき最大EUR2,268,901.08
スペイン	無制限	無制限	無制限
スイス	無制限	無制限	無制限
イギリス	無制限	無制限	無制限
グアム	US＄25,000	US＄50,000	US＄20,000

クレジットカード付帯保険では補償されない

クレジットカードには、海外旅行保険が付帯されている場合も多いです。

そのため、海外旅行保険には加入せずにクレジットカードの補償だけで十分だと考える方も少なくないでしょう。

しかし、クレジットカード付帯の保険では、被保険者の治療費は補償されますが、対人・対物の賠償責任は対象外です。

また、治療費の限度額は1事故あたり100万円～300万円程度のため、補償が不十分と言えるでしょう。

クレジットカード付帯の保険に頼らずに、海外旅行保険またはレンタカー保険に加入することをおすすめします。

海外旅行保険でレンタカー特約をつけなくても現地のレンタカー保険で十分

海外旅行中にレンタカーを借りる際は、事故を起こした場合に膨大な費用がかかる上、対応も複雑なことから保険に加入した方が良いでしょう。

ただ、日本の海外旅行保険にレンタカー特約をつけようとすると、オプションの加入制限や渡航する国の制限もあるため基本的にはレンタカー特約は不要かと思います。

現地のレンタカー会社で保険に加入できるケースが多いため、そちらでの加入を検討するようにしましょう。